米国株リスクオンへ?的中率100%の景気後退指標「サーム・ルール」が反落!出遅れ半導体株への買い続く?
米景気後退の的中率が100%のサーム景気後退指標(※、「サーム・ルール」指標)が8月の0.57から9月は0.50に低下した。10月4日に発表された9月の失業率が4.1%に改善したためだ。景気後退に対する不安が解消され、4日は株高・債券安のリスクオンの展開となった。中でも出遅れの半導体株の上昇が目立った。
(※サーム景気後退指標は元FRBのエコノミストであるサーム氏が考案したもので、「サーム・ルール」として知られている。失業率の3ヶ月移動平均が、過去12ヶ月の3ヶ月移動平均の最小値を0.50%ポイント上回った場合、景気後退入りを示唆する。過去の景気後退的中率は100%だった。なお、米失業率の発表は毎月第1金曜日。)
「サーム・ルール」指標とSOX指数サーム景気後退指標とSOX指数(フィラデルフィア半導体株指数)の年初来推移を確認してみると、サーム景気後退指標が今年6月に初めて0.4を超えてから、SOX指数は調整した。翌月に0.50に達することへの警戒(景気後退入りへの警戒)が半導体株売りの一因となった。その後、7月にサーム景気後退指標が0.53に達し、節目の0.50を超えると、SOX指数は一段と調整した。
その後、8月のサーム景気後退指標は0.57まで上昇した。景気後退入り懸念が一層高まったが、他の経済指標からは米国経済の底堅さが示された。9月中旬にFRBが政策金利(FFレート)を0.5%の大幅引き下げを発表。利下げによるリセッション回避への期待が高まり、SOX指数は持ち直した。10月4日の失業率改善でサーム景気後退指標が0.50に低下すると、出遅れ感があったSOX指数は主要指数以上に上昇した。
このように半導体株は、景況感により敏感に反応する傾向がある。足元でサーム景気後退指標の低下や予想を上回る雇用統計を受け、市場ではソフトランディングへの確信が強まっている。4日の動きからすると、出遅れ感のある半導体株がより注目されるかもしれない。
個別半導体株の騰落率9月の失業率と雇用統計が発表された10月4日、SOX指数構成銘柄の上昇率TOP10銘柄は下記の通りとなった。
(なお、4日は世界最大の電子機器受託生産企業であるHonHai(台湾企業)が予想を上回る売上高の伸びを示したことも、半導体やAI関連株にとってプラス材料となった。)
総合的にみると、米リセッション入り懸念の後退は、短期的に半導体株を下支えするとみられる。今後一段高となるためには、今週から始まる企業の決算内容が重要になってくるだろう。
前回の決算シーズン時はリセッション懸念がやや強かったのに対し、今回はリセッション懸念が低下している。業績に対する投資家の評価は前回ほど厳しくないかもしれない。他方、サーム景気後退指標は依然として0.5となっており、全力リスクオンのような過度な油断も禁物かもしれない。企業業績だけでなく引き続き、米国の景気動向にも目を配る必要があろう。
24年10月7日作成 マーケットアナリスト Julie
出所:Bloombergよりmoomoo証券作成
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