ドラッケンミラーのエヌビディア手仕舞いとパランティアという例外
$エヌビディア (NVDA.US)$ でとんでもない成功を収めた後は休むことも重要!
資産家で著名投資家のスタンレー・ドラッケンミラー氏は、ジョージ・ソロス氏の下で10年余りにわたり資金を運用してきたことで名高い。世に知られる「ポンド危機」においてソロス氏はポンド相場が実勢に合わないほど高止まりしていると考え為替市場でポンドを大量に売り、その後、ポンドが安くなったところでポンドを買い戻す取引を実行、「イングランド銀行を破った男」と呼ばれるようになった。
このポンドの大暴落によってソロス氏率いるクォンタム・ファンドは10億~20億ドルの利益を得たと言われている。この戦略をソロス氏に進言したのは、当時、ソロス氏のファンドの運用実務責任者を務めていたスタンレー・ドラッケンミラー氏であった。ソロス氏がポンドの売りで大儲けした背景には、ドラッケンミラー氏の存在があったのである。
そのドラッケンミラー氏は現在、ファミリーオフィスであるデュケーヌ・ファミリーオフィスの運用を行っている。8月14日にデュケーヌがSEC(証券取引委員会)に開示した資料によると、前四半期(1-3月期)に引き続いてAI関連銘柄の保有を削減していることが分かった。
●デュケーヌ・ファミリーオフィスのAI関連株保有株数の推移(単位:株)
前四半期(1-3月期)に111万株保有していた $マイクロソフト (MSFT.US)$ の株式を64%削減した他、 $メタ・プラットフォームズ (META.US)$ については前四半期に再投資し約6万株の持分を全て手放した。6月末のデュケーヌが保有するエヌビディアの株式数は6月10日に実施した1:10の株式分割を考慮すると約9割弱減少していることになる。
以前からドラッケンミラー氏はAIについて、「私のような年寄りでも、それが何を意味するのか理解できた」と述べ、AIブームはインターネットよりも大きなものになる可能性を秘めた「見たこともないようなメガトレンドだ」と述べている。また、エヌビディアの売却については、「ちょっと休みたいんだ。私たちはとんでもない成功を収めた。私たちが認識したことの多くは、今や市場によって認識されるようになった」と語っていた。
ドラッケンミラー氏のポートフォリオの中でAI関連でありながら保有株数を維持している企業がある。ビッグデータ分析などのソフトウェアを提供する $パランティア・テクノロジーズ (PLTR.US)$ だ。パランティアが8月6日に発表した2024年第2四半期(4-6月)の業績は、売上高が前年同期比27%増の6億7800万ドル、純利益は4.8倍の1億3400万ドルと市場予想を上回った。
パランティアはオープンAIの創設にも関わっている著名投資家、ピーター・ティール氏を中心に2003年に創業され、創業当時から米軍、国防総省、FBI(連邦捜査局)、CIA(中央情報局)などといった政府関連機関を顧客に抱え、機密案件を扱っていることから謎につつまれている部分も多かったのが特徴だ。
●パランティア(日足)
●パランティアの売上高と純利益の推移
通期の営業利益については予想を9億6600万-9億7400万ドル(8億3400万-8億5000万ドルから)へ上方修正した。パランティアによる年間利益予想の上方修正は第1四半期に続き2度目となる。アレックス・カープCEO(最高経営責任者)は、「事業拡大ペースは着実に加速しており、さらに発展させる前例のない機会が到来すると考えている」と述べたと言う。
8月8日には $マイクロソフト (MSFT.US)$ との提携を発表した。米防衛・諜報機関に機密任務用のAIソフトを販売するという。両社が販売を目指しているAI製品は、パランティアの分析ソフトとマイクロソフトの防衛・諜報機関向けクラウドサービスを統合したソフトウェアで、マイクロソフト傘下のオープンAIの言語モデル「GPT4」を含むAIツールが採用されるということだ。顧客数の拡大など、業績拡大への貢献も一部期待されそうだ。
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コメント
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青猫 : エヌビディアのほうが割安。