米国労働省が発表した米非農業部門雇用者数は急増、失業率は予想外に上昇し、労働市場は複雑な様相を呈している。米国債利回りが上昇。年内の米利下げ見通しは後退した。
5月の非農業部門雇用者数は27.2万人増、市場予想の18.2万人増を上回った。過去12ヶ月の月平均23.2万人増を上回った。一方、3月の非農業部門雇用者数は31.5万人から31万人に、4月の非農業部門雇用者数は17.5万人から16.5万人に下方修正された。非農業部門の就業者の伸びは物価指標と同様に1〜3月に予想を大きく上回る結果になったあと4月に落ち着いたが、減少傾向は続かなかった。
雇用増加は、最近の傾向と同様、ヘルスケア、政府、レジャー・接客業に集中した。この3部門はそれぞれ6.8万人、4.3万人、4.2万人の雇用を増加させた。この3部門が雇用増加数の半分以上を占めた。
失業率は前期の3.9%から4%に上昇、市場予想の3.9%を上回り、この水準に達したのは2年以上ぶりだ。これまでは27ヵ月連続で4%を下回っていた。労働参加率が62.5%と0.2ポイント低下したにもかかわらず、失業率は上昇した。しかし、失業率の算出に使われた家計調査によると、職に就いていると答えた人の数は40万8000人減少した。
平均時給は前月比0.4%上昇、市場予想の0.3%を上回った。前年比では4.1%上昇と前期を上回った。
米雇用統計の強い結果を受けてドルが急伸している。ドル円は155.60付近から156.87近辺まで買われている。米10年債利回りは4.29%付近から4.426%に急上昇。市場での米利下げ開始時期観測は後ずれしている。短期金融市場では米利下げ見通しが後退。発表前は11月の利下げが完全に織り込まれていたが、この確率は80%に低下した。
米労働省労働統計局(BLS)が、米国の労働者の雇用状況を調査した指標。非農業部門雇用者数(Nonfarm Payroll:NFP)は、農業部門以外の産業で働く就業者の数を、非農業部門に属する事業所の給与支払い帳簿を基に集計したもの。世界中の経済指標の中で最も市場に注目されている指標の一つ。同時に発表される失業率は、労働力人口に対する完全失業者の割合で定義される。軍隊従事者、刑務所の服役者などを除いた16歳以上の男女が対象となる。労働の意思のないものは、労働力人口から外されるため、失業率には反映されない。平均時給、労働参加率なども同時に発表される。
moomooニュース ー Sherry
出所:investing、MINKABU、CNBC
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