■クリアル<2998>の業績動向
4. 財務状況と経営指標
2024年3月期末における資産合計は、前期末比14,257百万円増の35,749百万円となった。これは主に、現金及び預金の増加1,661百万円、預託金の増加327百万円、販売用不動産の増加13,480百万円、販売用不動産への振替等による有形固定資産の減少541百万円によるものである。
負債合計は、前期末比13,561百万円増の31,942百万円となった。これは主に、短期借入金の増加4,022百万円、事業拡大によるクラウドファンディング預り金の減少171百万円及び匿名組合出資預り金の増加10,413百万円、長期借入金の減少1,126百万円によるものである。短期借入金が676百万円から4,699百万円と大きく増えているが、これは不動産購入とクラウドファンディングによる資金調達との期日がミスマッチする場合に備えたもので、問題となる事由によるものではない。
純資産合計は前期末比695百万円増の3,806百万円となった。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上647百万円による利益剰余金の増加によるものである。
同社の財務状況の特長として、負債の部にクラウドファンディング預り金3,334百万円、匿名組合出資預り金21,283百万円が計上されているが、それと均衡して資産の部に現金及び預金7,859百万円のうちクラウドファンディング関連6,730百万円、販売用不動産24,478百万円のうちクラウドファンディング関連19,179百万円が計上されている。資産合計35,749百万円のうち、72.5%をクラウドファンディング関連の勘定が占めることとなる。なお、匿名組合出資預り金は、匿名組合出資であるため、法的に返済義務を負う性質のものではないが、貸借対照表上では負債として計上される。このことから、実質的な自己資本比率は31.1%と貸借対照表に基づく自己資本比率10.5%に比べて高い状態にあり、流動比率についても貸借対照表からは110.9%となるが実質的には155%となり、財務健全性については問題ない水準と弊社では捉えている。
5. 業績拡大の要因
上記のように同社は業績が好調であるが、そのポイントとなっているのがBtoC向け「CREAL」クラウドファンディングの伸長である。クラウドファンディングの投資家が増加し、同社の資金調達力が上がり、「CREAL」の1ファンド当たりの金額が2024年3月期累計で7.1億円と前期累計5.1億円から約40%増加している。同社は利益率の高い1ファンド30億円規模まで、労力を変えず高い利益率のままで拡大できると見込んでいる。実際、商業施設「CREAL terrace自由が丘」は同社で過去最大となる24.66億円であったが満額募集で調達完了しており、今後もさらなる「CREAL」の業績拡大を期待できる。なお、ファンド用のアセットタイプは2023年3月期末はレジデンスが約75%あったが2024年3月期末は約60%となっている。この理由は、レジデンスはバリューアップできる部分が少なく、利益率の高い案件を見つけにくくなっているため、商業施設、物流施設、ヘルスケア施設などのオペレーショナルアセット(事業運営で収益をあげる施設)に対象を広げているからである。オペレーショナルアセットは運営上のリスクがあるが、同社のアセットマネジメント力を発揮して利回りを高めている模様だ。
BtoC向け「CREAL」クラウドファンディングはニュースサイト等で取り上げられる機会が増え、プロの投資家への知名度がアップするとともに同社の信用力も高まり、大型物件の紹介などにもつながっている。取扱物件数の増加に伴い、売却先となる国内外の機関投資家・超富裕層とのリレーションも強化されている。多くの案件クローズを通じ、売却収益、トランザクション収益、期中収益のすべてが活況となり、「CREAL PRO」の成長要因となっている。同社はBtoCだけでなくBtoBビジネスも幅広く捕捉しており、この事業ポートフォリオも同社の強みとなっている。
SBIグループとの提携も進んでいる。2023年1月にSBIホールディングスと資本業務提携を結んだ後、2024年3月期の第1四半期にはSBI証券のホームページから「CREAL」に送客が開始され、第2四半期にはSBIマネープラザ顧客に「CREAL PB」サービスや「CREAL」ファンドで運用中の不動産の紹介、そしてSBIホールディングス提携金融機関から「CREAL PRO」私募ファンドのノンリコース借入などが始まっている。実際、2024年3月期の「CREAL」投資家の新規獲得における最大の流入経路がSBI証券からの送客によるものであり、今後も一層の発展的取り組みが行われる模様だ。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
■Clear<2998>的業績動向
4. 財務狀況和經營因子
截至2024年3月末,總資產爲357.49億元,比上期末增加了1,425.7億元。這主要是由現金及存款的增加16.61億元、存款的增加3.27億元、銷售用不動產的增加134.8億元、固定資產的減少5.41億元等因素導致的。
總負債爲319.42億元,比上期末增加了1,356.1億元。這主要是由短期借入資金的增加40.22億元、協會出資預收款的減少1.71億元、匿名合夥人出資預收款的增加104.13億元、長期借入資金的減少11.26億元等因素導致的。短期借入資金從6.76億元增加到46.99億元,但這是爲了防範不動產購買和衆籌融資到期日不匹配的情況,而不是由於問題原因導致的。
總淨資產爲3.80億元,比上期末增加了69.5億元。這主要是由於歸屬於母公司股東的當期淨利潤達到6.47億元導致的利潤留存增加。
該公司財務狀況的特點在於,虧損貸款部門有33.34億元、匿名合夥出資預收款212.83億元,而這在資產部門則增加了現金和存款的部分,爲總現金和存款的785.9億元,衆籌相關的部分爲673億元,銷售用不動產24,478億元,衆籌相關的部分爲19.179億元。這使得虧損有72.5%的總資產佔據衆籌的帳戶。另外,匿名合夥出資預收款不會對法律造成償還義務,但在資產負債表上作爲負債列示。由此,實質上的自有資本比率爲31.1%,而基於資產負債表的自有資本比率爲10.5%。我們認爲,流動比率爲155%,而資產負債表爲110.9%,對財務穩健性沒有問題。
5. 業績擴大的原因
正如上所述,該公司的業績良好,其中BtoC面向的“CREAL”衆籌增長成爲重要原因。隨着衆籌投資者的增加,該公司的資金籌集能力提高,“CREAL”每個基金價格從2024年3月的5.1億元增加到了7.1億元,年累計增長約40%。該公司預計,即使在不改變努力情況下,高利潤率的1億紅利增加到了30億元規模仍然可以擴大。實際上,商業設施“CREAL terrace自由之丘”最高爲24.66億日元,已經在募集中達到了日期,對未來“CREAL”的業績擴張有更高的期望。值得一提的是,2023年3月期末的資產種類中,住所佔約75%,而2024年3月期末則降至約60%。這是因爲,住處的增值空間較少,很難找到高利潤率的案例,因此將目標擴大到運營資產(運營施設可以通過運營增加收益),如商業設施,物流設施和醫療保健設施。雖然運營資產存在經營風險,但該公司正在發揮其資產管理能力,以提高收益率。
BtoC面向的“CREAL”衆籌在新聞網站等上的曝光機會增加,專業的投資者知名度也增加了,公司的信用能力也得到了提高,並且更多的大型物件也得到了介紹。伴隨着可供出售的物件數量的增加,與國內外機構投資者和超富裕層之間的關係也得到了加強。通過許多交易關閉,銷售收入、交易收入和功能收益都變得繁榮起來,這是“CREAL PRO”的增長因素。該公司不僅關注BtoC業務,而且還廣泛涵蓋BtoB業務,這也成爲了該公司的業務組合。
與SBI集團的合作也在進展。自2023年1月與SBI控股簽訂資本業務合作協議後,2024年第1季度從SBI證券網站開始向CREAL發送客戶,並在第2季度向SBI Money Plaza客戶提供“CREAL PB”服務和介紹運營中的不動產基金,“CREAL PRO”私募基金的非循環貸款等。實際上,在2024年第1季度,由SBI證券發送客戶的流入是“CREAL”投資者新客戶的最大來源,未來還將進一步展開。
(編輯:FISCO分析師村瀬智一)