17日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・日経平均は大幅続落、円高加速が嫌気されて36000円割れ
・ドル・円は反落、日本株安で円買い
・値下り寄与トップは東京エレクトロン<8035>、同2位はアドバンテスト<6857>
■日経平均は大幅続落、円高加速が嫌気されて36000円割れ
日経平均は大幅続落。前営業日比753.22円安(-2.06%)の35828.54円(出来高概算9億1000万株)で前場の取引を終えている。
16日の米国株式市場はまちまち。ダウ平均は228.30ドル高(+0.55%)の41622.08ドル、ナスダックは91.85ポイント安(-0.52%)の17592.13、S&P500は7.07ポイント高(+0.13%)の5633.09で取引を終了した。今週開催される連邦公開市場委員会(FOMC)待ちで様子見気配が強まり、寄り付き後、まちまち。9月NY連銀製造業景気指数が約1年ぶりに拡大域に回復し、ソフトランディング期待に支えられた買いを受けて、ダウは上昇し史上最高値を更新した。一方、ナスダックは携帯端末のアップルの下落が重しとなり、終日軟調に推移した。
米国株まちまちのなか、為替の円高進行一服を受けて、連休明けの東京市場はやや買い戻し優勢でスタートした。日経平均は前営業日比小幅高で寄り付いたが、為替が1ドル140円30銭台と再び円高推移となったことが嫌気されて、輸出関連銘柄など主力株が下げ幅を拡大。米ハイテク株の下げも影響して半導体株が弱く、日経平均は36000円台を割り込んで前場の取引を終えた。
日経平均採用銘柄では、東京エレクトロン<8035>、アドバンテスト<6857>、ルネサスエレクトロニクス<6723>、レーザーテック<6920>など半導体関連の下げが目立ったほか、りそなHD<8308>、第一生命HD<8750>、東京海上<8766>、野村<8604>、みずほ<8411>など金融株も売られた。このほか、TDK<6762>、ディスコ<6146>、SUMCO<3436>、村田製作所<6981>などが下落。
一方、日本郵船<9101>、川崎汽船<9107>、商船三井<9104>など海運株がしっかりだったほか、国内証券会社が目標株価を引き上げたことで住友化学<4005>が堅調。このほか、サッポロHD<2501>、ニチレイ<2871>、イオン<8267>、日本ハム<2282>など円高メリット銘柄の一角が買われた。
業種別では、保険業、銀行業、電気機器、証券・商品先物取引業、輸送用機器などが下落した一方、海運業、水産・農林業、空運業、倉庫・運輸関連業、陸運業などが上昇した。
債券市場では、米金利低下を受けて10年債利回りが0.825%まで低下しており金融株の下げ要因となっている。16日時点のシカゴ・マーカンタイル・エクスチェンジ(CME)が算出するFed Watchツールでは、0.25%利下げ予想が33%、0.50%利下げ予想が67%とダブルスコアまで差が拡大。市場では、FOMCで0.25%の利下げに留まった際、史上最高値圏にある米国株が急落する可能性も指摘されており、日経平均の下押し要因となっているようだ。後場の東京時間も、為替市場を横目に見た神経質な地合いとなろう。為替が1ドル139円台に突入した場合、日経平均一段安の可能性は十分あるので警戒したい。
■ドル・円は反落、日本株安で円買い
17日午前の東京市場でドル・円は反落。序盤はドルの値ごろ感から買戻しが強まり、一時141円23銭まで値を切り上げた。ただ、その後は米大幅利下げ観測によるドル売りが再開。また、3連休明けの東京市場で日本株売りに振れ、円買い地合いを強めた。
ここまでの取引レンジは、ドル・円は140円32銭から141円23銭、ユーロ・円は156円18銭から157円10銭、ユーロ・ドルは1.1123ドルから1.1131ドル。
■後場のチェック銘柄
・モルフォ<3653>、フライトソリューションズ<3753>など、8銘柄がストップ高
※一時ストップ高(気配値)を含みます
・値下り寄与トップは東京エレクトロン<8035>、同2位はアドバンテスト<6857>
■経済指標・要人発言
【経済指標】
・米・9月NY連銀製造業景気指数:11.5(予想:-4.0、8月:-4.7)
【要人発言】
・鈴木財務相
「為替の急激な動きは望ましくない」
「注意を払いながらしっかり見ていくのが基本スタンス」
「為替はプラスとマイナス、双方の影響がある」
<国内>
・特になし
<海外>
・米連邦公開市場委員会(FOMC、18日まで)
・中国本土市場休場
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