■事業概要
1. 事業セグメントの概要
日本プロセス<9651>は事業セグメント区分を制御システム、自動車システム、特定情報システム、組込システム、産業・ICTソリューションの5分野としている。各セグメントの概要は以下のとおりである。
(1) 制御システム
制御システムは、エネルギー関連分野の火力発電所監視・制御システム、電力系統制御システム、配電自動化システム、交通関連分野の新幹線運行管理システム、JR在来線運行管理システム、過密ダイヤに対応する東京圏輸送管理システム(Autonomous decentralized Transport Operation control System、以下:ATOS)などを展開している。海外では台湾新幹線にも参画している。
特に安心・安全が重視される難易度の高い社会インフラ分野であり、豊富な実績及び高い品質と信頼性を強みとして顧客との強固な信頼関係を構築している。主要顧客は日立製作所<6501>である。なおエネルギー関連分野は、地球環境問題を背景に火力発電所システム案件が減少傾向となる一方で、再生可能エネルギーシステム案件や送配電システム案件が増加傾向となっている。また大規模請負案件として電力グリッドシステムなどの開発を受注している。
(2) 自動車システム
自動車システムは、エンジン、トランスミッション、ステアリングなど自動車の基本性能「走る、曲がる、止まる」をコントロールするパワートレイン制御システム、ハイブリッド電気自動車(HEV)や電気自動車(EV)など環境対応車制御システム、カーナビゲーションなどの車載情報システム、外界認識センサーシステムなどを展開している。
さらに、事故のない安全・安心なモビリティー社会の実現に貢献すべく、培ってきた技術を結集して自動運転につながるシステム開発に取り組んでいる。特に次世代自動車システムのCASE※1分野や、次世代モビリティサービスの交通システムMaaS※2分野では、得意とする画像認識・識別技術、近距離無線通信技術、車載制御技術、組込技術などを融合してAD/ADAS※3関連やIVIシステム※4関連などに取り組み、事業の柱に成長させている。
※1 CASEは、Connected=つながる、Autonomous=自動運転、Shared&Services=シェア/サービス、Electric=電動化、それぞれの頭文字をとった造語。
※2 MaaSは、Mobility as a Serviceの略。ICTを活用して様々な移動手段や交通機関をシームレスにつなぎ合わせ、ある地点から別の地点への人の移動を1つのサービスとして捉える新たな「移動」の概念のこと。
※3 ADは、Autonomous Driving(自動運転)の略。ADASは、Advanced Driver-Assistance Systems(先進運転支援システム)の略。
※4 IVIシステムは、In-Vehicle Infotainment system(次世代車載情報通信システム)の略。Infotainmentはinformation(情報)+entertainment(娯楽)の造語。
主要顧客は日立Astemo(株)(2021年1月に旧日立オートモティブシステムズ(株)が本田技研工業<7267>(ホンダ)系の部品メーカーである旧(株)ケーヒン、旧(株)ショーワ、旧日信工業(株)と経営統合して発足)である。従来は日産自動車<7201>関連を主力としていたが、ホンダ関連の受注拡大も期待できる。
(3) 特定情報システム
特定情報システムは、航空宇宙関連、防災関連、危機管理関連、地理情報関連として、衛星画像地上システム、画像解析システム、地理情報システム、リモートセンシングシステムなどのほか、AD/ADAS関連の画像認識・識別システムも展開している。なお、従来は産業・ICTソリューションに分類していた航空宇宙関連を2024年3月期より特定情報システムに移管した。
強みである画像認識・識別技術をベースとして、画像解析に不可欠となるAI(Artificial Intelligence=人工知能)技術を組み合わせて、より高度な画像利用分野への展開を図ることで、危機管理や防災など社会の安全・安心に貢献する取り組みを強化している。
(4) 組込システム
組込システムは、大型汎用コンピュータのオペレーティングシステム(OS)開発からスタートした。現在は幅広い電子製品・部品の組込ソフトウェアとして、半導体記憶装置SSD(=Solid State Drive、メモリーチップを媒体にした記憶装置)組込システムなどを展開している。
難易度の高いファームウェアやミドルウェアのソフトウェア開発に強みを持ち、IoT(=Internet of Things、モノのインターネット)に対応した建設機械や医療機器など新たな製品分野への展開も推進している。ストレージデバイス関連はキオクシア(株)(旧 東芝メモリ(株))のSSD関連が主力で、新製品開発にも参画して売上拡大を図っている。AD/ADAS関連では基盤ソフトウェア開発などの新たな案件も受注している。
(5) 産業・ICTソリューション
産業・ICTソリューションは多種多様な業種向けに展開し、産業・公共システム関連として業務効率化を実現するアプリケーション、社会インフラを支える公共システム(ICカードシステム、コンテンツ管理システム、鉄道事業者向け駅務機器・自動券売機・自動改札機システム、官公庁向けeガバメントクラウド関連、道路設備関連のETC試験装置など)の開発を幅広く展開するとともに、ITサービス関連としてシステムに関わるトータルサポートサービス(システムの開発環境・運用環境の構築、システム運用統合監視サービスなど)を提供している。
幅広い分野で顧客との信頼関係を構築しており、今後はさらなる成長に向けて、これまで培ってきた制御・組込技術、産業・公共システムのシステム開発力、ITサービスのシステム構築・保守・運用力の融合により、AI、IoT、ネットワーク・セキュリティ、ロボティクス、クラウド、医療機器などの成長分野において、新規案件獲得と新規顧客開拓を推進することでビジネス拡大と収益力向上を目指す。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
■业务概要
1. 业务板块概述
日本プロセス<9651>将业务分为控制系统、汽车系统、特定信息系统、嵌入式系统和工业/ICT解决方案五个领域。各个部分的概述如下。
(1) 控制系统
控制系统涉及能源相关领域的火力发电厂监控系统、电力系统控制系统、配电自动化系统、交通相关领域的新干线运营管理系统、日本铁路在来线运营管理系统、适应密集日程的东京地区运输管理系统(Autonomous decentralized Transport Operation control System,以下缩写:ATOS)等。在海外还参与了台湾新干线项目。
特别是在注重安全可靠性的高难度社会基础设施领域,凭借丰富的经验、高品质和可靠性,与客户建立了牢固的信任关系。主要客户为日立制作所<6501>。需要注意的是,由于地球环境问题,火力发电厂项目减少,而可再生能源系统和输配电系统项目增加。此外还承接了电力网络系统等大型承包项目的开发。
(2) 汽车系统
汽车系统涉及控制汽车基本性能「行驶、转弯、停车」的动力传动控制系统,环境适应车辆控制系统,如混合动力电动汽车(HEV)和电动汽车(EV)等,车载信息系统,外部感知传感器系统等。
此外,为了实现一个没有事故的安全可靠的移动社会,我们汇集了我们积累的技术,并致力于开发自动驾驶系统。特别是在下一代汽车系统的CASE领域和下一代移动服务的交通系统MaaS领域,我们将擅长的图像识别和识别技术、近距离无线通信技术、车载控制技术、嵌入技术等融合到AD/ADAS相关和IVI系统相关等领域,并将其发展成为业务支柱。
※1 CASE是Connected=连接、Autonomous=自动驾驶、Shared&Services=共享/服务、Electric=电动化的缩写。
※2 MaaS是Mobility as a Service的缩写。MaaS是通过利用信息通信技术将各种出行方式和交通工具无缝连接起来,并将人的移动从一个地点到另一个地点视为一个新的“移动”概念的服务。
※3 AD是Autonomous Driving(自动驾驶)的缩写。ADAS是Advanced Driver-Assistance Systems(先进驾驶辅助系统)的缩写。
※4 IVI系统是In-Vehicle Infotainment system(车载信息娱乐系统)的缩写。Infotainment是information(信息)+entertainment(娱乐)的合成词。
主要客户是日立Astemo(株)(2021年1月,由旧日立汽车系统(株)与本田技研工业(7267)的旧关联零部件制造商旧(株)气门、旧(株)昭和、旧日信工业(株)合并而成)。过去,我们主要以日产汽车(7201)相关为主,但也可以期待本田相关的订单扩大。
(3)特定信息系统
特定信息系统涉及航空航天、防灾、危机管理、地理信息等领域,包括卫星图像地面系统、图像分析系统、地理信息系统、遥感系统等,同时也提供AD/ADAS相关的图像识别和识别系统。值得一提的是,在过去,航空航天部门被归类为工业/ICT解决方案,现在已经将其移交给了特定信息系统,自2024年3月会计年度起生效。
以图像识别和识别技术为基础,结合人工智能技术(Artificial Intelligence=人工知能),在图像分析中进行更高级的应用,加强危机管理和防灾等对社会安全和安全的贡献。
(4) 嵌入式系统
嵌入式系统起源于大型通用计算机操作系统(OS)的开发。现在作为广泛的电子产品和零部件的嵌入式软件,如半导体存储器SSD(=固态硬盘,是一种以内存芯片作为介质的存储装置)嵌入系统等进行开发。
拥有在困难度高的固件和中间件软件开发方面的优势,推进到物联网(= Internet of Things,物联网)中的工程机械和医疗设备等新产品领域的拓展。与存储设备相关的主力是千代田(株)(前身为东芝内存(株))的SSD相关产品,参与了新产品的开发以实现销售扩大。在AD / ADAS相关方面,还接受了基础软件开发等新项目。
(5) 工业ICT解决方案
针对各种各样的行业展开工业ICT解决方案,广泛开展工业和公共系统相关的应用程序,支持社会基础设施的公共系统(IC卡系统,内容管理系统,铁路运输公司的车站设备,自动售票机,自动闸机系统,政府云相关,道路设备ETC测试设备等)的开发,以及作为IT服务相关提供面向系统的全面支持服务(如系统开发环境,运营环境的构建,系统运营一体化监测服务等)。
在各个领域建立了与客户的信任关系,并将控制和嵌入技术,工业和公共系统的系统开发能力,IT服务的系统构建,维护和运营能力结合起来,通过人工智能,物联网,网络安全,机器人技术,云计算,医疗设备等成长领域,推进新项目的获取和新客户的开发,以实现业务扩大和盈利能力的提升。
(撰写: FISCO特约分析师 水田雅展)