■中期経営計画の方向性
1. 今後の方向性
CAICA DIGITAL<2315>は、「Zaif」を含む連結子会社3社の譲渡による「金融サービス事業」の抜本的な再編に伴い、2023年10月に新たに3ヶ年の中期経営計画を公表した。ただし、「デジタル金融の世界を切り拓く」※というスローガンは引き続き掲げ、方向性に大きな変更はない。すなわち、安定したキャッシュ・フローを生み出すシステム開発の「ITサービス事業」に集中するとともに、資本業務提携を締結したクシムなどとの協業により、ブロックチェーン技術を活用したWeb3ビジネスの拡大を図る方針である。
※「デジタル金融の世界を切り拓く」をスローガンとして、「あらゆる事がデジタル化される未来。中央集権型から分散型(DeFi)へ、業界構造そのものが大きく変革していく金融。CAICAはその変革者になります。」を目指す姿に掲げている。
2. 環境認識
同社の主力である「ITサービス事業」においては、金融及び非金融分野ともにDX投資が企業の重要な成長戦略の柱となっており、今後も好調な受注環境が継続する見方が大勢である。もっとも、同社ならではの成長性(市場を上回るアウトパフォームの可能性)を判断するには、中長期的な成長ドライバーとして期待されるWeb3ビジネスの展望が重要なポイントと言える。
(1) Web3の特長と同社の強み
Web3のプラットフォームやサービスは、従来のような中央集権型ではなく、分散型で構成される。これによりサービスやビジネスにおける主導権は、これまでのようにサービス提供事業者に集中するのではなく、サービスの向上と拡大に貢献したコミュニティなど多くの参加者に分散されるようになる。また、サービス利用者のデータは利用者自身が管理できるようになる。このような特長を持つWeb3への流れは、大量の利用者データを収集することで成長してきたテック系企業のビジネスモデルにも大きな影響を及ぼすと言われる一方、新しいサービスや事業を創出するスタートアップ企業の台頭も目立つようになってきた。特に、インターネット上に新しい世界観や経済圏を創り出すことで、ビジネス環境を一変させるポテンシャルを秘めていると見られている。
一方、同社の強みは、FinTech事業に注力し、ブロックチェーンに関する様々な実績を有していることである。Web3の基盤技術であるブロックチェーンには2016年から集中的に取り組み、様々なプロジェクトを推進し、多くの知見とノウハウを蓄積してきた。また、Web3の重要な決済技術である暗号資産についても、暗号資産交換所「Zaif」を譲渡する結果となったものの、カイカコインの運用実績(約7年間)などを含めて知見やノウハウは獲得できており、この2つの重要な技術(ブロックチェーン及び暗号資産)を有する同社にはアドバンテージがあると言える。
(2) 市場規模(見通し)
Web3と定義される国内市場規模は、2027年までに2021年の20倍の約2.4兆円、グローバル市場でも約13倍の66.9兆円に拡大することが想定されている※1。また、外部の意識調査においても、多くの事業会社がWeb3に高い関心を寄せており、「1年以内にWeb3を活用した事業開発を行いたい」との回答が高い比率を示すデータもある※2。特にゲームや金融、セキュリティ、組織運営、アプリ開発、アート、決済、資金調達など幅広い分野で事業開発が期待される一方、知識不足や予算、人材面などが大きなハードルとなっている実態も窺える。同社では、「Zaif」の運用やNFTローンチパッド「Zaif INO」の運用経験を生かし、Web3コンサルティングサービスを展開して市場の拡大をリードしていく方針である。
※1 同社成長戦略資料よりフィスコ抜粋
※2 同社成長戦略資料よりフィスコ抜粋
3. 数値目標とその前提
中期経営計画最終年度の2026年10月期は売上高7,813百万円(3年間の平均成長率は年率13.0%)、営業利益467百万円(営業利益率6.0%)を目指す。これまで業績面で大幅なマイナス要因となっていた「金融サービス事業」の再編効果と、安定したキャッシュ・フローを生み出す「ITサービス事業」への集中により、初年度(2024年10月期)に黒字転換を実現するとともに、好調な受注環境が継続している「ITサービス事業」の伸びが成長をけん引する想定である。特に、DXコンサルティングやWeb3コンサルティング事業から上流工程の高単価SI案件を獲得することで利益率の向上を図る考えだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
■中期經營計劃的方向
1。未來方向
CAICA DIGITAL <2315>在2023/10年度宣佈了新的三年中期經營計劃,原因是 “金融服務業務” 因轉讓包括 “Zaif” 在內的3家合併子公司而進行的大規模重組。但是,“開創數字金融世界” *的口號仍在繼續,方向沒有重大變化。換句話說,這是一項政策,即專注於產生穩定現金流的系統開發的 “IT服務業務”,並通過與已建立資本和商業聯盟的Qsim等合作,利用區塊鏈技術擴展Web3業務。
* 以 “開放數字金融世界” 爲口號,“萬物數字化的未來。金融業本身正在經歷行業結構的重大轉變,從中心化到去中心化(DeFi)。CAICA將成爲那個創新者。”它以瞄準它的形式表現出來。
2。環境意識
在作爲公司主力的 “IT服務業務” 中,DX投資是公司在金融和非金融領域增長戰略的重要支柱,許多人認爲未來將繼續保持強勁的訂單接受環境。但是,爲了確定公司獨特的增長潛力(表現可能超過市場),Web3業務的前景可以說是重要的一點,Web3業務預計將成爲中長期增長的驅動力。
(1) Web3 的特點和公司的優勢
Web3 平台和服務不像以前那樣集中化,而是以去中心化方式構造的。因此,服務和商業領域的領導地位不像以前那樣集中在服務提供商身上,而是分佈在許多參與者中,例如爲改善和擴大服務作出貢獻的社區。此外,服務用戶數據可以由用戶自己管理。儘管據說具有此類功能的Web3的趨勢對通過收集大量用戶數據而發展壯大的科技公司的商業模式產生了重大影響,但創造新服務和業務的初創公司的崛起也變得引人注目。特別是,可以看出,它有可能通過在互聯網上創建新的世界觀和經濟區來徹底改變商業環境。
同時,該公司的優勢在於它專注於金融科技業務,並取得了與區塊鏈相關的各種成就。自2016年以來,我們一直在緊張地研究區塊鏈,這是Web3的基礎技術,推動了各種項目,積累了大量的知識和專有技術。此外,儘管結果是加密資產交易所 “Zaif” 的轉讓,這是Web3的重要結算技術,但已經獲得了知識和專有技術,包括Kaikacoin的運營業績(大約7年)等,可以說擁有這兩種重要技術(區塊鏈和加密資產)的公司具有優勢。
(2)市場規模(預測)
定義爲Web3的國內市場規模預計將擴大2021年的20倍,到2027年達到約2.4萬億日元,全球市場規模也將擴大約13倍,達到66.9萬億日元*1。此外,在外部意識調查中,許多商業公司對 Web3 非常感興趣,還有數據顯示,“我想在 1 年內使用 Web3 發展業務” 的受訪者比例很高 *2。特別是,儘管預計在遊戲、金融、安全、組織管理、應用程序開發、藝術、支付和籌款等廣泛領域開展業務發展,但也可以看出,缺乏知識、預算、人力資源等是主要障礙。該公司的政策是利用 “Zaif” 的運營經驗和NFT發射臺 “Zaif INO” 的運營經驗,通過開發Web3諮詢服務來引領市場擴張。
*1 摘自 FISCO 的增長戰略材料
*2 摘自 FISCO 的增長戰略材料
3.數字目標及其假設
我們的目標是截至2026/10財年(中期管理計劃的最後一年)的銷售額達到78.13億日元(平均年增長率爲13.0%),營業利潤爲4.67億日元(營業利潤率6.0%)。由於 “金融服務業務” 的重組效應(業績方面的重大負面因素)以及專注於產生穩定現金流的 “IT服務業務” 以及 “IT服務業務” 的增長,預計該業務的增長將在第一年(截至2024/10財年)實現盈餘轉換,其中強勁的訂單接受環境仍在繼續,將推動增長。特別是,其想法是通過從DX諮詢和Web3諮詢業務收購上游流程中的高單位成本SI項目來提高利潤率。
(由 FISCO 客座分析師柴田鬱夫撰寫)