■業績動向
3. 2024年12月期の業績見通し
ローランド<7944>の2024年12月期の連結業績は、売上高で前期比2.5%減の99,900百万円、営業利益で同4.0%減の11,400百万円、経常利益で同1.3%増の11,300百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同4.3%増の8,500百万円とする期初予想を据え置いた。セルイン及びセルスルーは、新製品投入効果とディーラー在庫の調整進捗に伴い徐々に回復しており、中期経営計画の施策を着実に実行することで売上高を確保する。売上総利益は2022年に子会社化したDrum Workshop, Inc.のPMI進展により継続的に改善しており、販売戦略の正常化も、計画比スローではあるものの進捗している。販管費は、需要動向や粗利改善状況を見極め慎重にコントロールしていく。足元では、2024年7月蓑輪氏が代表取締役社長に就任した。前 代表取締役社長のゴードン・レイゾン氏は同社が真のグローバルカンパニーとなることを掲げ、本社とそれぞれの海外拠点をOne Rolandとして有機的に機能させ、より結束力のあるチームに磨き上げた。蓑輪氏の下、これまで以上のスピード感を持って各種施策を推し進め、MBO後の第2創業フェーズ、再上場後の真のグローバル化フェーズを経て、次のステージへ移行していくことが期待される。
4. アナリスト所見
前期はコロナ禍を要因とした供給制約が緩和されたことによる供給過多により、ディーラーの在庫が過剰になるなど、サプライチェーンの正常化に向けた調整局面が継続した。一方で、2024年12月期第1四半期は、前期第4四半期の、同社バランスシートの健全化を目的とした積極的なセルインの反動減が見られたものの、おおむね想定内であることに加え、円安効果もあり、業績は順調に推移した。足元のトレンドに大きな変化は見られず、新製品開発も順調に進捗していることから、通期予想達成の蓋然性は高いと弊社では見ている。
コロナ禍を要因とした需給バランスの調整の際にも、同社は電子楽器専業メーカーである強みを生かし機動的に増減産に対応した。同社が手掛ける電子楽器は、アコースティック楽器と比較し需要の増減に対応しやすく、稼働損益が発生しづらいという特徴が功を奏した。なお、コロナ禍以降は原材料等の高騰に加えて、生産拠点であるマレーシアからの物流費の高騰が顕著であった。これに対して同社は、2021年から2022年にかけて全世界で価格改定を4度実施しており、適切な価格転嫁がなされていると弊社では評価する。
新製品については全体への影響は大きくないものの、不確実な環境下でも確実に業績に貢献している。新製品としての期間は、同社は発売から1年間と定義しているが、中期経営計画では全体の売上に占める新製品の割合を、2022年12月期の約18%から2025年12月期に25%まで高めることを掲げている。2024年12月期第1四半期の新製品開発は順調に進捗していることから、2024年12月期の新製品の売上構成比の向上が予想される。同社の製品開発は、開発担当者が消費者の嗜好をインタビューすることで真のニーズを理解する手法を採用している。同社の技術力と製品開発力は大きな強みであると弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)
■業績動向
3. 2024年12月期業績預測
羅蘭德(株)2024年12月期連續業績預計爲:銷售額爲99,900百萬日元,比上年同期下降2.5%;營業利潤爲11,400百萬日元,比上年同期下降4.0%;經常利潤爲11,300百萬日元,比上年同期增長1.3%;歸屬於母公司股東的淨利潤爲8,500百萬日元,比上年同期增長4.3%,初期預計保持不變。隨着新產品推出效果和經銷商庫存調整的進展,電芯以及電池組卷的情況正在逐漸恢復,在着力貫徹中期經營戰略的同時,確保銷售額。由於子公司Drum Workshop, Inc.的PMI進展,銷售毛利率正在繼續改善。銷售策略也在朝着正常化方向推進,儘管進展緩慢,但預計計劃將實現。銷售和管理費用將謹慎控制,以了解需求和毛利改善狀況。最近,蓑輪氏接任了羅蘭德(株)的代表取締役社長。前公司代表取締役社長高登·萊宗先生提出了成爲真正的全球公司,將公司總部和各境外分支機構有機地發揮作用並將其結合在一起,使之成爲一個更具凝聚力的團隊。在蓑輪氏的領導下,各種措施將以比以往更高的速度推進,並進入MBO後第二個創業階段,真正進入再次上市的全球化階段,預計將轉入下一個階段。
4. 分析師看法
在前期,由於COVID-19疫情引起的供應過剩問題以及調整期間的連續性,交易商庫存過剩等原因,導致供應鏈的正常化調整仍在進行中。另一方面,2024年12月期第1季度,雖存在積極的電芯進入的反彈減少行動,以實現公司資產負債表健全,但考慮到整體情況以及匯率因素,業績仍在順利推進。目前的趨勢未有大的變化,由於新產品的開發也在順利進行中,我們認爲全年預測將實現。
即使在需求與供應平衡調整時期,該公司也利用其作爲電子樂器專業製造商的優勢,靈活應對產能的增減。與聲樂器相比,該公司的電子樂器能夠更容易地適應需求的增加和減少,特別是當收支平衡出現時,它的運營效益基本不會受到太大影響。此外,自COVID-19疫情以來,該公司不僅面臨着原材料等成本的上漲,還面臨着來自生產基地馬來西亞的物流成本上漲。對此,該公司從2021年至2022年四次在全球進行了價格調整,價格轉嫁適當,我們評估良好。
儘管對整體影響不大,但新產品在不確定的環境下確實爲業績做出了貢獻。該公司將新產品定義爲發售後一年,中期經營計劃將將2022年12月期的全企業銷售中新產品佔比提高到25%。鑑於2024年12月期第1季度的新產品開發順利進行,預計2024年12月期新產品的銷售結構比將提高。該公司的產品開發採用的是採訪消費者嗜好的方法,以了解真正的需求。我們認爲,該公司的技術和產品開發實力是其巨大優勢。
(撰寫者:富士客座分析師茂木稜司)