■三機サービス<6044>の今後の見通し
2. 中期経営計画の進捗状況
同社は2022年7月、2023年5月期~2025年5月期を対象とする新中期経営計画「SANKI NEXT STAGE 2025」を策定した。コロナ禍などによる事業環境の変化を踏まえ、2023年5月期~2025年5月期を中長期に成長するための収益基盤を強化する時期と捉え、経営基盤及び事業基盤の再構築を行う方針だ。数値目標として3ヶ年の売上高年平均成長率22.8%を目指し、最終年度の2025年5月期については、売上高21,450百万円(2023年5月期実績14,733百万円)、営業利益1,034百万円(同575百万円)を掲げている。2025年5月期は本計画の最終事業年度にあたるが、当初計画通りの業績予想を目標としている。
(1) 数値目標の進捗状況
2023年5月期と2024年5月期では、売上高・営業利益ともに計画を達成した。ROEについてもそれぞれ13.2%、11.6%と上場企業の平均値を超える実績を上げており、計画達成に向けて順調に進捗している。
2024年5月期は事業の売上構成として、トータルメンテナンスで65%、メンテナンスサービスで26%、環境事業で9%を想定している。トータルメンテナンスサービスでは、2022年5月期比で7ポイント増を目指す。同事業に対する顧客ニーズは元来高く、業績拡大寄与への期待値は高い。例えばコンビニエンスストアでは、電気設備・空調設備・冷凍設備などメンテナンスが必須な設備が多数ある。これらのメンテナンスを一手に請け負うのがトータルメンテナンスサービスであり、人手不足に悩む顧客は一括してアウトソーシングすることで事業効率を上げられるなどメリットは多いことから、同社は営業活動を強化する。さらにコンビニエンスストアは広域に店舗を展開しているため、新規受注獲得をトリガーに顧客基盤を拡大できる可能性があり、同社は市場余地の大きい領域と見ている。同社にとって「第3の柱」となる環境事業については、2022年5月期比で6ポイント増を目指す。SDGsを意識したソリューションビジネスとして、省エネシステムの拡販やカーボンニュートラルを目的とする付加価値の高いソリューション提案を積極的に行うことで、受注拡大を目指す。
(2) 重点施策の進捗状況
a) 事業規模の拡大
付加価値提供型ビジネスによる既存事業の拡大と環境事業拡大により、発展期(2026年5月期以降)に売上高約2倍を目指すことを重点施策の柱としている。付加価値提供型ビジネスによる既存事業の拡大については、これまで蓄積してきたノウハウを強みにして事業領域の拡大を図る。2024年9月には、新たに「医療機器及び付帯設備に関するメンテナンス事業」に参入することを表明した。同事業では医療機器、歯科医療機器、動物用医療機器及び介護用医療機器の販売・貸与・修理及び輸出入を手掛ける。同社は、病院などの設備機器のメンテナンスなどについて既に実績があり、これまで手掛けてこなかった「医療」という専門機器領域へサービス対象範囲を広げて需要を取り込み、収益基盤の拡大を図る。事業の推進方法や今後の業績面への寄与度は現時点で未知数ではあるが、同社の発展期に向けた施策の1つとして注目したい。環境事業については、同社の強みとする省エネ・カーボンニュートラルに関するノウハウを生かした提案型ビジネスの推進を継続しており、中期経営計画最終年度での一層の成果が期待される。
b) 成長投資
2025年の目指す姿として、出資などを伴う投資(アライアンス・M&A)や内部強化のための投資を掲げ、成長投資の実行やDX推進及びスマート化・デジタル化対応を進めていく方針だ。戦略的なM&Aとして、2023年12月に長沼冷暖房を子会社化した。2025年5月期の計画達成に向けて、M&Aや他社とのアライアンスを重要ツールと考えており、今後の動向が注目される。内部強化に関しては、人材の採用や育成に注力する。人材採用については、2024年5月期に工事メンテナンス部門や管理部門を中心に100名を超える人材を採用したほか、賃上げなどの処遇面の改善などに取り組んでいる。人材育成に関しては、工事やメンテナンス事業に必要な各種資格取得に伴う資格手当の支給や、エンジニアの多能工化などのための研修制度の拡充などを行っている。同社によれば、直近の従業員の離職率は、サービス業の上場企業の平均値を大きく下回っているとのことであり、従業員から働き甲斐のある職場との評価を得ているようだ。
c) 付加価値向上
品質向上施策及び原価低減施策を推進することで、発展期にROE10ポイントアップを目指している。サービスエンジニアの多能工化による内製化推進や、メンテナンス作業などにおける作業効率の改善による作業時間の短縮とコスト削減などの施策により、粗利改善が進んでいる。また兵庫機工や長沼冷暖房との協業による生産性向上策も進行中だ。このような施策の効果は2025年5月期の業績予想に織り込まれている。2024年5月期のROE実績は自己資本比率が上昇したこともあって前期比で減少し、11.6%となったが、中期経営計画の最終年度となる2025年5月期にはROE16.0%の達成を目指す。
d) 人財育成
人財ポートフォリオの進化に向けて、専門技術者内製化・育成及び営業体制の強化を図る。2025年の目指す姿としては、エンジニアでは空調・冷設スペシャリスト育成、営業ではソリューション営業、カスタマーサポートではスタッフ育成・増強を挙げているほか、新企業理念・新人事制度の浸透により、自ら動き新しい価値を創造できる人財及び次世代経営人財の発掘・育成を目指す。また従業員とのエンゲージメント強化の一環として、経営計画発表会の開催や、経営計画に基づき11項目の従業員表彰制度を設けるなどの施策も実施中である。さらにコンプライアンス室を新設したほか、健康・安全対策として「事故対応ワークフロー(SHL)」の活用を進めている。
e) サステナビリティ経営
同社では、新中期経営計画の重点施策の1つとして、サステナビリティ(ESG)経営を掲げ、CO2削減への貢献及び健康経営の実現を目指している。Environment(環境)では、2022年5月期に約55万本※分のCO2削減を実現し、顧客のCO2削減目標達成へ貢献した。2025年5月期には約187万本分のCO2削減を目標に掲げる。また、他社の省エネ・再エネなどの活動への積極的な協賛も引き続き行っていく。Social(社会)では、健康経営の推進、多様な働き方の確保、ダイバーシティの推進に向けて、2023年5月期からの5年間で女性管理職比率を6%から12%へ引き上げる方針だ。Governance(ガバナンス)では、社会及びステークホルダーからの信頼を高めるコーポレート・ガバナンス体制を構築していく。また、東京証券取引所プライム市場上場を目指し、適用範囲の拡大を進めている。
※ 1本当たりCO2吸収量14kgとして計算。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
■未来展望的三机服务<6044>
2. 中期经营计划的进展状况
该公司于2022年7月制定了针对2023年5月期至2025年5月期的新中期经营计划“SANKI NEXT STAGE 2025”。考虑到新冠疫情等导致的业务环境变化,公司将2023年5月期至2025年5月期视为加强收入基础以实现中长期增长的时期,并制定了重新构建经营基础和业务基础的方针。作为数值目标,公司旨在实现3年的营业收入年均增长率为22.8%,并在2025年5月期的最终年度上,将营业收入目标设定为21,450百万日元(2023年5月期实际为14,733百万日元),营业利润为1,034百万日元(同575百万日元)。2025年5月期是该计划的最终经营年度,公司旨在实现符合初始计划的绩效预测目标。
(1) 数值目标的进展情况
2023年5月期和2024年5月期,公司均实现了营业收入和营业利润的计划目标。ROE 方面,分别为13.2%、11.6%,均超过上市企业的平均值,顺利推进并实现计划目标。
2024年5月期的营业构成中,总维护占65%,维护服务占26%,环境业务占9%。总维护服务方面,公司旨在2022年5月期相比提高7个百分点。顾客对该业务的需求一直较高,期待其业绩扩大贡献。例如,在便利店中存在大量需要进行维护的设施,如电力设备、空调设备、冷冻设备等。公司提供的总维护服务一揽子承包这些维护工作,顾客面临人手短缺问题,通过整体外包能够提高业务效率,带来许多好处,因此公司加强了营销活动。此外,由于便利店的店铺覆盖范围广泛,公司也看到了通过新订单获取扩大客户基础的潜力,认为这是一个市场空间较大的领域。对于对公司而言成为“第三支柱”的环境业务,公司旨在2022年5月期相比提高6个百分点。作为注重可持续发展目标的解决方案业务,公司积极开展销售节能系统和旨在实现碳中和的高附加值解决方案提议,以扩大订单。
(2) 焦点措施的进展情况
a) 业务规模的扩大
通过提供增值的业务扩大现有业务和环境业务的发展,将销售额目标定在发展阶段(2026年5月期后)翻一番。对于通过提供增值的业务扩大现有业务,公司将利用过去累积的专业知识来扩展业务领域。2024年9月,公司宣布将首次进入"医疗设备及附属设备的维护业务"。该业务涉及医疗设备、牙科医疗设备、动物医疗设备和护理用医疗设备的销售、租赁、维修以及进出口。公司已经在医院等设备维护方面有经验,并将服务对象范围扩大到专业设备领域"医疗",以吸纳需求并扩大收入基础。虽然推进业务的方法和对未来业绩的贡献尚不清楚,但这是公司发展阶段的值得关注的举措之一。至于环境业务,公司将继续推动提案型业务,利用省能源和碳中和方面的专业知识,预计在中期经营计划最终年度将取得更多成果。
b) 成长投资
2025年的目标是通过涉及投资(联盟·并购)和内部强化的投资,执行成长投资,推动数字化转型以及智能化和数字化适应。作为战略性并购,公司于2023年12月子公司化了长沼冷暖服务。为实现2025年5月期的计划,公司将并购和与其他公司联盟视为重要工具,未来动向备受关注。在内部强化方面,公司专注于人才招聘和培养。在人才招聘方面,公司已于2024年5月期主要招募了超过100名员工,包括工程维护部门和管理部门,同时致力于改善薪酬等待遇。在人才培养方面,公司扩大了各项资格补贴,以推动工程和维护业务所需的各种资格获得,同时提倡工程师的多功能化。根据公司称,最近员工的离职率大幅低于服务业上市企业的平均水平,获得了员工对于公司是一个有价值的工作场所的评价。
c) 增值提升
通过推动质量提升措施和成本降低措施,公司旨在将ROE在发展阶段提升10个百分点。通过服务工程师的多功能化推动内部制造,改善作业效率从而缩短工时,降低成本,粗利改善正持续进行。此外,通过与兵庫机械和长沼冷暖服务的合作,也在推动生产力提升措施。这些措施的效果已融入到2025年5月期的业绩预测中。2024年5月期的ROE实际数据因自有资本比率上升有所下降,为11.6%,但公司的中期经营计划中期业绩,即2025年5月期的ROE目标为16.0%。
d) 人才培养
为了促进人才组合的进化,公司着手内部培训技术专家以及加强营销体系。作为2025年的目标,公司在工程领域提出空调·制冷专家培养,销售方面则推进解决方案销售,客户支持方面加强员工培训和强化,此外,通过新企业理念和新员工制度的普及,公司致力于发掘和培养具备创造新价值能力的人才和下一代经营人才。此外,为加强员工参与度,公司正在开展经营计划发布会,并设置了基于经营计划的11项员工表彰制度等措施。此外,公司还新设了合规部,并在健康与安全方面推动"事故应对工作流程(SHL)"的应用。
e) 可持续经营
公司将可持续经营(esg)作为新中期经营计划的重点举措之一,旨在实现减少CO2排放并实现健康经营。在环境方面,公司已实现了截至2022年5月的约55万吨CO2减排,为客户实现减少CO2的目标做出了贡献。公司将目标设定为在截至2025年5月的期间内实现约187万吨CO2的减排。此外,公司还将继续积极支持其他公司的节能和再生能源等活动。在社会方面,公司将推动健康管理,确保多样化的工作方式,推动多样性,计划在从2023年5月至5年内将女性管理层比例从6%提高到12%。在治理方面,公司将建立能增进社会和利益相关者信任的企业治理结构。此外,公司还将继续努力实现在东京证券交易所主板上市,并推进适用范围的扩大。
※ 按每根吸收CO2量14公斤计算。
(编辑:FISCO分析师村瀬智一)