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キティのサンリオ、ドラゴンボールの東映…上方修正で“知財王”目指す「七武海」!任天堂やソニーら「四皇」に挑む

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ビットバレー投資家 コラムを発表しました · 2024/11/28 17:06
足元の中間決算や株価の好調さが目立っているのが、アニメやゲームなどの人気キャラクターの知的財産(IP)を活用して業績を伸ばしている銘柄だ。人気キャラクターのIPを保有する企業は、ビジネスモデルが軌道にさえ乗れば、日本だけでなく世界中からアニメ、ゲーム、グッズ販売、映画、テーマパークなど多様な方法で収入を得ることができる強みがある。
そこで、時価総額0.4~2兆円程度で、キャラクターIPの活用が業績を押し上げている7銘柄(七武海)を紹介する。多くの銘柄が中間決算期に上方修正し、通期では過去最高の収益を見込んでいる。株価も好調に推移しており、「知財王」候補の銘柄といえる。
世界のキャラクター累積収入ランキングに国内銘柄が目白押し
キャラクターIPの「実力」を測る参考になるのが、内閣府「新しい資本主義実現会議コンテンツ産業官民協議会第1回」資料(24年9月9日)で紹介されている、キャラクターに紐づく累積収入(23年まで)世界17位のランキングだ。
▲出所:内閣府「新しい資本主義実現会議コンテンツ産業官民協議会第1回」資料(24年9月9日)
▲出所:内閣府「新しい資本主義実現会議コンテンツ産業官民協議会第1回」資料(24年9月9日)
実は、「日本発のコンテンツ」として赤字で記載された7つ以外にも日本企業絡みのキャラクターがある。例えば、12位のトランスフォーマーは、 $タカラトミー (7867.JP)$が開発したキャラクターだ。
また、17位までのキャラクターは全て、七武海と4銘柄(四皇)のいずれかに関連している。
業績好調なキャラクターIP「七武海」
▲7社の主な保有IPおよび中間決算(出所:内閣府資料、各社HP、moomoo)
▲7社の主な保有IPおよび中間決算(出所:内閣府資料、各社HP、moomoo)
7社とも中間決算では前期の業績を大きく上回っており、決算発表前を含めて $バンダイナムコホールディングス (7832.JP)$ $サンリオ (8136.JP)$ $東宝 (9602.JP)$ $東映アニメーション (4816.JP)$ $タカラトミー (7867.JP)$5社が通期見通しの上方修正を行った。 $コナミグループ (9766.JP)$は上方修正こそしていないが、中間決算時点での通期見通しの営業利益の進捗率は59.0%に達している。
バンダイナムコ、コナミ、東宝、タカラトミーは前期に続き売上、利益ともに過去最高を見込んでいる前期に10年ぶりに過去最高益となったサンリオも、2年連続で最高益となる見込み東映アニメは上方修正により、3期連続での過去最高売上を見込んでいる。営業利益も中間段階で上方修正後の通期見通しの63%に達しており、上期のペースで進めば過去最高益となる。
IPを活用したビジネスの最大の強みは、事業が軌道に乗るとIPが“自走式”に利益を生み出してくれ、営業利益率が高くなることだ。7社の中間決算では全社が前年同期よりも営業利益率を伸ばしている。中でもサンリオや東映アニメは30%台の営業利益率で、IPを効果的にマネタイズさせていることが分かる。
東宝や $日本テレビホールディングス (9404.JP)$など、優良IPやIP創作企業の買収によって成長を加速させる動きも強まっている。
七武海は株価も好調
キティのサンリオ、ドラゴンボールの東映…上方修正で“知財王”目指す「七武海」!任天堂やソニーら「四皇」に挑む
好調な業績に伴い、株価も好調に推移している。なお、東映アニメーションは親会社の $東映 (9605.JP)$の株価の動きも掲載している。
サンリオ、東宝、タカラトミー、東映は11月に上場来高値を更新している。東映は子会社の東映アニメーションとの時価総額の逆転現象が続いており、相対的に割安感がある。
キティのサンリオ、ドラゴンボールの東映…上方修正で“知財王”目指す「七武海」!任天堂やソニーら「四皇」に挑む
キティのサンリオ、ドラゴンボールの東映…上方修正で“知財王”目指す「七武海」!任天堂やソニーら「四皇」に挑む
キティのサンリオ、ドラゴンボールの東映…上方修正で“知財王”目指す「七武海」!任天堂やソニーら「四皇」に挑む

「知財王」になる!七武海それぞれの戦略
サンリオ:生誕50年のキティ依存から脱却
ことし11月に生誕50年を迎えたハローキティ依存からの脱却が、業績V字回復の原動力となっている。複数キャラクター戦略が奏功し、ハローキティの売上総利益の構成比は、10年前の75%超から30%に減少。キティを含むミックスキャラクターを1.6%から19%へと上昇させた。特に海外では、売上高に占めるキティの構成比が、10年前の93%から23年度に50%へ低下した。
24年度から26年度までの中期経営計画では、安定・永続成長に向けた”3本の矢“の3本目の矢として「IPポートフォリオ拡充とマネタイズ多層化」を掲げている。グッズ中心から展開の幅を広げるため、ゲーム分野では出資も視野にパートナーを組むこと、従来の店舗を体験接点とすること、キャラクターを活用した英語教材の販売強化などを掲げている。24年4月には米大リーグのドジャースタジアムでキティが始球式を行う「ハローキティ・ナイト」を開催するなど、イベントプロモーションも積極的に行っている。
中期経営計画で掲げた時価総額1兆円は24年10月に達成。営業利益400億円の目標も25年3月期に達成する見込み。
キティのサンリオ、ドラゴンボールの東映…上方修正で“知財王”目指す「七武海」!任天堂やソニーら「四皇」に挑む
東映アニメーション:海外発の「地産地消型作品」含めたIP創出を志向
70年近い歴史を持つアニメ制作の老舗的な位置付け。ドラゴンボールやワンピースなど、少年ジャンプ掲載コミックのアニメの版権を多く持つ。親会社の東映がプライム市場に上場。
同社は主体的にIPの開発・育成・運営を担う「IPホルダー」戦略を掲げている。具体的には、IP創出数の増強とIPライフサイクルの長期化、顧客接点の拡大、国内および海外発のIPの強化による展開地域の拡大を挙げている。
グローバル市場を開拓する三本柱として、同社は3つのビジネス戦略を描いている。国内の人気IPを適した海外で展開する「輸出型」、グローバルな流通網を活用して全世界に一斉展開する「ハリウッド型」、現地パートナーと協業して現地のクリエイターとIPを構築する「地産地消型」だ。
バンダイナムコHD:ファンとの接点「IPメタバース」開発
2019年に機動戦士ガンダムの版権を持つ創通をTOBで買収した。自社が創作にかかわったIPだけでなく、ドラゴンボールやワンピース、アンパンマンなど、版権元からキャラクター商品化権を取得して商品・サービスを開発・販売することを強みとしている。
22年度から24年度までの中期計画で、重点戦略にIP軸戦略を掲げている。IPの世界観や特性を活かし、最適なタイミングで最適な商品・サービスとして、最適な地域に向けて提供することにより、IP価値の最大化をはかることとしている。計画ではファンとの接点となる「IPメタバース」の開発投資に150億円、IP価値最大化に向けた戦略投資に250億円を投じるとしている。
より長期的な視点でIP価値を最大化することを優先し、「あらゆるパートナーとオープンに協業」する方針も掲げており、24年8月には東宝と、オリジナルIPの企画開発および国内外での活用に関する資本業務提携を締結した。東宝のIP創出や映像作品製作ノウハウと、バンダイナムコHDのIP展開ノウハウという強みを活かすとしている。
東宝:アニメ事業を「第4の柱」にM&Aも断行
創立100周年を迎える2032年までのグループ経営戦略では、3つの重要ポイントに、M&Aも含めたIP創出と展開に対する投資強化や、IPの価値を最大化するためアニメ事業を「第4の柱」にすることを挙げている。成長戦略の4つのキーワードは「企画&IP」「アニメーション」「デジタル」「海外」。M&Aを含めたコンテンツ関連投資は23年度から25年度までに500億円を計画している。
実際に、24年8月にバンダイナムコHDと資本業務提携を結んだほか、10月には北米でスタジオジブリの作品など日本アニメを配給する米企業を買収する契約を締結したと発表。さらに11月に、アジア地域全体のIPやライセンス事業などを手掛ける法人をシンガポールに立ち上げたと発表した。既に北米では同様の現地法人が、ゴジラの映画配給などを行っている。
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日本テレビHD:スタジオジブリの子会社化で有力IP取得
22年度から24年度までの中期経営計画では「コンテンツ中心主義」を掲げ、重点目標の一つにコンテンツの価値最大化を挙げている。実現に向けて、コンテンツ戦略本部の設立や、IPコンテンツの開発の進化とデジタル・海外展開の推進、外部との新たな共創体制の構築を行うとしている。
23年10月に、数々の「宮崎駿作品」の版権を持つスタジオジブリを子会社化。25年3月期中間(4-9月)決算でも売上、利益の上乗せに貢献し、前年同期比2ケタ増収増益に導いた。
「知財王」に最も近い国内「二皇」
既に強力なIPを活用している世界的な企業で、時価総額でも4~30兆円程度と、「七武海」とは一線を画しているのが、 $ソニーグループ (6758.JP)$ $任天堂 (7974.JP)$の国内2銘柄と、米国の $ウォルト・ディズニー (DIS.US)$ $ワーナーブラザース・ディスカバリー・インク (WBD.US)$の4社。「知財王」に近い距離にある「四皇」ともいえる存在だ。
▲4社の主な保有IPおよび中間決算(出所:内閣府資料、各社HP、moomoo)
▲4社の主な保有IPおよび中間決算(出所:内閣府資料、各社HP、moomoo)
任天堂:「IPに触れる人口の拡大」へ映画やテーマパークに注力
ゲーム市場でのフロントランナーを長年務めてきた中で、ポケモン、マリオをはじめとする強力なIPを生み出してきた。
同社は基本戦略に、「任天堂IPに触れる人口の拡大」を掲げている。その一環として、ゲーム領域外での展開に注力する。特にハリウッド映画やテーマパークといった、多数の人との接点のあるチャネルを有効活用している。
23年4月に公開した映画「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」は、約1億7000万人が視聴26年4月にはマリオの新たなアニメ映画、その後「ゼルダの伝説」実写映画の企画開発を進めている。
テーマパークでは、21年は大阪のユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)に、23年には米国のユニバーサル・スタジオ・ハイウッドに、それぞれ「スーパー・ニンテンドー・ワールド」をオープン。25年2月には米国オーランド、その後はシンガポールにもオープンする予定という。また、24年12月にはUSJに新エリア「ドンキーコング・カントリー」をオープンさせる。このほか、24年10月には京都府宇治市に「ニンテンドーミュージアム」もオープンした。
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ソニーグループ:長年の大規模投資で築いた「IP王国」、KADOKAWA買収で盤石に?
ソニーグループはキャラクターIPに限らず、映画、音楽、ゲームなどエンタメ全般にわたる多様なチャネルで「IP王国」を築いてきた。1989年の米コロンビア・ピクチャーズ買収など、最も早くからIPを重視していた企業といえる。スパイダーマンは、傘下のソニー・ピクチャーズエンタテインメントが映像化権を保有している。
同社はここ6年間で、米国のアニメ配信会社クランチロールの買収などIP関連に約1.5兆円を投資してきたという。十時裕樹社長は24年5月23日の経営方針説明会で、「これまでに獲得・創出したIPの価値が高まっており、今後も引き続き、グループ全体でIP価値最大化に注力していく」と語った。その方策として、アニメ、映画、ゲーム、音楽、スポーツの分野で、IPの創出・育成・360(拡張)を行うとしている。リアルタイム3D処理など長年のAV関連の技術基盤を活かす戦略も進めるのは、「SONY」ならではといえる。同社は今後3年間で1.8兆円の戦略投資枠を計画しており、「IP投資」にも振り向ける方針。
その中の一つが、 $KADOKAWA (9468.JP)$の買収に向けた動きだ。KADOKAWAは11月20日、ソニーグループから株式の取得に関する初期的意向表明を受領したことを明らかにした。KADOKAWAの書籍を中心としたIP創出ノウハウや、傘下のフロム・ソフトウェアが開発した人気ゲーム「エルデリング」などを取得することで、王国を盤石にする狙いがあるとされている。
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出所:内閣府資料、各社HP、moomoo
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