■STIフードホールディングス<2932>の業績動向
1. 2024年12月期第2四半期の業績動向
2024年12月期第2四半期の業績は、売上高16,694百万円(前年同期比12.5%増)、営業利益1,491百万円(同44.1%増)、経常利益1,495百万円(同39.2%増)、親会社株主に帰属する中間純利益1,010百万円(同46.9%増)と好決算だった。期初の通期業績予想に対する進捗率も売上高で49.1%、営業利益で62.2%と、前年同期に対してそれぞれ2.4ポイント、17.3ポイント上回るなど順調で、既述のとおり通期業績予想を上方修正した。
日本経済は、好調なインバウンド需要や堅調な企業業績から底堅く推移する一方、幅広い分野における物価上昇の影響により実質賃金の減少が継続、生活防衛意識の高まりから個人消費の回復は停滞した状況にある。世界経済は、金融資本市場の変動リスクや中国経済の停滞、国際紛争の長期化など先行き不透明な状況が続いている。食品業界においては、円安進行による原材料・資材価格の上昇や人件費・水道光熱費の上昇により製造コストの増加が続くなかで、消費者の節約志向や多様化するニーズに対応した商品企画が求められている。
このような環境のなか、同社は「持続可能な原材料・製造への取り組み」「フードロスの削減への取り組み」「環境への配慮」「原料調達から製造・販売まで一貫した垂直統合型の展開」「健康志向と魚文化を重視した中食への取り組み」を基本方針に掲げ、中長期的な企業価値の向上と持続的な成長の実現を目指している。さらに、食品メーカーとして消費者と従業員の安全と安心のために、安定した製造・供給を継続すべく、グループ全体で社会的にも重要な使命の遂行にも取り組んでいる。この結果、販売面では、主力のセブン-イレブン向けデイリー食品が引き続き好調で、焼き魚やカップデリなど定番商品が販売個数を伸ばしたほか、2024年1月に関東地域で発売した「さばの味噌煮」の販売エリアを順次拡大し、5月に全国約21,500店での販売を開始、また、6月にはカップデリの新商品「いかと海老ブロッコリーオリーブオイル仕立て」を全国で発売、いずれも好評を博している。
セブン-イレブンの既存店売上伸び率が、2024年2月期第4四半期が0.4%増、2025年2月期第1四半期が±0%、続く6月、7月が微減となるなど若干低迷しており、同社への影響がやや懸念される状況となっている。しかし、セブン-イレブンの足元の低迷は、小商圏化の加速と多様化にフォーカスした戦略によってコロナ禍後に好調を継続した反動に加え、ファミリーマートとローソンが値ごろ感を打ち出すなど思い切った販売戦略をとったことが要因と思われる。こうした状況に対して、セブン-イレブンはセブンプレミアムなど顧客接点の高い商品のプロモーションを強化するなどの対策を進めており、短中期的に業況を改善することは可能と考えられる。そうしたプロモーションの中心となっているのが、ファミリーマートやローソンにはなく、圧倒的に高い付加価値でセブン-イレブンのなかでも2ケタ増と特異的に伸びている同社商品である。低迷しているからこそセブン-イレブンは好調な同社商品に頼ることになるのだが、セブン-イレブンのプロモーションは同社にとっても強い追い風になっているようだ。
具体的には、セブン-イレブンのTVCM「セブンプレミアムのお惣菜」で、同社の「さばの味噌煮」が秋需商戦を盛り上げる一押しの戦略商品になっている。既述のとおり「さばの味噌煮」は5月に全国販売を開始したばかりだが、パウチ型からトレー型にパッケージを変更したことでより利便性が増し、販売は好調にスタートしたようだ(イトーヨーカドー、ヨークベニマル、ヨークなどではパウチタイプでの販売)。特徴は、北大西洋海域を中心とした脂の乗った大型のさばを使用し、骨取り作業は一つひとつ丁寧に手作業で実施、湯ぶり工程を加えて魚の雑味を低減、3種類の味噌をブレンドすることで従来よりも深いコクとまろやかな味わいを実現、加熱後6時間鍋止めをする専門店と同じ工程により味を浸透、スライス生姜を加えてすっきりとした味わいに仕上げているところにあり、人気の秘訣になっている。
また、セブン-イレブンが同社を推す理由は、これまで多くのヒット商品を世に出し、現在も人気が続いている商品が多いことにもある。代表的なものに、自然な焼き目と抜群の香ばしさで人気の「さばの塩焼」があるが、「魚は食べたい」が臭いや洗い物の大変さから「調理はしたくない」という要望に応えるために開発した商品である。特徴は、「さばの味噌煮」と同様に北大西洋海域を中心とした脂の乗った大型のさばを使用、骨取り作業も一つひとつ丁寧に手作業で実施しているほか、さばの下処理方法を見直して塩水で手洗いすることで臭みや雑味を軽減したうえ、魚本来のうま味を醸し出すため味付け後に冷蔵庫で寝かせる工程を加え、スチームで身をふっくら仕上げた後、焼く前に遠赤外線で皮目を炙ることで自然な焼き目と抜群の香ばしさを実現するなど、毎期改良を加えてきたところにあり、2014年の発売以来人気を継続している。このため、2023年度に累計売上15兆円を突破したセブンプレミアムのなかで、年間売上10億円以上の300アイテムのうち第5位にランクインした。
ほかにも、脂の乗った銀鮭を直火でしっかり皮まで香ばしく焼き上げているのでレンジで温めるだけで手軽に食べられる「銀鮭の塩焼」や、ふっくらと蒸し上げたたことブロッコリーやじゃがいもを組み合わせてバジルソースをかけた「たことブロッコリーバジルサラダ」など、好調を長く続ける商品が多い。2024年6月にイカと海老にブロッコリー、じゃがいも、パプリカなどを入れ、アンチョビやにんにくを程よくきかせたオリーブオイル仕立ての「いかと海老ブロッコリーオリーブオイル仕立て」を投入したが、当初は似た商品の「たことブロッコリーバジルサラダ」との自社競合が懸念されたものの、「たことブロッコリーバジルサラダ」は引き続き販売が順調に推移、「いかと海老ブロッコリーオリーブオイル仕立て」の販売が純増したようだ。もちろん、同社がこれまでに生産を中止した商品はあるが、食する機会・スタイルの変化や供給効率・採算を考慮した集中と選択の結果で、同社のほかの商品の販売を強化することが目的である。
利益面では、円安の進行により原材料・資材価格が上昇するなか、消費者に支持される最高の商品を提供するため、重点施策に基づいて高品質な原材料の使用を継続した。この結果、2023年12月期第1四半期に実施した価格改定の残余効果、採算のよい既存商品の販売個数の増加、絞り込んだアイテムを大量生産することによる生産性向上※、新商品のプラスオンなど、販売増や採算・生産効率の向上で原価高を吸収したため、売上総利益率の向上につながった。販管費は運賃や人件費、水道光熱費が増加したが、増収効果により販管費率は低下した。このため営業利益は大幅に増加し、営業利益率は前年同期の7.0%から8.9%へと向上した。なお、同社は第2四半期の業績予想を公表していないが、営業利益の通期予想に対する進捗率が62.2%と高くなったのは、セブン-イレブンの業況を保守的に見ていたこと、新商品、既存商品ともに想定以上に好調だったこと、魚惣菜を買う習慣が広がっている最中のためマクロ(同社にとってはセブン-イレブンの業況)に左右されなかったことが要因と思われる。
※ 全国各地にあるセブン-イレブンの共同配送センター向け物流を考慮する必要があるが、石巻工場の焼き魚など一部商品については、1つの工場に寄せて大量生産することで生産性を上げることができた。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
■STI食品控股<2932>的業績走勢
1. 2024年12月期第2季度業績走勢
2024年12月期第2季度業績爲,營業收入16,694百萬日元(同比增長12.5%),營業利潤1,491百萬日元(同比增長44.1%),經常利潤1,495百萬日元(同比增長39.2%),歸屬於母公司股東的中期淨利潤1,010百萬日元(同比增長46.9%)表現出色。相對於全年預期的完成率,營業收入爲49.1%,營業利潤爲62.2%,較去年同期分別高出2.4個百分點和17.3個百分點,呈順利態勢,因此已上調了全年業績預期,正如前述。
日本經濟受到良好的入境需求和企業業績穩健推動,但受廣泛領域的物價上漲影響,實際工資持續下降,個人消費因生活防禦意識高漲而停滯。全球經濟面臨着金融資本市場波動風險、中國經濟停滯、國際衝突長期化等不明朗前景。在食品行業,由於日元貶值導致原材料和資材價格上漲,人工成本及水電費上漲,製造成本不斷增加,消費者的節儉需求以及不斷多樣化的需求對產品規劃提出了更高要求。
在這種環境下,該公司以"致力於可持續的原材料和製造"、"減少食品浪費"、"環境保護"、"從原料採購到製造和銷售的一體化垂直展開"、"注重健康和日本文化的中食"爲基本方針,旨在實現中長期企業價值的提升和持續增長。此外,爲了消費者和員工的安全與放心,繼續確保穩定的製造供應,全集團也致力於履行社會上重要使命。由此,在銷售方面,主力產品七-11日常食品繼續表現強勁,烤魚和即食便當等暢銷產品銷量增長,還在2024年1月在東京地區推出的"鯖魚味噌煮"銷售區域逐步擴大,5月在全國約21,500家店鋪開始銷售,此外,6月推出即食便當新品"魷魚和蝦西蘭花橄欖油調配",均受到好評。
七-11既有店鋪銷售增長率,2024年2月季度增長0.4%,2025年2月季度基本持平,接着6月,7月微降,稍顯低迷,對該公司影響略顯擔憂的局面。然而,七-11的現有店鋪低迷,可能是因爲小商圈化加速和多樣化的戰略集中在疫情後繼續保持強勁增長,再加上familymart和lawson推出大幅優惠等大膽的銷售策略。對此,七-11正在加強七-11 溢價等高接觸點產品的促銷活動,如此推進的措施將有可能在短期至中期內改善業務狀況。這些促銷措施的核心是,familymart和lawson所不具備的,通過在七-11更受歡迎、具有顯著增值的同類產品而形成的競爭優勢。七-11因低迷而看起來將依靠擁有強勁表現的同類產品,但七-11的促銷似乎也對該公司產生了強大的推動作用。
具體而言,在七-11的TVCM「七-11 溢價熟食」中,該公司的「鯖魚味噌煮」已成爲秋季需求商戰的暢銷戰略產品。正如前述,「鯖魚味噌煮」剛在5月全國銷售,但由於將包裝從袋裝改爲盤裝,更加便利,銷售開局良好(伊藤洋華堂、York Benimaru、York等均以袋裝形式銷售)。其特點是,使用北大西洋周圍海域的富含脂肪的大型鯖魚,魚切骨工序通過手工細緻完成,添加浸泡工藝減少魚的雜味,通過混合三種味噌實現比以往更濃郁和醇和的口味,使用與專門店相同的加熱6小時燉煮工藝使味道融入,添加切片生薑增添清爽口感,其獨特之處在於投入不斷改進,是其受歡迎的秘訣。
此外,七-11推崇該公司原因是它推出許多熱銷產品,目前仍備受歡迎。代表性產品是以自然烤制和出色香脆口感而受歡迎的「鯖魚蒸煮」,旨在回應「想吃魚」但又不希望因氣味和洗滌麻煩而不想烹飪的需求而開發。其特點是,與"鯖魚味噌煮"一樣,使用北大西洋周圍海域的富含脂肪的大型鯖魚,魚切骨工序也是通過手工細緻完成,此外,鯖魚的預處理方法重新檢視,採用鹽水手洗減少氣味和雜味,味道調味後在冰箱中靜置一段時間以產生魚本身的美味,然後經蒸煮使魚肉鮮嫩,然後在烹飪前用遠紅外線炙皮,使其獲得自然烤色和出色香脆口感等,自2014年推出以來一直備受追捧。因此,在七-11 溢價 殿堂食品中累計銷售額已突破15兆日元,位列年銷售額10億日元以上的300個商品中的第5位。
另外,煎得色香味俱佳的銀鮭魚,直接火烤至皮脆香,只需微波加熱即可品嚐的"銀鮭魚的鹽燒",以及蒸得鮮嫩的章魚和西蘭花以及土豆,淋上羅勒醬的"章魚西蘭花羅勒沙拉"等,銷售良好的商品居多。2024年6月,引入將章魚、蝦仁、西蘭花、土豆、甜椒等放入,配以適量鳳尾魚和大蒜的橄欖油製作的"章魚和蝦仁西蘭花橄欖油製品",起初擔心與類似商品"章魚西蘭花羅勒沙拉"自家競爭,但"章魚西蘭花羅勒沙拉"繼續順利銷售,"章魚和蝦仁西蘭花橄欖油製品"的銷售似乎有所增長。當然,雖然公司過去曾停產一些商品,但目的是爲了加強其他商品的銷售,考慮了食用機會和風格的變化,以及供應效率和成本效益方面的集中選擇結果。
在利潤方面,隨着日元貶值,原材料和物資價格上漲,爲了提供受消費者喜愛的最優質商品,繼續使用基於重點措施的高質量原材料。由於這一結果,2023年12月季度初實施的價格調整餘效,暢銷商品銷售量增加,大量生產精煉產品提高生產率,新產品的正增加等措施,銷售增加和成本效率的提高吸收了高成本,從而導致銷售毛利率提高。銷售及管理費用包括運費、人力成本、水電費等增加,但由於增收效果,銷售管理費率下降。因此,營業利潤大幅增加,營業利潤率從去年同期的7.0%提高到8.9%。此外,公司尚未公佈第二季度業績預測,但營業利潤的全年預測完成率爲62.2%,這顯示出對七-十一的業務環境持保守態度,新產品和現有產品均表現出乎意料的良好,購買熟食的習慣正在擴展的過程中,因此不受宏觀因素(對該公司而言是七-十一的業務環境)的影響。
* 考慮到全國各地七-十一共同配送中心的物流,石卷工廠的烤魚等部分商品,通過對同一工廠進行大量生產,提高了生產效率。
(作者:華富證券客座分析師宮田仁光)