ピンハネ
が投稿しました · 2024/12/26 17:17
実現迫る量子コンピューティング、世界をどう変えるのか🤔🧐
従来のコンピューターでは不可能なことを実現できる。
暗号化システムを簡単に解読してしまう恐れも。
常識を覆す量子物理学を応用すれば、従来のコンピューターよりも飛躍的に高い処理能力を持つ新しいタイプのコンピューターを生み出すことができる。物理学者らがそう理論化しようとしていたのは約40年前だ。
その後、画期的な進歩が積み重なり、今や「量子コンピューティング」が実現しつつある。複雑な現実世界の現象を忠実にモデル化できる正確なマシンを開発する競争が繰り広げられ、医薬品開発や金融モデリング、人工知能(AI)などさまざまな分野で飛躍的な進展がもたらされている。
従来のコンピューターでは不可能なことを実現できることだ。米アルファベット傘下の
グーグルは2024年12月、量子コンピューター向けの最新半導体「
ウィロー」について、世界最速のスーパーコンピューターを宇宙の始まりからずっと稼働させ続けていても解くことができない問題を5分で解決したと明らかにした。
従来のコンピューターでは入力変数が多過ぎ、処理が困難なタスクが通常、実験的な量子コンピューターに与えられる。最も潜在能力が発揮されそうなのは、多数の可動部品が互いに影響し合いながら特性が変化する複雑なシステムのモデリングだ。
例えば、新薬開発を加速するため分子挙動を再現したり、市場予測の精度を高めるため経済活動主体や金融仲介機関の意思決定をシミュレートしたりすることなどが考えられる。
一方、量子コンピューターは、今日のコンピューターのほとんどが実行する比較的限られた数の入力を大量に順次処理するような、手間はかかるが単純な作業にはあまり有用ではないとされている。
カナダのDウェーブ・クオンタムが2011年に初めて量子コンピューターを販売した。IBMやグーグル、アマゾン・ドット・コム傘下のアマゾンウェブサービス(AWS)に加え、数多くのスタートアップが量子コンピューターを開発している。
最近では、マイクロソフトなどが拡張性のある実用的な量子スーパーコンピューターの開発に向けて進展を見せている。インテルは、他の量子ビットよりも100万倍も小さいトランジスタ(量子ビット)を搭載したシリコン量子チップを研究機関に出荷し始めた。
グーグルやIBM、それにスタートアップのユニバーサル・クオンタムやサイクオンタムは、20年代中に実用的な量子スーパーコンピューターを開発すると主張している。
中国はこの分野における積極的な取り組みの一環として、100億ドル(約1兆5700億円)を投じ量子情報科学国立研究所を建設中だ。
従来のコンピューターと同様に、量子コンピューターも小さな回路を使用して計算を行う。しかし、従来のコンピューターが逐次的に計算を行うのに対し、量子コンピューターは並列的に計算を行うため、高速で動作できる。
通常のコンピューターは、ビットと呼ばれる単位で情報を処理する。ビットは、「論理ゲート」と呼ばれるコンピューターチップの一部が開いているか閉じているかという2つの状態のうちの1つを表すことができる。従来のコンピューターは次の情報を処理に移る前に、前回の情報を何らかの値に割り当てなければならない。
これに対し、量子力学の「確率的」な性質により、量子コンピューターの量子ビットは、コンピューターがすべての計算を終えるまで値を割り当てる必要はない。
これは「重ね合わせ」として知られている。従来のコンピューターでは、3ビットで000、001、010、011、100、101、110、111の8つのうちの1つしか表現できないが、3量子ビットの量子コンピューターでは、それらすべてを同時に処理することが可能だ。
4量子ビットの量子コンピューターは、理論上、同じサイズの従来型コンピューターの16倍の情報を処理でき、量子ビットが1つ追加されるごとに2倍の処理能力が得られる。これが、量子コンピューターが従来のコンピューターよりも指数関数的に多くの情報を処理できる理由だ。
標準的なコンピューターを設計する際、エンジニアは各ビットの状態が他のすべてのビットの状態から独立していることを保証するため多くの時間を費やす。
しかし、量子ビットは絡み合っている。つまり、1つのビットの特性は、その周囲の量子ビットの特性に依存している。これは利点であり、量子ビットが共に動作し解決策に到達する際、量子ビット間でより迅速に情報を伝達できる。
量子アルゴリズムが実行されると、量子ビットから矛盾する(従って不正確な)結果が出た場合は互いに打ち消され、互換性のある(従って可能性の高い)結果が増幅される。
この現象は「coherence(コヒーレンス)」と呼ばれ、コンピューターが最も正しい可能性が高いと判断した答えを導き出すことを可能にする。
理論的には、制御可能な量子力学的な特性を示すものであれば、何でも量子ビットの作成に使用できる可能性がある。多くの量子ビットは半導体から作られており、IBMとDウェーブ、グーグルは超伝導ワイヤの微小なループを使用している。
イオントラップや光パルス、電子スピンを操作することで量子ビットを作成している科学者もいる。これらのアプローチの多くは、深宇宙よりも低温など非常に特殊な条件を必要とする。
多数だ。量子ビットは従来のビットよりも指数関数的に多くの情報を処理できるが、本質的に不確実な性質があるため、エラーが発生しやすい。量子ビットの計算は、互いにコヒーレンスを失うとエラーが発生する。
専門家はこれらエラーの一部を修正できるアルゴリズムの開発に取り組んでいるが、修正には量子ビットをさらに追加することが欠かせない。
商業利用に適したプログラムを確実に実行するには、何百万、あるいは何十億もの量子ビットが必要になると推定されており、23年10月にカリフォルニア州のスタートアップ、アトム・コンピューティングが達成した量子ビットの接続数1180は、22年11月にIBMが記録した433の2倍余りとなった。
十分な数の量子ビットを結合させることが主な課題だ。コンピューターが大型化すると、発熱量が増え、量子ビットがコヒーレンスを失う可能性が高くなる。グーグルのウィロー半導体は、量子ビットの結合数が増えるにつれてエラー率が低下したため、画期的な進歩と見なされた。
何に利用したいかによって異なる。 すでに学術研究者は、クラウドベースの「IBMクオンタムプラットフォーム」を通じて、100量子ビットのマシンで問題解決に取り組んでいる。
このプラットフォームは専門家以外も利用することができ、科学者たちは今後10年以内に商業利用に適した「ユニバーサル」量子コンピューターの提供を目指している。
量子コンピューターが持つ驚異的な問題解決能力の潜在的な欠点の一つは、従来の暗号化システムを簡単に解読してしまう恐れがあることだ。
量子コンピューティングが普及する時期が近いことを示す最も明白な兆候は、複数の国が量子テクノロジーの推進に向けた行政命令を出し、企業が従来のコンピューターシステムを量子コンピューターによる解読から守るために数百万ドルを投じていることだろう。
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