不屈の「円高メリット」４銘柄！トランプ氏の円安批判が追い風に？最高益更新見込みの優良銘柄をチェック！

7月11日以降、政府による介入とみられる動きがあり、急激に円高が進行している。18日には円は対ドルで一時155円台に急騰した。米大統領選で優位となっているトランプ候補が米国の輸出産業に不利となるドル高・円安を批判しており、同氏が勝利した場合にはドル安政策が取られるとの観測から、円売りポジションの巻き戻しが発生している。一部マーケットアナリストからは、米国の景気減速により日米実質金利差が顕著に縮小しており、「円安は終わった」との声も出た。国内大手証券の為替ストラテジストはブルームバーグの18日早朝取材に対し、「（テクニカル分析の一つである一目均衡表の）雲の下限（155円49銭）を下に抜けるといよいよ調整が加速しそうで、6月4日安値（154円55銭）まで視野に入る」と指摘。ドル買い需要の底堅さが注視されている。
$USD/JPY (USDJPY.FX)$

輸入による仕入れコストが業績に影響する食品・飲料・紙セクターを中心に、コスト高につながる円安環境の中でも業績拡大中の円高メリット銘柄をチェックした。

靴小売り最大手。スニーカーが主力の靴店「ABC-MART」を全国展開。脱コロナによる外出機会の増加でスニーカーやサンダルなどの需要が高まっている25年に次世代型の旗艦店を東京・大阪・ソウルで開業する。25年2月期連結売上高は、前期比6.3％増の3658億円、純利益は0.7％増の403億円。アナリスト平均目標株価3346.67円は18日終値2843円から17.72％の上昇を示唆。

◆ $日清食品ホールディングス (2897.JP)$
値上げ浸透
即席ラーメン先駆。値上げ浸透で人件費やエネルギーコスト増などこなす。7月11日に植物性原料でうなぎのかば焼きを再現した「謎うなぎ」が1分未満でサイトで完売し、話題となった。25年3月期連結売上収益（売上高）は前期比7.1％増の7850億円、純利益は0.6～6.1％増の545億円から575億円（新規事業投資を行っていくためレンジ形式で開示するとした）。アナリスト平均目標株価5350円は18日終値4370円から22.43％の上昇を示唆。

冷蔵倉庫、冷凍食品で首位。低温物流も。値上げが浸透、収益性が高まっている。米国で新ブランドを投入。25年3月期連結売上高は前期比1.5％増の6900億円、純利益は1.2％増の248億円。アナリスト平均目標株価4450円は18日終値3755円から18.51％の上昇を示唆。moomooアプリで上昇ウェッジ形成が示されている。（18日時点）

水産大手。日本や南米で養殖事業も。市況の下げ止まりで水産加工が上向く。25年連結売上高は前期比5.2％増の8750億円、純利益は0.6％増の240億円。値上げ浸透。アナリスト平均目標株価1093.33円は18日終値903.2円から21.05％の上昇を示唆。

外資証券アナリストは、5月の決算発表後のレポートで「我々が調査対象とする紙・放送各社の中では最も早期に利益率の改善と成長が視野入りすると予想」としている。25年3月期連結売上高は前期比11％増の1兆円、純利益は２期連続で過去最高を更新し、６％増の350億円を見込む。アナリスト平均目標株価1332.86円は18日終値1031円から29.28％の上昇を示唆。

ビール類国内シェア首位級。値上げ浸透。国内の酒類事業は年始や歓送迎会の宴会需要が回復。24年12月期連結売上収益は前期比2.6％増の2兆8400億円、純利益は16.1％増の1905億円を見込む。原材料高などをこなし、連続で過去最高益を更新する。アナリスト平均目標株価6975.67円は18日終値5880円から18.63％の上昇を示唆。moomooアプリでダブルボトム形成が示されている。（18日時点）

◆ $日清製粉グループ本社 (2002.JP)$
アナリスト平均目標株価までの乖離が大きい
製粉で圧倒的トップ。パスタ類強い。25年3月期連結売上高は前期比１％減の8500億円、純利益は前期の過去最高を更新し、４％増の330億円を見込む。連続増配。アナリスト平均目標株価2372.49円は18日終値1878.5円から32.42％の上昇を示唆。

円が1ドル155円台を付けた18日に上昇した主な円高メリット銘柄
18日は、日経平均株価が2.4％下落する中で、100円ショップの $キャンドゥ (2698.JP)$や $セリア (2782.JP)$が大きく上昇した。この２銘柄は有効なアナリスト平均目標株価はない。キャンドゥはモーニングスター適正株価から５％超過して買われている。セリアは同適正株価まで6％の上昇が示唆されている。

上に記載のない関連銘柄： $日清オイリオグループ (2602.JP)$ 、 $マルハニチロ (1333.JP)$ 、 $コーナン商事 (7516.JP)$ 、 $ニトリホールディングス (9843.JP)$ 、 $フィード・ワン (2060.JP)$、 $サッポロホールディングス (2501.JP)$、 $神戸物産 (3038.JP)$、 $ラクト・ジャパン (3139.JP)$、 $中越パルプ工業 (3877.JP)$、 $キリンホールディングス (2503.JP)$