■芙蓉総合リース<8424>の成長戦略
1. 中期経営計画の方向性
2023年3月期より中期経営計画(5ヶ年)をスタートし、3年目を迎えている。これまでの進捗状況や環境認識等を踏まえ、戦略の方向性及び数値目標に変更はない。「Fuyo Shared Value 2026」をビジョンとして、ひとの成長と対話を通じた「社会課題の解決」と「経済価値」の同時実現による持続的な成長を目指す方針であり、経営目標についても財務・非財務の両方の項目を掲げている。
(1) 成長ドライバー
これまでの戦略分野(及び新領域)を軸として、1) 社会的な地殻変動を捉えた戦略的成長を目指すRT分野、2) 市場トレンドを捉えた加速度的成長を目指すAT分野、3) 中核分野の安定的成長を目指すGP分野の3つの成長ドライバーに分類したうえで、マーケットの拡大・創出が見込まれるRT及びAT分野へ経営資源を集中投下するとともに、GP分野については差別化による収益性の向上を図る戦略である。なお、RT分野には「モビリティ」「サーキュラーエコノミー」、AT分野には「エネルギー環境」「BPO/ICT」「ヘルスケア」、GP分野には「不動産」「航空機」を位置付けている。
(2) 資源配分と収益ポートフォリオのイメージ
成長領域であるRT及びAT分野に約1兆円(5年間累計)を集中投下し、ROAの向上と営業資産残高の積み上げを同時実現する。中核分野であるGP分野については、収益性をより向上させることで全体のROA向上につなげる方針である。5年後の営業資産残高は3兆円レベル(2022年3月期比0.5兆円増)を見込んでいるが、そのうちRT及びAT分野は4,000億円から8,000億円へと資産の入れ替えを伴いながら、倍増する想定である。5年後の経常利益は750億円を計画しているが、その構成比を見るとRT分野が6%から9%へ、AT分野が13%から24%へと大きく高まり、GP分野は41%から40%とほぼ横ばいを維持する。一方で、従来の「一般リース・ファイナンス」は40%から27%へと大きく低下し、明らかに「脱ファイナンス・リース」「脱金融」が進む流れとなっている。
(3) 経営目標
3つの成長ドライバーによる事業戦略の成果指標として、財務目標と非財務目標の両方を掲げており、「企業価値」と「社会価値」の同時実現を目指す考えである。財務目標には、経常利益750億円、ROA2.5%、自己資本比率13~15%、ROE10%以上の4項目を掲げ、一定の財務規律と資本効率のバランスを取りながら、収益性のさらなる向上を図る。非財務目標は、1) 環境、2) 社会とひと、3) 人材投資の3つの視点から取り組むべき項目を設定し、脱炭素社会や循環型社会の実現などによる「社会課題の解決」を通じて、同社の持続的な企業価値の向上につなげる方針である。また、気候変動対策として、引き続き2030年を目標とするカーボンニュートラル及びRE100※の達成に向けた取り組みを進める。
※事業活動で消費する電力を100%再生可能エネルギーで調達することを目標に掲げる国際的な企業連合。
2. 各事業分野における基本戦略と目標
(1) モビリティ(RT分野)
カーボンニュートラルの実現に向けたEV・FCVに対するニーズが拡大する一方、ドライバー不足や長時間労働など、物流業界における社会課題が深刻化する環境を踏まえ、車両領域と物流領域を中心に、パートナー連携を軸としたワンストップ型サービスを国内外で展開する戦略である。車両領域では、EVワンストップサービス※1などの新たなビジネスモデルの構築や、フリートBPO※2を中心とするノンアセットビジネスの拡充を図る。物流領域では、ヤマトグループとの連携による協業案件の創出、海外グループ会社との連携によるグローバルなモビリティ事業の強化、ヤマトリースを中心とするトラックファイナンスの強化と周辺領域の拡大に取り組む。財務目標は、経常利益70億円(2022年3月期比37億円増)、ROA2.5%(同0.6ポイント増)を目指す。非財務目標は、EV/FCV保有比率30%(同30ポイント増)を掲げている。
※1 パートナー企業との連携により、EV導入検討コンサルから充電器導入コンサル・工事、ファイナンス・車両管理、エネルギーマネジメントまでをワンストップサービスとして提供。同社の強みである「エネルギー環境」との親和性も高い。
※2 テレマティクスサービスや車両稼働率の最適化コンサルなどを通じて、省人化をはじめとする業務効率化向上を支援するもの。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
■Fuyo General Lease <8424> 增长战略
1。中期管理计划的方向
中期管理计划(5年)始于截至2023/3的财政年度,现已进入第三年。根据迄今取得的进展、环境意识等,战略方向或数字目标没有变化。以 “Fuyo Shared Value 2026” 为愿景,是一项旨在通过人类成长和对话 “解决社会问题” 和通过同步实现 “经济价值” 实现可持续增长的政策,并且已为管理目标设定了财务和非财务项目。
(1) 增长驱动力
该战略以迄今为止的战略领域(和新领域)为基础,旨在通过差异化提高盈利能力,将其分为三个增长动力:1)旨在捕捉社会地壳变化的战略增长的RT领域;2)捕捉市场趋势的加速增长的AT领域;3)GP领域旨在实现核心领域的稳定增长,然后将管理资源集中到市场扩张和创造的RT和AT领域是预料之中的,GP领域有望扩大和创造市场就在那里。此外,“交通” 和 “循环经济” 定位在 RT 领域,“能源环境”、“业务流程外包/ICT” 和 “医疗保健” 定位在 AT 领域,“房地产” 和 “飞机” 定位在 GP 领域。
(2)资源配置和利润组合的形象
大约1万亿日元(5年累计总额)将集中到作为增长领域的RT和AT领域,以同时提高投资回报率和积累运营资产余额。至于作为核心领域的GP领域,政策是进一步提高盈利能力,从而提高整体投资回报率。5年后的运营资产余额预计将达到3万亿日元(与截至2022/3财年相比增加0.5万亿日元),预计RT和AT领域将翻一番,从4000亿日元增至8000亿日元,同时进行资产置换。计划在5年内实现750亿日元的普通利润,但从构成比例来看,RT领域将从6%大幅上升至9%,AT领域将从13%增长到24%,GP领域将从41%大幅增长到40%。同时,传统的 “一般租赁融资” 已从40%急剧下降到27%,显然 “去融资租赁” 和 “去融资” 正在取得进展。
(3) 管理目标
财务目标和非财务目标都被设定为基于三个增长驱动因素的业务战略的绩效指标,其想法是同时实现 “企业价值” 和 “社会价值”。四个财务目标包括750亿日元的普通收入,2.5%的ROA,13-15%的资本充足率以及10%或以上的ROE,我们的目标是进一步提高盈利能力,同时平衡一定水平的财务纪律和资本效率。非财务目标是一项政策,旨在从1)环境,2)社会和人,以及3)人力资源投资三个角度制定要解决的项目,通过实现脱碳社会和循环型社会,通过 “解决社会问题” 来实现公司的企业价值的可持续增长。此外,作为应对气候变化的对策,我们将继续推进旨在实现碳中和和RE100*的努力,这两个目标是2030年的目标。
*一个国际商业联盟,其目标是使用可再生能源获得商业活动中100%的电力消耗。
2。每个业务领域的基本策略和目标
(1) 机动性(室温场)
在实现碳中和的对电动汽车和燃料电池车的需求不断扩大的同时,在物流行业社会问题变得严重的环境下,开发以合作伙伴合作为中心、以车辆领域和物流领域为中心的一站式服务是一项战略,其基础是司机短缺和工作时间长。在汽车领域,我们计划建立新的商业模式,例如电动汽车一站式服务*1,并扩大以车队业务流程图*2为中心的非资产业务。在物流领域,我们正在努力通过与雅玛多集团的合作创建合作项目,通过与海外集团公司的合作加强全球出行业务,加强以雅玛多租赁为中心的卡车融资,并扩大周边地区。财务目标是实现70亿日元的普通利润(比截至2022年3月31日的财年增加37亿日元)和2.5%的投资回报率(比同期增长0.6个百分点)。非财务目标是电动汽车/燃料电池车的所有权比率为30%(比同期上升30个百分点)。
*1 通过与合作公司的合作,我们提供从电动汽车引进审查咨询到充电器安装咨询/施工、财务/车辆管理和能源管理的一站式服务。它还与 “能源环境” 有很高的亲和力,这是公司的强项。
*2 它通过远程信息处理服务、车辆利用率优化咨询等支持提高工作效率,从节省劳动力开始。
(由 FISCO 客座分析师柴田郁夫撰写)