■グリムス<3150>の業績動向
1. 2024年3月期の業績概要
2024年3月期における経済環境は、雇用・所得環境や企業収益の改善、設備投資の持ち直しなど、景気は緩やかな回復が見られたものの、円安の進行を背景とした物価上昇、個人消費の持ち直しに足踏みが見られるなど、先行き不透明な状況が続いた。同社グループでは、電力コストの高騰、GX(グリーントランスフォーメーション)の実現に向けた再生可能エネルギーの導入拡大を背景に、事業用太陽光発電システムを成長の主軸として販売を拡大するとともに、電力の小売については、大手電力会社の規制料金改定に伴い低圧電力の新プラン(バリュープラン・シンプルプラン)を導入したほか、低圧電力における独自燃調の運用や、高圧電力における市場価格連動型契約の促進による電力調達価格変動リスクの低減といった取り組みを進めた。また、安定的な需要があるコスト削減・省エネルギー・再生可能エネルギー関連の商品・サービスについては、事業者向け・一般消費者向けのいずれも受注は好調に推移した。
以上の取り組みから、2024年3月期の連結業績は、売上高29,908百万円(前期比4.7%減)、売上総利益9,257百万円(同23.3%増)、営業利益5,217百万円(同44.9%増)、経常利益5,268百万円(同42.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益3,540百万円(同43.6%増)と大幅な増益決算であった。期初計画に対しては、売上高は7.0%下回ったものの、営業利益は20.8%上回って過去最高を更新した好決算で、営業利益率は前期の11.5%から17.4%に大きく上昇した。売上高が減少したのは、小売電気事業の売上が市場価格(販売単価)の低下により減少した影響である。利益面では、3事業とも増益であったが、特にエネルギーコストソリューション事業は電力の自家消費を提案する事業用太陽光発電システムの販売が拡大したこと、また小売電気事業もリスクヘッジの徹底等により計画を大きく上回る増益となったことが好業績に寄与した。小売電気事業では、当初は電力調達価格において保守的に計画を立てていたが、電力市場価格の実勢が計画より大きく低下したことから、売上総利益・営業利益が大幅な増益となった。第4四半期には小売電気事業の好調さが明確になったため、エネルギーコストソリューション事業とスマートハウスプロジェクト事業のバックオーダー※を翌期に繰り越している。このような好決算は、同社グループが経済環境の変化に対応して機動的に注力する事業を変えることで、安定的に高い利益を確保できることを示している。
※収益認識未済で、まだ売上計上していない受注残。
2. セグメント別の動向
エネルギーコストソリューション事業では、電力の自家消費を提案する事業用太陽光発電システムを主力商材とし、事業者のコスト削減のための電力基本料金削減コンサルティングやIoT機器、省エネルギー化のための業務用エアコン・トランスなどの各種省エネ設備の販売を推進し、顧客に電力の運用改善・設備改善などの提案をしてきた。その結果、同事業の売上高は7,734百万円(前期比39.9%増)、セグメント利益は3,030百万円(同45.7%増)となった。ただ、期初計画比では、売上高は7.5%下回り、セグメント利益も7.2%下回った。これは、第4四半期には小売電気事業の好業績が明確になったことから、エネルギーコストソリューション事業のバックオーダーを翌期に繰り越したことによる。セグメント利益は3事業の中で最大であり、事業用太陽光発電システムの販売が拡大したことで生産性が向上したため、セグメント利益率は前期の37.6%から39.2%に上昇して3事業の中で最も利益率が高くなり、同社グループの業績を支える存在となっている。
スマートハウスプロジェクト事業では、脱炭素による再生可能エネルギーへの関心の高まりや、太陽光発電の10年間の固定価格買取制度の適用が終わる卒FIT案件の増加といった市場環境、住宅のエネルギーレジリエンス強化へのニーズにより蓄電池への需要があることから、蓄電池の販売を推進した。その結果、同事業の売上高は4,440百万円(前期比10.6%増)、セグメント利益は587百万円(同18.3%増)となった。ただ、期初計画比では、売上高は5.4%下回り、セグメント利益も17.3%下回った。これは、第4四半期には小売電気事業の好業績が明確になってきたことから、スマートハウスプロジェクト事業のバックオーダーを翌期に繰り越したことによるものだ。セグメント利益は3事業の中で最も小さいが、催事販売の費用を抑えた効果もあって、セグメント利益率は前期の12.4%から13.3%に上昇している。
小売電気事業では、燃料(LNG)価格や電力需要の落ち着きによる電力市場価格の低下等に伴って、販売単価が低下したことで売上高は減少した。一方、リスクヘッジ施策の効果に加え電力市場価格の低位安定によって、調達価格が低く抑えられたことから利益が大幅に増加した。その結果、同事業の売上高は17,733百万円(前期比18.8%減)、セグメント利益は2,267百万円(同25.9%増)となった。期初計画比では、売上高は7.1%下回り、セグメント利益は137.9%増と大幅に上回った。売上高は3事業の中で最も大きく、セグメント利益もエネルギーコストソリューション事業に次ぐ大きさである。セグメント利益率は前期の8.2%から12.8%に改善した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
■Grims' (3150) 的业绩趋势
1。截至2024年3月31日的财政年度财务摘要
至于截至2024/3财年的经济环境,尽管经济呈逐步复苏,例如就业/收入环境改善、企业利润和资本投资回升等,但由于在日元贬值和私人消费停滞的背景下价格上涨,前景仍然不确定。在电力成本飙升和扩大引入可再生能源以实现GX(绿色转型)的背景下,该集团扩大了销售额,将商用光伏发电系统作为增长的主轴,并根据主要电力公司的监管费用修订推出了新的电力零售计划(价值计划/简单计划),以及低压电力专有燃料调节的运营,以及高压电力举措的市场价格挂钩型的运营如同减少一样通过促进合同, 提高了电力采购价格波动的风险。此外,无论是企业还是普通消费者,与降低成本、节能和可再生能源相关的产品和服务的订单都表现强劲,需求稳定。
基于这些努力,截至2024/3财年的合并财务业绩为净销售额为299.08亿日元(比上一财年下降4.7%),毛利为92.57亿日元(较同期增长23.3%),营业收入为52.17亿日元(较同期增长44.9%),普通利润为52.68亿日元(较同期增长42.9%),净收入归属于母公司股东的35.4亿日元(比同期增长43.6%)。与最初的计划相比,尽管销售额下降了7.0%,但营业利润超过20.8%并创下历史新高,营业利润率从上一财年的11.5%大幅上升至17.4%。销售额下降是由于市场价格(单位销售价格)下跌导致零售电力业务的销售下降。在利润方面,所有三项业务的利润均有所增长,但特别是在能源成本解决方案业务中扩大了提议自用电力的商用光伏发电系统的销售,以及零售电力业务的利润增长由于彻底的风险对冲等,也大大超过了计划,这为良好的业绩做出了贡献。在零售电力业务中,最初的计划是在电力采购价格方面保守地制定的,但由于实际电力市场价格比计划大幅下降,毛利润和营业利润急剧增加。自第四季度零售电力业务的强劲表现明显以来,能源成本解决方案业务和智能家居项目业务的缺货*已延续到下一财年。如此良好的财务业绩表明,通过改变集团灵活专注的业务来应对经济环境的变化,可以确保稳定的高利润。
*未收到的收入确认尚未完成且销售额尚未记录的订单。
2。各细分市场趋势
在能源成本解决方案业务中,建议自用电量的商用光伏发电系统是主要产品,并已向客户提议销售各种节能设备,例如降低运营商成本的基本电费降幅咨询、物联网设备以及用于节能的商用空调和变压器。结果,同一业务的销售额为77.34亿日元(比上一财年增长39.9%),分部利润为30.3亿日元(比同期增长45.7%)。但是,与最初的计划相比,销售额下降了7.5%,分部利润下降了7.2%。这是由于零售电力业务的良好表现在第四季度变得显而易见,因此能源成本解决方案业务的延期订单延续到下一财年。分部利润是三大业务中最大的,由于随着商用光伏发电系统销售的扩大,生产率有所提高,该分部的利润率从上一财年的37.6%上升至39.2%,成为这三项业务中最高的利润率,也支撑了集团的业绩。
在智能家居项目业务中,之所以促进蓄电池的销售,是因为脱碳导致人们对可再生能源的兴趣增加,对蓄电池的需求,例如FIT项目的增加,10年期固定价格购买制度的太阳能发电应用已结束,需要加强房屋的能源弹性。结果,同一业务的销售额为44.4亿日元(比上一财年增长10.6%),分部利润为5.87亿日元(比同期增长18.3%)。但是,与最初的计划相比,销售额下降了5.4%,分部利润下降了17.3%。这是由于零售电力业务的良好表现在第四季度变得显而易见,因此智能家居项目业务的缺货延续到下一财年。分部利润是三大业务中最小的,但分部利润率已从上一财年的12.4%上升到13.3%,部分原因是活动销售成本降低了。
在零售电力业务中,由于燃料(LNG)价格下跌导致销售单位价格下降,销售额下降,而电力需求平静导致电力市场价格下降。同时,由于电力市场价格的低稳定以及风险对冲措施的影响,采购价格保持在较低水平,利润急剧增加。结果,同一业务的销售额为177.33亿日元(比上一财年下降18.8%),分部利润为22.67亿日元(比同期增长25.9%)。与最初的计划相比,销售额下降了7.1%,分部利润增长了137.9%,大幅增长了137.9%。销售额是三大业务中最大的,分部利润仅次于能源成本解决方案业务。该分部的利润率从上一财年的8.2%提高到12.8%。
(由FISCO客座分析师国茂树撰写)