■事業概要
CAICA DIGITAL<2315>は、金融業界向けを主としたシステム開発や暗号資産に関するシステム開発などを行う「ITサービス事業」のほか、Web3ビジネスの拡大などに取り組む「金融サービス事業」を展開している。高い信頼性や処理能力などが求められる金融業界向けのシステム開発や暗号資産交換所の運営などを通して蓄積してきた高度な技術やノウハウなどに強みがあり、同社グループ全技術者(約350名)がブロックチェーン技術者となる計画を実行しているところも特長的である。ブロックチェーン技術を活用したFinTech分野を戦略的注力分野に位置付けており、暗号資産関連ビジネスに加え、様々な分野で将来性が期待されているNFT分野、さらにはWeb3を活用した事業拡大を進めている。
なお、「金融サービス事業」については、2023年10月期まで金融商品取引法に基づく第一種金融商品取引業、暗号資産に関する金融商品の開発・販売、暗号資産交換所運営など幅広く手掛けてきたが、海外の大手暗号資産交換所の経営破綻を発端とする暗号資産市場の混乱などにより、2021年3月期に参入した暗号資産交換所「Zaif」の運営が業績の下振れ要因となる状況が続いたことから、「Zaif」を含む連結子会社3社の譲渡により、抜本的な事業再編に踏み切った。今後は、安定したキャッシュ・フローを生み出すシステム開発の「ITサービス事業」へ集中するとともに、次世代の分散型インターネットとして注目されているWeb3ビジネスの拡大に注力する方針である。
各事業の概要は以下のとおりである。
(1) ITサービス事業
創業来の主力事業であり、50年以上の実績を誇る(株)CAICAテクノロジーズにより、a) ITサービス事業、b) システムインテグレーション事業、c) DXソリューションサービス事業を展開している。
中核となるb)システムインテグレーション事業については、銀行・証券・保険といった金融機関向けシステム開発(コンサルティングや保守・運用を含む)をはじめ、流通・小売業、情報通信業など、多様な業種でシステム構築を手掛けている。特に、金融業界向けのシステム開発が65%程度を占め、同社グループの強みの源泉となっている。大手SIerからコアパートナーの認定を受け、大手SIerを通じた受注(二次請け)が中心であるものの、基幹システムを担っている金融機関向けは継続率が高く、事業基盤は安定している。また、大企業からの一次請け受注も増加しており、安定性はさらに増している。一方、a) ITサービス事業については、ブロックチェーンなどの最先端技術を活かした自社開発のITサービスを販売している。具体的には、外部からのセキュリティ攻撃などを含めた脆弱性診断から問題対策、保守運用までワンストップで提供する、企業向け「セキュリティ・コンサルティング・サービス」や、エンドユーザーのセキュリティリテラシーを向上させる「CAICA Security Training/標的型メール訓練サービス」のほか、Web3事業に参入する企業を支援する、セミオーダー型NFTマーケットプレイス開発サービス及び「Web3型のデータ保管サービス」の提供など、Web3ビジネスの拡大に向けた動きも活発化させている。c) DXソリューションサービス事業については、AIを活用したDXソリューションの開発を手掛けるベンダー※と提携し、DXソリューションの販売を行っており、b) システムインテグレーション事業の付加価値向上にも寄与している。
※2024年1月に独自の開発プラットフォーム「Pega Platform(TM)」を提供するPegasystems(米)とのパートナーシップを締結したほか、2024年4月にはAIを活用したDXソリューションの開発を手掛けるHCLSoftware(印)からパートナー認定された。
(2) 金融サービス事業
事業再編中の「金融サービス事業」については、a) 「Zaif INO」の運営事業、b) カスタマーディベロップメント事業、c) 暗号資産発行・運用事業を展開している。
a) 「Zaif INO」の運営事業については、クオリティの高いNFTを提供する審査制のNFTローンチパッド「Zaif INO」の運営を軸として、暗号資産決済やクレジットカード決済の導入、NFCカードを活用したNFTの販売など、商品サービスの拡大を続けている。b) カスタマーディベロップメント事業については、暗号資産や金融業界をはじめとした様々な業界に適応可能な顧客対応事業(コールセンター)を展開している。相談業務を通して、カスタマーとの友好な関係を構築する、高水準のカスタマーサポートチームを顧客企業に提供している。c) 暗号資産発行・運用事業については、自社発行暗号資産カイカコインの運用を行っている。ユーティリティの拡大によるカイカコインの価値向上を目指し、同社の保有する資産価値の向上を図るとともに収益の最大化を図っていく方針である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
■業務概要
CAICA DIGITAL<2315>是一家主要從事金融行業系統開發、數字貨幣等IT服務業務的公司,還致力於拓展Web3業務等“金融服務業務”。通過開發金融行業所需的高度可信度和處理能力的系統以及數字貨幣交易所的運營等業務,積累了高水平的技術和知識,其所有技術人員(約350人)都計劃成爲區塊鏈技術人員,這也是該公司的特點之一。該公司將區塊鏈技術應用於戰略性關鍵領域之一的FinTech領域,除了數字貨幣相關業務之外,還在不同領域積極拓展具有未來潛力的NFT領域以及Web3業務的發展。
此外,“金融服務業務”在2023年10月之前從事廣泛的事業,包括基於金融商品交易法的第一類金融商品交易、數字貨幣的開發與銷售、數字貨幣交易所的運營等,但由於海外大型數字貨幣交易所的破產引發的數字貨幣市場混亂等原因,2021年3月期間參加的數字貨幣交易所“Zaif”的運營成爲公司的業績下滑因素,因此公司進行了徹底的業務重組,通過出售連鎖子公司中的Zaif等三家公司,重新制定了業務戰略。未來,該公司將重點集中於穩定現金流的“IT服務業務”,同時注重擴大基於Web3業務的下一代分佈式互聯網,該公司將深入拓展Web3業務,包括數字貨幣、具有未來潛力的NFT領域以及Web3型業務。
各業務概述如下。
(1) IT服務業務
作爲核心業務的(株)CAICA Technologies已經擁有50多年的歷史,開展了a) IT服務業務、b) 系統集成業務和c) DX解決方案服務業務。
業務核心的b)系統集成業務包括銀行、證券、保險等金融機構系統的開發(包括諮詢和維護等),以及零售業、信息通信業等各種行業的系統開發。特別是,金融業界的系統開發佔據了65%左右的份額,是公司集團的強項。公司通過獲得大型SIer的核心合作伙伴認證,儘管主要是通過大型SIer(二級投標)向公司提交投標,但服務金融機構的核心繫統有很高的續延性,業務平台是穩定的。此外,由大型企業投標獲得的一級投標數量也在增加,穩定性進一步提高。另一方面,a) IT服務業務銷售自主開發的基於最先進技術的IT服務,例如區塊鏈等。更具體地說,它爲企業提供“安全諮詢服務”,包含從外部安全攻擊中的漏洞掃描到問題解決、維護運營等的一站式服務;此外還推出了提高最終用戶安全素養的“CAICA 安全訓練/定向電子郵件訓練服務”,以及支援Web3企業參與的半定製NFT市場開發服務以及“Web3型數據存儲服務”等,計劃拓展Web3業務。c)DX解決方案服務業務方面,公司與致力於應用AI的DX解決方案開發的內部供應商※合作,開展DX解決方案的銷售,爲b)系統集成業務的附加值做出了貢獻。
※於2024年1月與提供獨立開發平台“Pega Platform(TM)”的Pegasystems(美國)達成合作協議,此外,於2024年4月獲得了應用AI的DX解決方案開發的HCLSoftware(印度)的合作伙伴認定。
(2) 金融服務業務
正在進行業務重組的“金融服務業務”,展開了a) “Zaif INO”的運營業務、b) 客戶開發業務和c) 數字貨幣發行和運營業務。
a) 關於「Zaif INO」經營事業,其以運營評審制度的NFTLaunchpad「Zaif INO」爲核心提供高質量的NFT,不斷擴大商品服務範圍,引入加密貨幣結算和信用卡結算,以及利用NFC卡銷售NFT等。b) 關於客戶開發經營事業,其提供適用於加密貨幣、金融行業和其他各種行業的客戶支持服務(呼叫中心)。通過諮詢服務,爲客戶企業提供友好關係,高水平的客戶支持團隊。 c) 關於加密貨幣發放和運營經營事業,其進行自家發行加密貨幣KaiKaCoin的運營。其目標是通過擴大效用來提高KaiKaCoin的價值,並提高其持有的資產價值,同時實現最大化的收益。
(撰寫:FiSCO客座分析師柴田鬱夫)