■強み
1. 金融業界に強固な顧客基盤
TDCソフト<4687>は、金融・法人の部門で顧客との付き合いが長い。同社は、顧客のビジネスをどこまでも深く理解し、あるべき姿をともに考え、プロジェクトを成功に導く新しいアイデアを出す、というスタンスで臨んでいる。これにより顧客の信頼を得て関係が長くなるため、顧客の業務にも精通する。仕事によっては同社がサブ・コントラクター(2次請け)として受注する場合もあるが、その際も開発のなかで徐々にプロジェクトの中核を担うようになり、顧客の信頼も厚くなることから替えがきかない存在となることも多い。結果として事業規模は拡大しており、そこからさらにノウハウ・信頼が蓄積するといった好循環を作り出すことに成功している。同社はITの専門家として高い開発力を備えており、ITニーズに確実に応えるビジネスモデルから先へ進み、市場や顧客の潜在的なニーズを捉え準備することで、デジタル技術の新たな潮流に対応した価値創造型のシステムインテグレーター企業へと変貌している。
2. 次世代型SI事業を牽引するアジャイル開発は順調に拡大
同社は情報サービス産業の黎明期よりシステム開発事業を行っており、現在では業務アプリケーションからITインフラ、ネットワーク基盤構築、クラウドサービスなども手掛け、着実に成長している。また社内認定制度で認められたトップスキル技術者や、高度情報処理技術者など、技術力の高い社員を擁している。昨今では顧客のビジネス環境の変化に合わせ柔軟かつ迅速なシステム開発を行うため、アジャイル開発技術者の育成に注力している。技術動向を捉えて最新の技術を常に追い求め、ビジネスに活用することが同社の強みである。アジャイルの取り組みでは、顧客のビジネススピードを加速させるためのサービスを提供する。「アジャイル」というとソフトウェア開発だけにフォーカスが当たりがちだが、DXの推進やビジネススピードを加速させるためには、組織のマインド、仕組みを戦略・企画立案段階から変えていくことが大事な要素だと考えられている。同社は大規模なアジャイル開発フレームワークである「SAFe(R)」を提供する米国Scaled Agile, Inc.とパートナーシップを組み、顧客の組織・プロセスをアジャイル型に変革していくためのコンサルティングサービスである「アジャイル型 組織/プロセス変革サービス」、及び顧客とともに企画・検討から実装・運用までをトータルサポートする「アジャイル開発支援サービス」などを提供している。
ウォーターフォール型は、企画→要件定義→設計→開発→テスト→リリース運用といった流れとなり、結果確認まで時間がかかるほか、企画段階と運用段階でニーズが変わっていることが多いため、変更時の投資の無駄が大きく、後戻りしにくい(捨てにくい)ことがネックとなる。さらに、DXの流れが加速するなか、IT技術は日々進歩しており、新たな対応が後手に回りやすいと同社では考えている。一方、アジャイル型では、同じ時間軸で、企画→実装→結果確認→振返り→企画→実装→結果確認→振返り→企画→実装→結果確認といった形で進められるため、結果確認までの時間が短いほか、変更時の投資の無駄が少なく、後戻りしやすい(捨てることが可能)。実際、顧客のDX需要拡大に伴い、アジャイル開発が牽引する次世代型SI事業は順調に伸びており、今後もアジャイル型需要の拡大が続くと弊社では考えている。
3. プロジェクトマネジメント総合力
ITプロジェクトの重要性やリスクが高まりつつある現代において、同社はプロジェクトマネジメント力が重要だと考えている。システム開発において収益力が低下する要因の多くは、開発プロジェクトの進行時に生じるが、同社はプロジェクトの収益性低下を個人の力と組織の力の両面からカバーして防いでいる。個人レベルではPMP(R)※を技術社員の半数以上に取得させることや、ナレッジの共有などにより対処している。組織レベルでは、ソリューション事業部がCMMI(R)成熟度レベル4の認定を受けたこともあり、定量的な品質管理や、会社でのチェック制度、フォロー体制などが整備されている。同社はこれらを「個人のPM力」と「組織のPM力」を掛け合わせた「PM総合力」と定義しており、再現性の高いシステム開発の源となっている。
※ PMP(R):Project Management Professional(R)の略。プロジェクトマネジメントに関する国際資格。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
■优势
1. 金融行业拥有坚实的客户基础
TDC软件<4687>在金融和企业领域与客户的交往已久。公司致力于深入理解客户的业务,共同探讨理想状态,并提出成功项目所需的新想法。通过这种方式,获得客户的信任,建立长期关系,从而对客户的业务也变得更加熟悉。根据项目的不同,公司有时作为分包商(第二承包商)承接订单,但在这种情况下,也会逐步在开发过程中承担项目核心的角色,因此客户的信任不断加深,往往成为不可或缺的存在。结果,公司业务规模不断扩大,从中成功创造出不断积累的知识和信任的良性循环。公司作为IT专家,具备强大的开发能力,稳步推进业务模式,准确响应IT需求,并通过捕捉市场和客户的潜在需求,准备迎接数字技术的新潮流,转变为价值创造型系统集成企业。
2. 引领下一代SI业务的敏捷开发顺利扩展
公司自信息服务产业的黎明期开始就从事系统开发业务,目前已经涵盖了业务应用程序、IT基础设施、网络基础设施建设、云服务等领域,稳步增长。此外,还拥有通过公司内部认证制度认可的顶尖技术人员和高水平的信息处理技术人员等高技能员工。近年来,公司为了适应客户业务环境的变化,专注于培养敏捷开发技术人员,进行灵活而迅速的系统开发。捕捉技术趋势,始终追求最新技术并应用于业务是公司的强项。在敏捷的实践中,提供加速客户商业速度的服务。虽然谈到“敏捷”时常常集中于软件开发,但为了推动数字化转型(DX)和加速业务速度,改变组织的心态和机制,从战略和规划阶段开始至关重要。公司与提供大规模敏捷开发框架“SAFe(R)”的美国Scaled Agile, Inc.建立了合作关系,提供将客户组织和流程转变为敏捷型的咨询服务“敏捷型组织/流程变革服务”,以及与客户共同从规划和考察到实施和运作的全面支撑“敏捷开发支撑服务”等。
瀑布模型遵循策划→需求定义→设计→开发→考试→发布运用的流程,结果确认需要时间,并且在策划阶段和运作阶段中,需求往往会发生变化,因此在变更时投资的浪费较大,并且不易回退(难以舍弃)是其瓶颈。此外,在数字化转型(DX)的快速进展下,IT技术日新月异,新的应对措施容易滞后。另一方面,敏捷模型在同一时间轴上,由策划→实施→结果确认→回顾→策划→实施→结果确认→回顾→策划→实施→结果确认的方式进行,因此不仅结果确认的时间短,而且变更时的投资浪费较少,更容易回退(可舍弃)。实际上,随着客户对DX需求的扩大,敏捷开发引领的下一代SI业务正在稳步增长,未来敏捷型需求预计将继续扩大。
3. 项目管理综合能力
在现代IT项目的重要性和风险日益提高的情况下,公司认为项目管理能力至关重要。系统开发中盈利能力下降的许多因素,往往出现在开发项目的推进过程中,但公司从个人能力和组织能力两个方面覆盖并预防项目盈利能力下降。在个人层面上,通过使超过一半的技术员工获得PMP(R)资格,及知识共享等方式来应对。在组织层面上,解决方案事业部已获得CMMI(R)成熟度等级4的认证,因此建立了定量的质量管理、公司的检查制度、跟进体系等。公司将这些定义为“个人的PM能力”和“组织的PM能力”结合而成的“PM综合能力”,成为高重复性系统开发的源泉。
※ PMP(R):项目管理专业(R)的缩写。与项目管理相关的国际资格。
(编辑:FISCO分析师村瀬智一)