$信越化学工業 (4063.JP)$ が10月25日引け後に2024年4~9月期(25年3月期中間)連結決算を発表した。売上高、営業利益、純利益など市場予想を上回った。
●売上高は前年同期比5.9%増の1兆2664億円(ブルームバーグ市場予想は1兆2572億円)
●営業利益は6.2%増の4057億円(予想は3909億円)
●純利益は2.4%減の2941億円(予想は2749億円)
●1株当たり純利益(EPS)は147.83円(予想は145.84円)。
●通期業績予想は据え置いた。2期ぶり最終増益となる見込み。
●年間配当予想は従来予想の1株106円を据え置き。
▼短信サマリ
・純利益減益の主因は 海外子会社からの配当を今期から実施したことに基づく税金費用の一時的な増加。
・塩化ビニルに関しては、4~6月において主要地域で価格が上昇し、7~9 月でさらに水準の改善ないし維持をすることができた。か性ソーダについては、4~6月で値上げを実施したが、7~9月では一進一退となった。
・半導体市場は、最先端品において一部回復が見られたものの、全体としては底打ちからの回復はまだらに推移している。伸びの強い市場にシリコンウエハー、フォトレジスト、マスクブランクス等の半導体材料を出荷することに注力。希土類磁石は、堅調 なハードディスクドライブ用の需要に応える一方、車載市場への拡販に努 力した。
・半導体ウエハーケースは半導体産業の在庫調整の進捗が発注高に表れてきた。
▼半導体関連の営業利益が大幅増
半導体ウエハを含む「電子材料セグメント」の売上高が前年同期比9.3%増、営業利益が21.1%増となり、塩ビなどの「生活環境基盤材料セグメント」の不調(純利益が7.9%減)をカバーした。半導体ウエハケースを手掛ける「加工・商事・技術サービス事業」の営業利益も前年同期比24.8%と伸びた。
▼ROIC,ROE,ROAは前年同期より低下
出所:同社IR資料、ブルームバーグ