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ボラティリティについてどこまで知っていますか?

今回からプチ連載シリーズとして、ボラティリティについて書いていこうと思います。

私はオプションに出会って、「時間」と「ボラティリティ」の重要さを学びました。これは今から思えばもの凄くラッキーなことでして、ボラティリティを正しく理解し、投資やトレードに活かせないと投資・トレード成績は向上しないと思います。
よく、「最近はボラが高い」とか、「ずっとボラが低いのでそろそろ株が急落するのでは?」というフレーズを耳にしませんか?
意外とボラの正確な知識や認識がないままで、雰囲気でボラやボラティリティというワードを使っている方も結構いるのではないかと思います。
というわけで、私の知識レベルではありますが、ボラティリティについて書いていきますね。
ボラティリティについてどこまで知っていますか?
【ボラティリティの種類】
ボラティリティにはいくつかの種類があり、それぞれ違った方法で計算されて使い方も異なります。主に「Historical Volatility(ヒストリカルボラティリティ)」、「Implied Volatility(インプライドボラティリティ)」、「Realized Volatility(リアライズドボラティリティ)」の三つがあります。これらは、トレーダーや投資家が市場のリスクや価格変動を評価するのに重要となります。
■Historical Volatility(ヒストリカルボラティリティ)
Historical Volatilityは、過去の価格データに基づいて計算されるボラティリティのことです。
具体的には、ある一定期間(例えば30日)の価格の標準偏差を計算し、年率換算します。過去のデータを基にしているので、これまでの市場の動きや傾向を把握するのに役立ちます。

しかし、あくまで過去のデータなので、将来の予測には限界があるのが難点です。
チャートでは、ATR(アベレージトゥルーレンジ)がこのHVの考え方を採用しており、私も「ATRトレンドライン」を使って長期チャートの上昇トレンド、下降トレンドの判定をしたり、大きな値動きが発生しうるブレイクポイントの判定をするのに利用しています。
■Implied Volatility(インプライドボラティリティ)
Implied Volatilityは、オプション市場から逆算される将来の価格変動の予測です。
オプションの価格に基づいて、市場参加者が今後のボラティリティをどう見ているかを示していて、例えばブラック-ショールズモデルなどのオプション価格モデルを使って計算します。
Implied Volatilityが高ければ、将来の価格変動が大きいと予測され、低ければ価格変動は少ないと見られています。
ここが重要な視点です。
先に説明したHistorical Volatilityは過去の値動きからボラティリティを算出しましたが、Implied Volatilityは未来(SQ日まで)のオプション価格から算出される予測ボラティリティだということです。
天気で言えば、Historical Volatilityは「今雨が降っているから傘が必要だな」「ツバメが低く飛んでいるから雨が降りそうだ」のような今の状況や過去のデータから傘が必要だと判断するのに対し、Implied Volatilityは、「まだ雨が降っていないけど街を歩く人の多くが傘を持ってるので今日は雨が降りそうだ」と予測して傘を持っていく判断をする・・・と考えればなんとなくイメージできませんか?
Historical Volatilityは今の状況や過去の事例から予測するパターン分析ですが、Implied Volatilityは市場参加者の未来予測であるということです。どちらが有効かではなくて、お互い得意な場面があって使い分けることが大事です。
ただし、我々投資家が言うところの「ボラティリティ」とは、通常Implied Volatilityを指します
特に有名なのが「VIX(恐怖指数)」で、これはS&P 500インデックスオプションのImplied Volatilityを元に計算され、市場の不安感を表します。
日本版は「日経平均VI」ですよね。

日経平均VIは日経225オプションの期近と期先のオプション個々にあるImplied Volatilityを計算ロジックによって平均化したものです。つまり、日経225オプションをトレードしている投資家が考える未来のボラティリティの平均値ということです。
Implied VolatilityはIVと表記され、日経平均VIのVIはVolatility INDEXのVIです。ややこしいですねw
Realized Volatility(リアライズドボラティリティ)
Realized Volatilityは、実際に観測された価格変動に基づくボラティリティです。
Historical Volatilityに似ていますが、より短期間のデータを使うことが多いです。例えば、1分足や5分足などの短期データを使って、細かい時間単位での価格変動を測定します。リアルタイムの市場動向を反映するので、短期的なトレードやリスク管理に非常に役立ちます。
ただ、このRVは私は全く使用しません。ボラティリティの種類は3つあるんだな。。。程度の認識で大丈夫です。
という感じで今回はボラと言ってもHVとIVとで大きな違いがあるということを書きました。
オプショントレーダーにはIVはおなじみで、この学習は避けて通れませんが、実はチャート分析においてはHVも重要になります。そして、「今 ボラティリティが高いのか低いのか」「高いとはどの数値を意味するの?」「高い時、低い時、それぞれトレード戦術はどう変えないといけないのか」が重要になります。
今日は前日比で日経平均が+150円だった。
これ、ボラティリティの観点で考えたらどう判断しますか? 今日は小動きでも、先週は5日連続で400円以上前日比で動いていたら今日の+150円はどう判断できますか? 今日はほとんど動かなかったな、低ボラな1日だった・・と感じますよね。
このように株価の判断は、その時のボラティリティとその変化率を意識しないといけないということです。絶対値で+150円がどうなのかは判断できません。
私がアノマリーを基本的にはあまり採用せず、参考にする場合でもごく僅かなレベルにしてください、アノマリーやシーズナリーをメインに投資・トレードしたら失敗しますよ・・・といつも言っているのは、アノマリーはボラティリティを全く考慮していないからです。それだけでなくトレンドも無視していますので、トレンドもボラティリティも無視してもなお偏りが存在する・・・という強烈なアノマリーでないとそうそう当たりません。
チャート戦術でもボラティリティやボラティリティの変動率を無視した考察はどうしても精度が低くなります。普通の路面ではブレーキ踏めばすぐ止まれるスピードでも、雪が降ってチェーンを履いてなければブレーキを踏んでも滑って止まりませんよね。その時の速度よりも大事なのは天気と路面状況です。
この話はいつも言っているのでこの辺にして、ボラティリティを理解し投資やトレードに活かすという発想ができれば、無駄な投資戦術や手法に傾倒しなくなるというメリットもあります。ボラティリティが上昇している時に取る戦術と、逆にボラティリティが下降している時に取る戦術は全く異なるということです。
次はボラティリティとリスクの関係について考え、そして実践的にボラティリティを活用することを考えていきましょう。
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