■中長期の成長戦略
1. 事業環境
バルテス・ホールディングス<4442>を取り巻く今後数年間の事業環境(市場の拡大等)は、以下のような点から追い風であると言える。
(1) ターゲット業界の成長性
今後、同社が狙っていく市場は当然ながら各種のソフトウェアやIT業界となるが、世界のソフトウェアテスト市場の年平均成長率(CAGR(Compound Annual Growth Rate))は9.2%と予想されており、業界そのものが高い成長を遂げる可能性が高い。
(2) テスト工程のアウトソース化が加速(ソフトウェア開発会社)
以下のような現状から、今後ソフトウェアテストは、開発企業からテスト専門企業へアウトソーシングされる可能性が高い。
(ソフトウェア開発企業の悩み)
・コスト高な開発エンジニアの労働時間の約4割がテスト・検証に割かれる
・テスト工程は開発者のモチベーションが上がらず、非効率
・開発者自身がテスト・検証を行うのは客観性がなく信頼性に欠ける
(テスト工程がアウトソースされなかった理由)
大手SIerが案件を一括受注し、傘下の下請け・孫請けに発注。その開発エンジニアがテスト工程まで行う構造であった。
(今後はテスト工程のアウトソース化が加速)
・開発エンジニアによるテスト時間の短縮により、開発コストが減少(同社の調べでは、開発エンジニアがテストを実施する場合の6~7割程度で対応可能)
・再現性・共有性の高いテストの方法(各社独自のメソッド)が確立することで網羅的で高効率なテストが実現可能に
・第三者のテスト専門会社によるテスト・検証の有効性が注目される
・上流工程からの参画により、ソフトウェア自体の品質が向上
・ユーザー企業など上流工程からの依頼も増加
2. 新中期経営計画の概要
既述のような事業環境の中で、同社は今後10年を見据えた「新中期経営計画」を発表した。
(1) 新中期経営計画のビジョンとコンセプト
ビジョンとしては、ソフトウェアテスト業界の全体的な品質を向上させ、ソフトウェアテスト市場の社会的価値を高めることで、さらなる市場拡大を目指す。最終的には同社自身が「バリューアッププラットフォーマー」を目指す。
コンセプトとしては、「バルテス品質」を業界へ波及させるビジネスモデルを構築する。さらに、「人に依存しないビジネスモデル」を強化し拡大させる。
(2) 定量的目標
同社では、当面(3年後、2027年3月期)の定量的目標として、
連結売上高157.3億円(2024年3月期実績103.6億円)
営業利益16.8億円(同8.4億円)
人に依存しないビジネスモデルの売上高構成比3%超(同微小)
営業利益率10.6%(同8.1%)
総資産80.9億円(同53.9億円)
自己資本50.7億円(同28.2億円)
有利子負債13.0億円(同9.9億円)
ROE 23.6%(同19.8%)
を掲げている。
(3) コンセプトに基づく5つの基本戦略
上記のコンセプトに基づいて、今後は以下の5つの基本戦略を推進していく。
基本戦略1:ソフトウェアテスト戦略
基本戦略2:ツール戦略
基本戦略3:バルカレ(教育)戦略(注:バルカレ=バルテス・カレッジの略)
基本戦略4:セキュリティ戦略
基本戦略5:開発事業戦略
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
中长期的增长战略
1.业务环境
围绕着巴尔泰斯控股公司<4442>未来几年的业务环境(市场扩大等),我们可以从以下几个方面说它是顺风而行的。
(1)靶材行业的增长性
未来,该公司的市场瞄准当然是各种软件和IT行业,但世界软件测试市场的年平均增长率(CAGR(Compound Annual Growth Rate))被预计为9.2%,该行业本身有可能实现高速增长。
(2)测试流程的外包加速(软件开发公司)
由于以下现状,软件测试很可能会被外包给专业测试公司而不是开发公司。
(软件开发公司的烦恼)
・开发工程师高成本的工作时间约占其工作需求的40%用于测试和验证。
・测试流程缺乏激励因素,导致效率低下。
・开发人员自己进行测试和验证,因缺乏客观性而导致不太可靠。
(测试流程未被外包的原因)
大型SIer承包项目,然后将其分包给子承包商。其中的开发工程师负责测试流程。
(测试流程的外包化加速)
・通过缩短开发人员进行测试的时间,可以减少开发成本(根据该公司的调查,能够通过开发工程师进行测试的情况大约为总情况的6-7成)。
・通过建立高度可重现和可共享的测试方法(各公司独自的方法)可实现全面高效的测试。
・引起关注的是第三方测试公司进行的测试和验证的有效性。
・通过参与上游流程可以提高软件本身的质量。
・从上游流程中的用户企业等获得委托。
2. 新期中经营计划概述
在以上所述的业务环境中,该公司发布了面向未来10年的“新中期经营计划”。
(1)新中期经营计划的愿景和概念
愿景是通过提高整个软件测试行业的质量,提高软件测试市场的社会价值,从而进一步扩大市场。 最后,该公司自己将成为“升值平台”。
作为概念,“巴尔特斯质量”是一种构建向业界传播的商业模式,而且要强化和扩大“不依赖人的商业模式”。
(2)定量目标
对于短期内的(三年内,即2027财年)定量目标,该公司制定如下目标:
合并销售额为157.3亿日元(2024财年实绩为103.6亿日元)
营业利润为16.8亿日元(上期为8.4亿日元)
不靠人力的商业模式销售占比超过3%(微不足道)
营业利润率为10.6%(上期为8.1%)
总资产为80.9亿日元(上期53.9亿日元)
股东权益为50.7亿日元(上期28.2亿日元)
有息负债为13.0亿日元(上期9.9亿日元)
roe为23.6%(上期19.8%)
目标如上。
(3)基于概念的5个基本战略
根据上述概念,今后将推进以下5个基本战略:
基本策略1:软件测试策略
基本策略2:工具策略
基本策略3:巴尔特斯学院(教育)策略(注:巴尔特斯学院即“Bartes College”之缩写)
基本策略4:安全策略
基本策略5:开发业务策略
(作者:日经FISCO客座分析师 寺岛昇)