AI時代はハードウェアが主役、テック投資家にも求められるマクロ視点
2024年11月24日午前 7:52 GMT+9
テクノロジー分野への投資家は、新たな変化に直面している。彼らはこれまでマクロ経済にはほとんど関心を払ってこなかった。この分野では経済全体の成長やインフレの推移よりも、製品のたえまない性能向上や革新的な成長戦略の方がはるかに強力な投資リターンの要因になってきたからだ。だが、人工知能(AI)とそれに伴う膨大な資金需要によって、こうした構図が崩れつつある。
(一部省略)
半導体メーカーとして株式時価総額が3兆5000億ドルを超えるエヌビディアでは、現在、新製品の発表周期に「1年リズム」を採用している。過去の製品発表ペースを2倍に加速していることになる。
つまり、こうした企業は伝統的な「在庫循環」に影響さることになる。需要が現在の供給を上回れば、在庫は縮小し、価格は上昇する。その逆もしかりだ。このように、ハードウェア関連ビジネスは、小回りのきくソフトウェア企業と違って、短期間のうちに生産能力を拡大・縮小することが苦手だ。したがってハードウェアの量と価格は、いずれも経済全体の状況にしたがって変動するのが普通だ。
注目すべきことに、半導体の売上高は数十年にわたり、製造業PMI(購買担当者景気指数)と正の相関を保ってきた。だがAIをめぐる狂騒的なブームが本格化した2022年には、この相関が崩れ始めた。これまでのパターンが当てはまるなら、半導体売上高の世界的な活況に、いつ調整の影がさしても不思議はないということだ。
これは1例にすぎないが、テクノロジー分野への投資家も、それ以外の投資家たちと同様に、マクロ経済を意識する必要が出てくるのではなかろうか。
(筆者はフィデリティ・インターナショナルのポートフォリオマネジャーです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)
半導体メーカーとして株式時価総額が3兆5000億ドルを超えるエヌビディアでは、現在、新製品の発表周期に「1年リズム」を採用している。過去の製品発表ペースを2倍に加速していることになる。
つまり、こうした企業は伝統的な「在庫循環」に影響さることになる。需要が現在の供給を上回れば、在庫は縮小し、価格は上昇する。その逆もしかりだ。このように、ハードウェア関連ビジネスは、小回りのきくソフトウェア企業と違って、短期間のうちに生産能力を拡大・縮小することが苦手だ。したがってハードウェアの量と価格は、いずれも経済全体の状況にしたがって変動するのが普通だ。
注目すべきことに、半導体の売上高は数十年にわたり、製造業PMI(購買担当者景気指数)と正の相関を保ってきた。だがAIをめぐる狂騒的なブームが本格化した2022年には、この相関が崩れ始めた。これまでのパターンが当てはまるなら、半導体売上高の世界的な活況に、いつ調整の影がさしても不思議はないということだ。
これは1例にすぎないが、テクノロジー分野への投資家も、それ以外の投資家たちと同様に、マクロ経済を意識する必要が出てくるのではなかろうか。
(筆者はフィデリティ・インターナショナルのポートフォリオマネジャーです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)
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