カナダ アルバータ州の山火事が拡大、さらなる石油生産を脅かす

アルバータ州で発生した山火事は現在も拡大しており、、原油生産のさらなる危険にさらされているとともに避難勧告も出されている。

今のところ、山火事のために石油生産が抑制されている量はわずかだが、山火事が拡大し続ければ、抑制の度合いが高まることが懸念されている。

7月初め、サンコーはファイヤーバッグ・サイトの生産を抑制し、必要でない人員を避難させると発表した。今週、Imperial Oilは、Kearlの事業所から一部の要員を避難させると発表した。FirebagとKearlは合わせて毎日50万バレル以上の石油を生産している。

ロイター通信は、アルバータ州の石油生産量の3分の2がオイルサンド地域からのものであり、山火事の状況は、より多くの生産量に影響を及ぼす可能性があると一部のアナリストを心配させている、と報じている。

水曜日深夜の時点で、アルバータ州全域で175件の山火事が発生しており、そのうちの12件はアルバータ州最大のオイルサンド生産拠点であるフォート・マクマリー周辺である。

今週発生した山火事の影響で、アルバータ州のある町では非常事態宣言が出され、アルバータ州西部のジャスパーの町では山火事の接近により避難命令が出された。

アルバータ州、そしてカナダの石油業界は、トランス・マウンテン・パイプラインがようやく操業を開始し、生産量も増加傾向にあるなど、これまでのところ好調な1年を過ごしてきた。しかし、連邦政府が石油業界に排出上限を課す計画を打ち出したことで、状況は急速に変化する可能性がある。

同計画は、2030年の排出量を2019年比で35％から38％削減する一方、2019年比でおよそ20％から23％削減するレベルまで排出量を削減するコンプライアンス・フレキシビリティを提供することを提案している。

業界と産油国アルバータ州は、この排出量上限案は事実上石油・ガス生産に上限を設けるものだと非難した。カナダ石油生産者協会によると、このキャップが実施された場合、業界は550億ドルの投資を失う可能性があるという。