■メディネット<2370>の事業活動の進捗及び成長戦略
1. 細胞加工業の進捗と今後の取り組み
細胞加工業は、2019年9月期に初めて黒字化を達成したが、コロナ禍により免疫細胞治療患者(特にインバウンド患者)の受診控えが続いた。2023年9月期は、新型コロナウイルス感染症の5類移行と経済活動の活発化に伴い免疫細胞治療患者が徐々に戻り、免疫細胞加工受託件数も回復傾向にある。
特定細胞加工物製造業は、コロナ禍により受託件数が急減し、コロナ禍前の2019年9月期の売上高1,059百万円に比べて一時は約40%まで落ち込んだ。2020年9月期第3四半期に受託件数はいったん下げ止まり、以降は徐々に回復傾向にあったものの、2022年1月以降のコロナ禍の第6波、2022年6月下旬から始まった第7波の影響により、受託件数は一転減少傾向となった。そして、新型コロナウイルス感染症の5類感染症への移行に伴い、政府はコロナ禍による行動制限や水際対策を大幅に緩和した。これにより免疫細胞治療の国内の患者数は回復傾向にあるが、医療インバウンド患者の回復力が弱い。同社では免疫細胞治療患者数の回復を目指すが医療インバウンド患者数の回復は不確実な面もあるため、新たな細胞加工の品目や受託メニューの拡大を進めてきた。2024年3月期(単体ベース)は、第1四半期が免疫細胞の受託件数回復と新規製造受託に伴う技術移転一時金などにより売上高が増加した。第2四半期は免疫細胞のインバウンド患者数が伸びず、前年同期並みに留まった。
CDMO事業では、かねてより進めていたヤンセンファーマとの治験製品「カービクティ(R)点滴静注」製造における技術移転が完了した。2021年5月には治験製品製造受託に関する契約を締結し、同年6月よりヤンセンファーマが実施する国際共同治験(第III相臨床試験:CARTITUDE-4)において、日本国内で試験に用いる治験製品製造工程の一部の製造受託を開始した。ヤンセンファーマが2022年9月に薬事(製造・販売)承認を取得したことで、同社では再生医療等製品全般のさらなる製造受託を目指している。2024年3月期第2四半期は、ヤンセンファーマからの治験製品受託製造は順調に推移し、安定した売上高を確保できた。
細胞加工業の事業構造は特定細胞加工物製造業(特に医療インバウンド患者に依存)の1本足打法であったため、コロナ禍で大打撃を受けた。今後は環境変化に強い事業構造への転換・拡大が不可欠と考え、成長が期待できるCDMO事業を強化する。免疫細胞加工受託件数も回復しており、2024年9月期はコロナ禍前の水準近くまで収益の回復を目指す。そして、特定細胞加工物製造業とCDMO事業の両利き経営を早期に確立し、細胞加工業の2025年9月期黒字化を目指す。
CDMO事業の強化に向け、既に細胞培養加工の環境・体制整備として専門人材の採用(細胞加工技術者など40名程度)、資金調達(第18回新株発行、調達総額1,690百万円のうち437百万円を使途)を実施した。事業目標については「事業基盤の強化による売上拡大」を目指す。一時的な黒字化に留めず、医療インバウンド患者依存の事業構造を改め、同社のコア事業として持続的安定成長型の事業構造を確立することに主眼を置いている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)
關於Medinet <2370>的經營活動進展和成長戰略
細胞加工業的進展和未來措施。
細胞加工業在2019財年實現了首次盈利,但由於新冠疫情,免疫細胞治療患者(特別是境外患者)的就診人數持續下降。隨着新冠疫情的5級轉變和經濟活動的活躍,到2023年財年,逐漸回歸免疫細胞治療患者,病例數量也呈現恢復趨勢。
特定細胞加工物製造業在新冠疫情期間受訂單銳減的影響,收入暴跌至2019年9月期營業收入的40%左右。雖然訂單數量在2020年9月期第三季度已有止跌回升的跡象,但受2022年1月以後新冠疫情第六波和2022年6月下旬開始的第七波疫情影響,訂單數量再度逆轉下降。隨着新冠病毒感染症的分類爲5類感染症,政府大幅放寬了防疫管制和水際対策。免疫細胞治療的國內病例數具有恢復趨勢,但醫療境外患者的病例回覆力度較弱。該公司目前希望加快恢復免疫細胞治療患者的數量,但醫療境外患者數量回復具有不確定性,因此提出打算擴大細胞加工品目和受託業務。2024年3月期(單體基礎)第一季度由於免疫細胞受託訂單的恢復和新受託製造以及技術轉移單項支付等因素,該公司的營業收入有所增加。而第二季度免疫細胞境外患者數量未能增加,收入與去年同期基本持平。
在CDMO業務方面,之前進行的治療產品「卡維克提(R)點滴靜脈注射」製造技術轉移已經完成。公司已在2021年5月簽訂了治療產品製造訂單,並於同年6月開始在日本國內爲雅培製藥實施的國際共同治療(III期臨床試驗:CARTITUDE-4)中開始使用之前生產下的治療產品進行製造委託。由於雅培製藥於2022年9月獲得了藥物事業(製造和銷售)批准,因此該公司希望進一步接受再生醫學等產品的製造委託。2024年3月期第二季度,雅培製藥的治療產品製造受託有序進行,收入穩定。
細胞加工業的業務結構僅僅侷限於特定細胞加工品製造業(尤其是醫療境外患者)的單臂作戰,因此在新冠疫情期間受到了沉重打擊。未來,必須轉變和擴大到能夠應對環境變化的業務結構。公司決定加強成長前景良好的CDMO業務,並恢復免疫細胞加工受託訂單,以期在2024年9月期恢復到新冠疫情之前的受益水平。爲了儘早建立特定細胞加工品製造業和CDMO業務的經營“左右互博”,公司正朝着實現細胞加工業2025年9月期實現盈利的設定目標前進。
爲了加強CDMO業務,公司已經進行了細胞培養加工的環境和體制整備,包括招聘專業技術人員(例如細胞加工技術者約40人),融資(第18輪新股發行,總募資金額爲16.9億日元,其中使用了4.37億日元)。公司的業務目標是“通過加強業務基礎結構來擴大營收”。公司的主要關注點是不要停留在一時的盈利,而是轉變依賴醫療境外患者的業務結構,確立可持續的穩定增長型業務結構。
(作者:富士客座分析師清水啟司)