■テラスカイ<3915>の業績動向
2. 事業セグメント別の動向
(1) ソリューション事業
ソリューション事業の売上高は前期比25.2%増の17,643百万円、セグメント利益(営業利益)は同6.6%増の2,074百万円と過去最高を更新した。売上高は、Salesforceを中心としたクラウドサービスの導入開発案件や、BeeXが手掛けるSAPのクラウド移行案件の需要が旺盛だったこと、またテラスカイ・テクノロジーズの派遣事業も未経験者の採用・育成が進み、人員が前期末の195名から320名と1.6倍となり売上増に貢献した。派遣人員の稼働率も9割超とほぼフル稼働に近い状況となっている。利益面では、QuemixやTerraSky(Thailand)の事業立ち上がりが遅れていることや、人件費負担の上昇(新卒社員の増加による未稼働人件費の増加)、不採算案件の発生、サテライトオフィス(秋田市、松江市)開設※のための先行投資費用の計上、相対的に利益率の低い人材派遣事業の成長などにより利益率は前期の13.8%から11.8%に低下したものの、増収効果により増益を確保した。
※秋田オフィスは2024年3月より数名で稼働を開始、2030年に30名体制とする予定。松江オフィスは2024年9月より数名で稼働を開始し、2026年に15名体制とする予定。いずれも自治体と立地協定を締結し進出した。サテライトオフィスは2017年に新潟県上越市に開設しており、合計3拠点となる。
Salesforce関連については、業種・地域を問わず新規顧客だけでなく既存顧客の追加開発案件の引き合いも活発な状況が続いており、売上成長は人的リソースに依存する状況が続いている。競合企業も増えているが、同社が主戦場とする大企業向けに関しては、顧客の多様かつ高度な要望に応えるだけの豊富な知見やノウハウが必要とされるため、同社を含めて対応できる企業は限られており、脅威にはなっていないようだ。
また、同社はSalesforce関連のソリューション力強化のため、提携戦略も積極的に取り組んでいる。2023年6月にはFlosum Corporation.(米国)と「Flosum※1」の国内における独占販売契約を締結した。リセラーパートナー企業を募集して販売経路を拡大するほか、マニュアルやFAQなどを充実させたFlosumWEBサイト「サクセスポータル」の開設、Flosumユーザーコミュニティの立ち上げを進め、3年後に導入社数100社を目標としている。2024年2月にはHardHat Ltd.(オーストラリア)と国内初のインプリパートナー契約を締結し、建設業界向け「HardHat※2」ソリューションの導入プロジェクトに関するパートナーシップについて合意した。今後国内でSalesforceを導入している建設会社向けに共同で営業活動を進めていく。いずれも当面の業績への影響は軽微と見られるが、多様な製品を揃えてソリューション力を強化することがSalesforce分野における競争力維持につながるものと見られる。
※1 「Flosum」はSalesforceのリリース管理やCI(継続的インテグレーション)の運用を効率化するアプリケーションで、Salesforceのリリースやバージョン管理など、開発者・システム担当者にとって負担が大きい作業工数を削減し、Salesforceの活用や内製化を推進する企業に採用されている。
※2 「HardHat」はゼネコンやサブコン向けに開発されたSalesforce AppExchangeで、プロジェクトライフサイクル全体の業務を合理化し、建設プロジェクトの効率性、安全性、収益性の向上を支援する。
子会社の動向について見ると、テラスカイ・テクノロジーズはSalesforce専門人材(主にシステム運用管理者)の派遣ニーズが旺盛でほぼフル稼働状態となっており、設立3年目で黒字化を達成した。業容拡大のため2023年10月よりAWSの専門人材の派遣サービスも開始しており、2026年には100名体制に増強し、売上高で10億円を目標としている。GCPの構築やビッグデータ分析・AIコンサルティングサービスなどを展開するリベルスカイは、2024年2月期末の人員が20名程度とまだ少ないものの需要は旺盛で増収増益となった。今後は人的リソースの拡大が成長の鍵を握ると見られる。
SalesforceのMAツールの導入・運用・定着化支援を行うDiceWorksについては、同社の顧客先に対して営業活動を行うと同時にSalesforceからの顧客紹介案件などもあり、順調に売上が拡大し営業利益も若干ながら黒字化した。従業員数は30名程度となっている。Cuonについては、不採算案件が発生した影響により減収減益となったが、同要因を除けば順調で2023年8月より「生成AI導入支援サービス」を開始したほか、2024年1月よりオープンソースのeコマースプラットフォーム「Spree Commerce」を基盤としたECサイト構築・運用保守サービス「ECO (EC Optimization)」を開始した。迅速なサービス立ち上げと、カスタマイズ機能などの拡張性に優れているのが特徴で、ECサイトの機能を拡充しながら長期運用を考えている顧客向けに拡販を目指している。
量子コンピュータ関連のアルゴリズムやソフトウェアの研究開発を行うQuemixでは、ライセンスビジネスや企業との共同研究を進めているがまだ先行投資段階であり、収益化を実現するビジネスモデルの確立が当面の目標となっている。2024年4月にはCEOの松下氏が東京大学大学院理学系研究科物理学専攻特任准教授に就任し、開発拠点を東京大学に移転したことから、今後の研究開発の加速や企業との共同研究プロジェクトの増加が期待される。
タイの子会社については2019年に設立以降、コロナ禍で休眠状態であったが、2022年夏から事業活動を開始し、現在はエンジニア数名体制で、Salesforceの現地子会社と協業して営業活動を進めている段階にある。ただ、人材の採用が想定よりも進まず、2024年2月期も損失を計上した。今後は人員の増強に加えて資本業務提携先のNTTデータとも協業しながら収益化を目指す。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
■泰勒斯天空<3915>業績趨勢
2. 按業務部門分類的趨勢
(1)解決方案業務。
解決方案業務的營業收入爲176.43億元,同比增長25.2%,部門利潤(營業利潤)爲20.74億元,同比增長6.6%,創歷史新高。 銷售額旺盛,原因是需求旺盛,尤其是雲服務以Salesforce爲中心的開發項目以及BeeX介紹的SAP雲移行項目。此外,泰勒斯淨技術派駐業務的新員工招聘和培訓正在擴大,人員從上一財年的195人增加到320人,爲營收的增長做出了貢獻。派遣工作的利用率也已經超過90%,幾乎達到滿負荷的狀態。在利潤方面,由於Quemix和TerraSky(泰國)的業務起步較晚,人力成本的上升(未上崗人員成本的增加,增加的新入社員)、虧損項目的發生、衛星辦公室(秋田市、松江市)的開業――這些都是賺取利潤的相對低的派遣業務增長所致,利潤率從上一財年的13.8%下降到11.8%,但通過增加收入,他們獲得了收益增長。
※秋田辦公室將於2024年3月開始以數人爲單位運營,計劃在2030年達到30名。松江寫字樓將於2024年9月開始運營,計劃在2026年達到15名。兩者都與地方政府簽訂地位協議以推廣。Satellite Office開業於2017年新潟縣上越市,總共有三個站點。
對於Salesforce相關的業務,銷售增長仍然依賴人力資源。儘管競爭對手正在增加,但對於大企業作爲他們的主要戰場來說,僅有擁有豐富的知識和專業知識才能應對多樣化和高度要求的客戶,從而限制了企業的威脅。
此外,同社也積極推進與聯盟的戰略合作以增強Salesforce相關解決方案的能力。2023年6月,他們與Flosum Corporation.(位於美國)簽署了「Flosum※1」在國內的獨家銷售協議。他們擴大他們的銷售通路,招募經銷商合作伙伴,建立了更多豐富的信息資源。他們還打算通過增加FlosumWeb網站的手冊和FAQ,建立Flosum用戶社區,並在三年內將100家公司引入其基礎設施。2024年2月,他們與HardHat Ltd.(澳大利亞)簽署了國內首個Partner協議,並達成了與「HardHat※2」解決方案相關的項目夥伴的協議。今後,他們將與在國內引入Salesforce的建築企業一起推進業務,開展業務活動。雖然它們對未來業績產生的影響還不大,但是擁有多種產品,強化解決方案能力,可以維持在Salesforce領域的競爭力。
※1 「Flosum」是一種用於優化Salesforce的發佈管理和CI(持續整合)運營的應用程序,它減少了對開發人員和系統管理員的工作時間投入,例如Salesforce發佈和版本管理。它是用於鼓勵企業的人員利用Salesforce或內部管理的應用程序。
※2 「HardHat」是專門爲總包商和分包商開發的Salesforce AppExchange,它可以合理化整個項目的生命週期,支持建築項目的效率,安全性和盈利能力的提高。
在子公司方面,Terras Sky Technologies與Salesforce專業人才(主要是系統運營管理員)的僱用需求旺盛,幾乎遍佈全境,第三年建立已經實現盈利。從2023年10月開始,爲了擴展業務,他們還開始提供AWS專業人才派遣服務,並計劃將員工數增加到100名,目標銷售收入爲10億元。而LibelSky則展開了Google Cloud Platform的構建,大數據分析和AI諮詢服務等業務。雖然人員規模仍然很小,約20人,但需求旺盛,業績增長。未來,擴大人力資源將成爲增長的關鍵。
DiceWorks是一家提供Salesforce MA工具的實施、運營和鞏固支持的公司。 它與該公司的客戶開展銷售活動,並提供來自Salesforce的客戶介紹案例,因此銷售收入穩步增長,營業利潤雖然略微盈利。 其僱員規模約爲30人。關於Cuon,由於出現不賺錢的案例,導致減收少盈,但除此之外,一切順利。 自2023年8月起,“生成AI導入支持服務”已啓動,並從2024年1月起基於開放源代碼的電子商務平台“ Spree Commerce” 開始提供EC網站構建,運營和維護服務“ ECO(EC Optimization)”。 它的特點是快速的服務啓動和卓越的擴展性,以滿足長期運營EC網站的客戶的需求和擴展銷售。
Quemix是一家研究和開發量子計算機相關算法和軟件的公司。 它正在推進授權業務和與企業的共同研究,但仍處於先期投資階段,確立盈利模式是目前的重點。 2024年4月,公司首席執行官松下在東京大學物理系研究生院任職爲特命副教授,並將開發基地搬到了東京大學,因此預計日後研究開發將會加速,企業和共同研究項目也將增加。
關於位於泰國的子公司,它在2019年成立後一直處於冬眠狀態,但從2022年夏季開始,開始開展業務活動,目前正處於與Salesforce當地子公司合作進行銷售活動並擁有數名工程師的階段。 然而,人才招聘進展不如預期,導致2024年2月份仍然虧損。 日後,它將加強人員增加,與資本業務合作伙伴NTT DATA合作,以實現盈利。
(撰寫:FISCO客座分析師佐藤讓)