■キットアライブ<5039>の事業概要
1. 会社概要
同社は、CRM分野で世界最大手の米国企業Salesforceが提供するCRMクラウドサービス「Salesforce」の「システム導入支援」及び「システム製品開発支援」の2軸で事業を展開している。顧客が「Salesforce」を導入する際に、同社が設計・開発・保守をワンストップで行うほか、「Salesforce」上でアプリケーション提供を希望する顧客向けにSaaS(Software as a Service)製品の開発、公開、運用の支援サービスを行う。同社は、従来はクラウド・インテグレーション※などを提供するテラスカイ<3915>の子会社で、基幹システムからクラウドに移行するサービスを提供するBeeX<4270>に次ぐ3例目の上場会社である。札幌証券取引所(以下、札証)アンビシャス市場へ2022年9月に上場したのを機に、テラスカイは同社の株式割合を58.2%から49.5%に引き下げ、同社は連結子会社から持分法適用会社へ移行した。
※ 様々なクラウド商品を顧客の課題解決に合わせて最適な環境に組み合わせること。
2. 沿革
2000年に現 代表取締役社長である嘉屋雄大(かや ゆうだい)氏は、北海道大学卒業後にシステムエンジニア(SE)として独立系のシステム・インテグレーターである(株)ウイン・コンサルに入社した。2007年に同氏が新規事業担当者として1人で活動するなか「セールスフォース・ドットコム事業部」を立ち上げた。同事業部の成長に伴い、2016年8月に同氏はテラスカイからの出資を受けて同社を設立し、2016年10月にウイン・コンサルから事業譲渡を受けて営業を開始した。2020年10月には札幌市が経済産業省北海道経済産業局、(一財)さっぽろ産業振興財団と共同で実施している「J-Startup HOKKAIDO」※に選定された。2022年9月に札証アンビシャス市場へ新規上場し、2023年1月には、北海道の経済活動の貢献に対し、札証より「2022年年間功労賞」を受賞した。
※ 北海道に根差し、官民が連携して支援することを目的に選定された有望なスタートアップ企業。選定企業は2024年2月までに合計55社となっている。
3. 事業内容
同社は、顧客が主体的にITを活用する環境を提供し、顧客と一緒にDX実現に向けた支援を行う。そのために、Salesforceの開発及び運用保守を行う「Salesforce導入支援」、SaaS型アプリケーション構築を支援する「Salesforce製品開発支援」を行っている。Salesforceの導入により、顧客はCRMや営業支援(SFA)ができるようになり、売上拡大につながる。
同社が販売を進める「Salesforce」は、「アジャイル開発※1」と「ノーコード開発※2」により素早くシステムを構築することができ、外部環境の変化に柔軟に対応できるため社内IT基盤の構築に適している。同社の「Salesforce導入支援」と「Salesforce製品開発支援」の売上はともに伸びており、販売活動においてはこの2つのサービスが相乗効果を生み出している。同社は今後も両軸に注力する。
※1 最初に完成図を描き、上流工程から下流工程までを順次に進める「ウォーターフォール開発」に反して、システムを構成する要素を細かく分割し、区分した範囲ごとに短期間で設計・開発・テスト・リリースを繰り返す開発手法のこと。
※2 プログラミング言語を利用したソースコードを書かずにアプリケーションなどを開発する方法のこと。
同社は、(株)セールスフォース・ジャパンの販売権利を持つテラスカイの二次代理店である。テラスカイからSaaS製品の1つである「Salesforce」のライセンスを仕入れ、顧客にライセンス販売を行っている。「Salesforce製品開発支援」に伴い開発を行った製品等も、同様に販売代理店としてライセンス販売を行っている。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)によりリモートワークが普及したことを契機に、本拠地である札幌から全国に向けて積極的にSaaS製品の導入支援を進めている。
(1) 「Salesforce導入支援」
顧客企業への「Salesforce」の導入支援や、「Salesforce」を基盤としたシステム開発サービスを提供している。「Salesforce」の主な機能はCRMとSFAであるが、導入効果を最大限発揮させるには、「Salesforce」に関する専門的知識を持ったITエンジニアによるカスタマイズや設定が必要である。同社では、社員の約9割を占める「Salesforce」専門のITエンジニアが、顧客の業務に見合ったオーダーメイドのシステムを作り上げている。ITコンサルティング・要件定義・設計・開発・システムテスト・運用保守といったシステム開発の全工程をITエンジニアがワンストップで提供しているのが特長だ。顧客の業種や規模によりプロジェクト内容は多種多様であるため、同社では社内のコミュニケーションを円滑にし、社員同士がノウハウを拡散・共有することで、顧客に対応している。
(2) 「Salesforce製品開発支援」
「Salesforce」ユーザーはSalesforceが運営するマーケットプレイス「AppExchange」から必要なアプリケーションを購入し、CRM以外の様々なカスタマイズや拡張を行うことができる。「AppExchange」ではSalesforceが開発するものだけではなく、「Salesforce」プラットフォームの開発ツールやAPIを活用しサードパーティーが開発したものも数多く販売されている。同社は、こうした製品開発を行う企業向けに「Salesforce」上のアプリケーション開発に関する技術的なソリューションやアドバイスを提供し、加えて品質保証やテスト、導入支援にも対応している。同社の支援により、ノウハウを持たない顧客でも自社製品開発を行うことが可能となる。製品開発委託元企業がライセンス販売に注力し、導入支援が必要なユーザーを同社に紹介するといった形で「Salesforce導入支援」の依頼も増えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 中山博詞)
■KitAlive公司<5039>的業務概要
1. 公司資料
該公司在CRM領域以美國企業Salesforce提供的CRM雲服務"Salesforce"的"系統導入支持"和"系統產品開發支持"兩個軸展開業務。當客戶引入"Salesforce"時,該公司除了在設計、開發和維護方面提供一站式服務外,還爲希望在"Salesforce"上提供應用程序的客戶開發、發佈和運營SaaS(軟件即服務)產品的支持服務。該公司以往是提供雲集成等服務的泰勒斯<3915>的子公司,也是繼提供轉移核心系統到雲的服務的BeeX<4270>之後的第三家上市公司。2022年9月,在札幌證券交易所(以下簡稱"札證")的雄心市場上市後,泰勒斯將該公司的股份比例從58.2%調低到49.5%,該公司從合併子公司轉變爲持股法適用公司。
將各種雲產品根據客戶的問題解決方案合併到最適合的環境中。
2. 發展歷程
2000年,現任代表取締役社長嘉屋雄大(かや ゆうだい)先生,北海道大學畢業後作爲獨立的系統集成商(株)ウイン・コンサル的系統工程師(SE)加入。2007年,嘉屋先生作爲新業務負責人獨立開展活動時,創立了"賽富時・點商務部"。隨着該業務部的增長,2016年8月,嘉屋先生獲得泰勒斯的投資,成立了該公司,並於2016年10月接受了ウイン・コンサル的業務轉讓並開始經營。2020年10月,札幌市與北海道經濟產業局,(一財)札幌產業振興基金共同實施了"J-Startup HOKKAIDO"※的選擇。2022年9月,新上市於札幌證券市場雄心市場,並於2023年1月由於對北海道經濟活動的貢獻,從札證獲得"2022年度功勞獎"。
※ 精選的有潛力的初創企業,基於根植於北海道,旨在促進政府和私人部門的合作支持。截至2024年2月,共有55家入選企業。
3. 業務內容
公司提供了營造顧客主導的IT利用環境,並支持客戶共同實現數字轉型。爲此,公司提供開發和維護Salesforce的部署支持,並提供支持構建SaaS型應用程序的Salesforce產品開發支持。通過引入Salesforce,客戶可以實現CRM和銷售支持(SFA),從而促進銷售增長。
公司推進銷售的Salesforce可以通過「敏捷開發※1」和「無代碼開發※2」迅速構建系統,並靈活應對外部環境變化,適合構建企業內部IT基礎設施。公司的Salesforce部署支持和Salesforce產品開發支持銷售額均在增長,這兩項服務在銷售活動中產生協同效應。公司將繼續專注於這兩個領域。
※1相對於「瀑布式開發」從上游到下游逐步進行的系統構建方法,敏捷開發方法將系統構建的要素細分,按區間設計開發測試和發佈,循環進行。
※2是一種開發方法,可以開發應用程序等,而無需編寫使用編程語言的源代碼。
公司是泰勒斯以控股日本賽富時銷售權利的次級代理商。從泰勒斯處採購了SaaS產品之一的Salesforce許可證,並向客戶銷售許可證。通過「Salesforce產品開發支援」進行的開發產品等也作爲經銷商進行許可證銷售。隨着新冠疫情的傳播,遠程辦公的普及成爲契機,該公司從總部札幌積極推動SaaS產品的全國推廣。
(1) “Salesforce部署支持"
向客戶企業提供「Salesforce」的部署支持以及基於「Salesforce」的系統開發服務。「Salesforce」的主要功能是CRM和SFA,但爲了充分發揮部署效果,需要專業了解「Salesforce」的IT工程師進行定製和設置。該公司約90%的員工是「Salesforce」專業的IT工程師,根據客戶業務需求,定製專屬系統。IT諮詢,需求定義,設計,開發,系統測試,運維等系統開發的全過程由IT工程師一站式提供,這是其特點。由於客戶的行業和規模各異,項目內容多種多樣,因此公司通過順暢的內部溝通和員工間的傳授和共享專業知識,以便服務客戶。
(2) “Salesforce產品開發支援"
「賽富時」用戶可以從「AppExchange」這個由賽富時運營的市場中購買所需的應用程序,並進行各種CRM以外的定製和擴展。「AppExchange」不僅銷售賽富時開發的產品,還有很多第三方利用賽富時平台的開發工具和API開發的產品。該公司爲從事此類產品開發的企業提供在賽富時平台上進行應用開發的技術解決方案和諮詢,並提供質量保證、測試和實施支持。通過該公司的支持,即使是沒有專業知識的客戶也能進行自身產品的開發。產品開發的委託公司主要專注於許可銷售,並且隨着越來越多需要實施支持的用戶被介紹到該公司,對「賽富時實施支持」的請求也在增加。
(撰寫:FISCO資深分析師中山博詞)