AI株乱高下!最大の山場到来か?エヌビディア急落の中、逆行高銘柄は
AI株のモメンタム復活は1日限りか。 $エヌビディア (NVDA.US)$は7月31日に13%上昇した後、翌8月1日に7%下落。SOX指数とナスダック100指数も同様な動きとなり、ハイテク株は過去2日間で乱高下した。
急騰・急落の要因を確認してみると、8月2日が最大の山場となる可能性が高いことが示唆された。今回は、その背景要因と注目ポイントを整理する。加えて、荒れ相場の中で逆行高となった好決算銘柄もチェックする。
AI株の急騰と急落の要因
●7月31日の上昇要因
1)パウエルFRB議長が9月の利下げを示唆
⇒ 利下げ期待でハイテク株が買われる
2)AMDが好決算を発表し、AI半導体の売上高見通しを上方修正
⇒ AI投資ブームによる恩恵がAMDまで及び、AMDだけでなくエヌビディアなど半導体株が反発
3)マイクロソフトはAI向け投資をさらに増やすと表明
⇒ AI向け投資で先頭に立っているマイクロソフトの投資拡大はAI投資ブーム継続を示す
●7月31日の上昇要因
1)パウエルFRB議長が9月の利下げを示唆
⇒ 利下げ期待でハイテク株が買われる
2)AMDが好決算を発表し、AI半導体の売上高見通しを上方修正
⇒ AI投資ブームによる恩恵がAMDまで及び、AMDだけでなくエヌビディアなど半導体株が反発
3)マイクロソフトはAI向け投資をさらに増やすと表明
⇒ AI向け投資で先頭に立っているマイクロソフトの投資拡大はAI投資ブーム継続を示す
●8月1日の下落要因
1)まちまちな決算内容
たとえば、マイクロソフトはAI向け投資の拡大を示したが、クラウド事業の増収率は市場予想に届かなかった。Azureの4-6期の売上高は29%増と、前期の31%増から伸びがやや減速した。AIによる寄与は約8ポイントで、前四半期の7ポイントから増加したが、株価は下落。わずかな業績下振れにも投資家が敏感に反応していることを示唆する。
1)まちまちな決算内容
たとえば、マイクロソフトはAI向け投資の拡大を示したが、クラウド事業の増収率は市場予想に届かなかった。Azureの4-6期の売上高は29%増と、前期の31%増から伸びがやや減速した。AIによる寄与は約8ポイントで、前四半期の7ポイントから増加したが、株価は下落。わずかな業績下振れにも投資家が敏感に反応していることを示唆する。
2)リセッション懸念
2日の雇用統計の発表を前に、景気の先行き不透明感を示す指標が相次いだ。まず、7月のISM製造業景況指数が46.8となり、6月の48.5から悪化。市場予想を下回り、4カ月連続で活動の拡大と縮小の境目となる50を割り込んだ。次に、雇用統計の先行指標であるADP雇用統計の7月分は12.2万人増となり、伸びは1月以来で最低となった。新規失業保険申請件数はほぼ1年ぶりの高水準だった。労働市場の悪化兆候が示され、リセッション懸念が強まった。
2日の雇用統計の発表を前に、景気の先行き不透明感を示す指標が相次いだ。まず、7月のISM製造業景況指数が46.8となり、6月の48.5から悪化。市場予想を下回り、4カ月連続で活動の拡大と縮小の境目となる50を割り込んだ。次に、雇用統計の先行指標であるADP雇用統計の7月分は12.2万人増となり、伸びは1月以来で最低となった。新規失業保険申請件数はほぼ1年ぶりの高水準だった。労働市場の悪化兆候が示され、リセッション懸念が強まった。
最大の山場は?それ以降の注目ポイント
複数の経済指標が景気減速のシグナルを発している中、前日のFOMCでは7月の利下げを見送った。もし、8月2日の雇用統計もリセッション・シグナルを示した場合、FRBは対応が後手に回っている可能性があるかもしれない。つまり、「政策ミス」の恐れだ。ハイテク株への激しい売りは、リセッション懸念+FRBの政策ミス懸念が背景にあったと考えられる。
複数の経済指標が景気減速のシグナルを発している中、前日のFOMCでは7月の利下げを見送った。もし、8月2日の雇用統計もリセッション・シグナルを示した場合、FRBは対応が後手に回っている可能性があるかもしれない。つまり、「政策ミス」の恐れだ。ハイテク株への激しい売りは、リセッション懸念+FRBの政策ミス懸念が背景にあったと考えられる。
エヌビディアを筆頭とするAI株については、「AI向けの莫大な投資による利益成長が期待ほど大きくないことに対する不安」も売り要因となっている。この不安は前回の決算シーズンでも取り上げられていたた。なぜ、今回はより警戒されているだろうか?「リセッション懸念+FRBの政策ミス懸念」がくずぶっているためと考えられる。
したがって、目先は雇用統計が何よりも重要で、今晩(8月2日)が最大の山場となるかもしれない。もし、雇用統計からもリセッション・シグナルが発せられた場合、FRBの7月利下げ見送りは政策ミスとして判断されかねず、一段の警戒を誘うかもしれない。
次に、AIブームによる利益成長を確認するうえでは、8月28日に予定されているエヌビディアの決算がより重要となろう。ビッグテックの決算はまちまちだったが、AI向け投資は拡大見通しで、エヌビディアにとってはプラス材料と言える。他方、一部のビッグテックがわずかな業績下振れで株価が急落したことを踏まえると、投資家の「許容度」は低下している。エヌビディアに対する業績圧力も高まっている可能性がある。なお、8月2日時点で、アナリストたちによる平均目標株価は140.50ドルとなっている。
荒れ相場の中で、逆行高を演じた「好決算銘柄」
8月1日のナスダック100指数構成銘柄の騰落率を確認してみると、荒れ模様の中、逆行高を演じた銘柄も多かった。SOX指数の場合はほぼ全面安で、 $アレグロ・マイクロシステムズ (ALGM.US)$のみ小幅に上昇した。
8月1日のナスダック100指数構成銘柄の騰落率を確認してみると、荒れ模様の中、逆行高を演じた銘柄も多かった。SOX指数の場合はほぼ全面安で、 $アレグロ・マイクロシステムズ (ALGM.US)$のみ小幅に上昇した。
なお、逆行高となった銘柄は、総じて業績上振れの銘柄が目立った。たとえば、下記の銘柄だ。
・ $メタ・プラットフォームズ (META.US)$
・ $アメリカン・エレクトリック・パワー (AEP.US)$
・ $エクセロン (EXC.US)$
・ $Tモバイル (TMUS.US)$
・ $ヴァーティブ・ホールディングス (VRT.US)$
・ $エクセル・エナジー (XEL.US)$
・ $インテューイティブ・サージカル (ISRG.US)$
なお、 $アップル (AAPL.US)$も小幅ながら8月1日引け後に上昇した。4-6月期の売上高が市場予想を上回り、買い材料となった。
・ $メタ・プラットフォームズ (META.US)$
・ $アメリカン・エレクトリック・パワー (AEP.US)$
・ $エクセロン (EXC.US)$
・ $Tモバイル (TMUS.US)$
・ $ヴァーティブ・ホールディングス (VRT.US)$
・ $エクセル・エナジー (XEL.US)$
・ $インテューイティブ・サージカル (ISRG.US)$
なお、 $アップル (AAPL.US)$も小幅ながら8月1日引け後に上昇した。4-6月期の売上高が市場予想を上回り、買い材料となった。
業績上振れ銘柄を確認してみると、公益や医薬などディフェンシブ銘柄が目立った。もし、リセッション懸念の強まりで軟調相場が続いた場合、これらの好業績・ディフェンシブ銘柄は今後も注目されるかもしれない。
24年8月2日 マーケットアナリスト Amelia
出所:Bloombergよりmoomoo証券作成
出所:Bloombergよりmoomoo証券作成
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コメント
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楽天的な投資家ポン太 : アメリカでのFRBハンドリングについて、しっかりしたコメントですね。
日本についてもコメント欲しいな。
ボロクソに書くしか無くなるだろうけど…