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更新-【指標速報】米5月CPI、コア指数ともに予想下回る 年内利下げ見通し拡大

moomoo News ·  Jun 12 08:31

米国労働省統計局が発表した5月米消費者物価指数(CPI)がコア指数ともに市場予想を下回る結果となった。高インフレは緩やかな鈍化傾向にあり、利下げのタイミングを見極めたい米FOMCにとって朗報となった。5月の統計はインフレの下降局面が再開された可能性を示した。

米5月の消費者物価指数(CPI)前年比3.3%上昇市場予想の3.4%を下回り、3ヵ月ぶりの低水準となった。前期が3.4%上昇。
前月比は横ばい市場予想の0.1%を下回り2022年7月以来の低水準となった。前期が0.3%上昇。

エネルギーと食品を除く米5月のコア消費者物価指数(CPI)前年比3.4%上昇市場予想の3.5%を下回り2021年4月以来の低水準となった。前期の3.6%も下回ったが、米FRBが目標とする2%のインフレ率をまだ大きく上回っている。
前月比は0.2%上昇市場予想の0.3%を下回り2023年10月以来の低水準となった。前月の0.3%上昇からやや弱まった。

FRBが注目している住居費・エネルギーを除くサービス価格、いわゆるスーパーコアが計算値で前月比0.04%の低下となった。低下は2021年9月以来。前年比も4.83%の上昇に鈍化した。

予想より弱いデータを受けて、株価指数先物は上昇し、米国債利回りは低下した。米10年債利回りは4.38%付近から一気に4.289%付近へと急低下。ドル円は急落、一時156.167円まで急速に下げている。米金利スワップ市場では、CPI発表後に利下げ見通しが強まった。11月の利下げを完全に織り込んだほか、年内に見込む利下げ幅を48bpと、発表前の37bpから拡大した。

5月の総合インフレ率はコア指数ともに低下したが、シェルター価格は依然として堅調で、前月比0.4%上昇し、前年同月比5.4%上昇した。住宅関連の数値は、米連邦準備制度理事会(FRB)のインフレ抑制策における難点であり、CPIに占めるウェイトが高い。家賃以外のサービス価格も、底堅い個人消費と賃上げによる人件費の増加などを反映して高い伸びが続く。

しかし、エネルギー価格前月比2%下落前年同月比で3.7%上昇)し、食品価格0.1%上昇しただけで、物価上昇は抑制された。エネルギー部門では、ガソリン価格が3.6%下落した。食品も年明け以降は2%台の上昇に落ち着いている。5月は前年比で2.1%だった。

「5月のインフレ率は予想外に低下し、もし6月と7月のコアCPIが前月比0.2%であれば、FRBは9月に利下げに踏み切る可能性が高いが、シェルターが前月比0.4%増であることを考えると、まだ大きな不確定要素がある。今回の報道は、短期的には株式市場にとってプラスだ。」とSeeking Alphaのアナリスト、Damir Tokic氏。

5月の米CPIの内訳は以下の通り:

本日は午後にFOMCの結果が発表される。政策は据え置きが確実視されており、声明やFOMC委員の金利見通し(ドット・プロット)、そしてその後のパウエル議長の会見が注目される。

「データが軟化したことは、パウエル議長が本日、ハト派的な発言をする道が開けた」と、RSM USのチーフ・エコノミスト、ジョセフ・ブルスエラス。

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米労働省労働統計局(BLS)が、都市部の消費者が購入する商品やサービスの価格の変化を調査して指数化したもの。変動が激しい食品とエネルギー価格を除いたコア部分の指数も同時に発表される。米国のインフレターゲットの対象は個人消費支出(PCE)デフレータであり、日本を含め多くの国でインフレターゲットの対象とされているCPIではない。しかし、発表時期が対象月の翌月15日前後と、対象月の翌月末もしくは翌々月初めとなるPCEデフレータに比べて2週間程度早く、変化の傾向が似ているため、市場の注目度は物価関連指標の中で最も高い。計測期間中の代替品の扱いの違いなどから、PCEデフレータに比べると水準は若干高く出ることが多い。

moomooニュース ー Sherry
出所:investing、MINKABU、Bloomberg、Seeking Alpha

Disclaimer: This content is for informational and educational purposes only and does not constitute a recommendation or endorsement of any specific investment or investment strategy. Read more
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