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【決算まとめ】業績好調の自動車大手、時価総額でトヨタはテスラを、ホンダはBYDを追撃

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moomooニュース日本株 コラムを発表しました · 02/09 01:30
国内自動車メーカーの国内ビッグ3の2024年3月期第3四半期決算(4-12月期)が出揃った。円安効果もあって今期は各社とも大幅な増収増益を続けており、暦年の販売台数が4年連続で世界一になった $トヨタ自動車 (7203.JP)$や、北米での販売を大きく伸ばした $本田技研工業 (7267.JP)$が好調を維持し、株価を上げている。一方で、今四半期に前年同期比で販売台数を減らした $日産自動車 (7201.JP)$が中国 $BYD (01211.HK)$に抜かれ、足元で株価を下げるなど、優勝劣敗がつきはじめている。失速が顕著になってきた米 $テスラ (TSLA.US)$も含め、各社の勢いは株価に如実に反映され始めている。
▲10ー12月期の国内ビッグ3とテスラ、BYDの業績と株価(1ドル=145円、1元=20.5円、1香港ドルで換算)
▲10ー12月期の国内ビッグ3とテスラ、BYDの業績と株価(1ドル=145円、1元=20.5円、1香港ドルで換算)
販売好調でトヨタとホンダが2四半期連続の上方修正
販売が好調だったトヨタとホンダは、中間決算発表時に続き2四半期連続で通期見通しを上方修正している。
トヨタ自動車は足元でダイハツ工業、 $豊田自動織機 (6201.JP)$などの子会社の認証不正問題の影響で通期の販売台数見通しを1138万台から1123万台に引き下げたものの、業績に大きな影響はないもよう。通期の営業利益は4兆9000億円、純利益は4兆5000億円と、いずれも日本企業として初の4兆円台を想定している。想定する為替レートは従来の1ドル=141円から143円に変更したが、足元のレートは想定レートより円安に振れており、5兆円の大台も視野に入る
ホンダは為替レートを従来の1ドル=140円から142円に見直し、通期見通しは売上高を2000億円、営業利益を500億円上方修正した。
なお、テスラは税金等の調整で純利益こそ大幅に増加したものの、営業利益ではホンダに水をあけられる形になっている。
トヨタとホンダは株価も大幅上昇
両社の株価は大きく伸びている。特にトヨタは、1月23日には株式分割を加味した上場来最高値となる3034円を付けるとともに、終値ベースでの自己保有株分を含めた時価総額(48兆7981億円)が、バブル期の1987年5月に上場直後の日本電信電話が記録した時価総額(48兆6720億円)を超え、国内企業の歴代最大記録を更新した(23日付日本経済新聞)。
同じく1月23日に、ブルームバーグはトヨタ自動車の時価総額が2016年以来となる中国テンセント超えを果たし、台湾TSMC、韓国サムスン電子に次ぐアジア第3位の時価総額になったと報じた。
自動車メーカーで時価総額トップを走るテスラの株価が冴えない中で、「売り」を推奨するアナリストがいなくなったトヨタ(2月8日付ブルームバーグ)の株価が現在のペースで上昇し続ければ、現状は2倍近い時価総額のテスラの背中が見えてくる可能性もある。
また、ホンダの時価総額は、不振の中国株式市場の影響を受けるBYDに急速に迫っている。ホンダは0.6倍台にとどまっているPBR1倍の回復を目指すと明言しており、第3四半期決算発表時に新たに上限500億円の自己株取得を決め、今期中での上限を2500億円に増やした。PBRが1倍になった場合、単純計算すると時価総額は12兆円超となり、現在のBYDの時価総額を逆転することになる。
カギは中国市場や世界市場での中国EVメーカーとの競合
▲10-12月期の国内自動車ビッグ3の北米、日本、中国での販売台数(概数、カッコ内は前年同期比)
▲10-12月期の国内自動車ビッグ3の北米、日本、中国での販売台数(概数、カッコ内は前年同期比)
国内の自動車ビッグ3にとっての課題は、EVの値下げ競争が広がっている中国市場での戦略と、EV開発で先行するBYDなど中国メーカーとの世界市場での競合だ。
日産自動車の失速の要因は、中国市場での不振を北米や日本で補えなかったとみることもできる中国市場ではEVの値下げ競争が激化しており、テスラも含めて海外勢が苦戦している。
トヨタも第3四半期こそ中国市場で前年の販売台数を上回ったが、トヨタ単体での23年の販売台数は前年を1.7%下回った。
第3四半期に中国市場で販売台数を大きく伸ばしたホンダだが、決算結果からは、値引き競争に巻き込まれながら、販促活動によって販売台数を伸ばしたことが読み取れる。中国での販売台数が7~8割を占めるアジア(日本を除く)での第3四半期(10-12月)の業績は、売上高が前年同期比7.1%増だった一方で、営業利益は30.1%減となっている。23年11月3日付の産経新聞は、同年10月のホンダの中国販売は「国慶節(建国記念日)に伴う連休の値引きなどによる販促活動が貢献した」と報じている。
中国市場での現地メーカーとの競合は、世界市場でも変わらない。1月31日付日本経済新聞によると、23年の世界の自動車輸出台数は、EVがけん引した中国勢が日本勢を上回り、日本は16年以来の首位陥落となった。
足元では中国経済の減速や、EVに対する各国政府の補助金の削減などから、欧米ではEVよりもハイブリッド車に勢いがある。短期的には日本が得意とするハイブリッド車を含む多様なラインアップで競合を制し、中期的にはEVの商品力を高めることが、米中EVメーカーとの時価総額の差を縮めるためのポイントになりえそうだ。
ーmoomooニュースMark
出所:各社HP、日本経済新聞、Bloomberg、産経新聞、moomoo
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