かぶざるが投稿しました · 2 時間前

米国市場の下落は不安か一時的か

1. はじめに

アメリカ株式市場において、不安が急速に拡大しています。2024年8月5日のS&P500種株価指数の終値は、前週末比3.0％安の5186.33ポイントとなり、約1年11か月ぶりの大幅な下落率を記録しました。この動向には、日本の株式市場や為替市場における変動が大きく影響しています。本レポートでは、アメリカ株式市場の現状とその背景要因、そして今後の見通しについて分析します。

2. S&P500の大幅下落とその背景

S&P500種株価指数は8月5日、3.00％の下落を記録しました。この下落率は、2022年9月13日の4.32％以来の大きさです。特に、2日に発表された7月の雇用統計が市場予想を下回ったことが、株価下落に拍車をかけたと見られています。加えて、7月16日に記録した最高値（5667.20）からの下落率は8.49％に達しており、株式市場全体に対する不安感が高まっています。

3. キャリートレードの巻き戻しと円高の影響

日本の株式市場での日経平均株価の急落やドル円相場の円高進行が、キャリートレードの巻き戻しを引き起こし、これがS&P500の下落に寄与したとされています。円を低金利で借りてドルなどに交換し、リスク性資産に投資していた投資家が、円高の進行により、円建ての借り入れ返済のために資金を確保する必要に迫られています。このような背景から、多くの投資家が株式を売却し、さらに円高が進行するならば、キャリートレード自体の解消も避けられない状況となる可能性があります。

詳しい内容はYouTubeで解説しています

【プロフィール】

新卒で証券会社へ入社。
大口契約賞を受賞するなど営業担当として活躍。

現在は兼業投資家でとしてSNSにて情報配信中。
相場全体の雰囲気のみならず、決算書や四季報などを活用したファンダメンタルズ分析を得意としています。

基礎基本をしっかりと活用することで、株式相場分析に定評があり、セミナー登壇実績も多数あり。

https://youtu.be/vFj1PgQsJT4?si=6FyocVCFYTEZAB-A

YouTubeより

4. アメリカ経済の底堅さと今後の投資家心理

一方で、米国経済には依然として底堅さが見られ、投資家心理に対する期待も残されています。米サプライマネジメント協会（ISM）が発表した7月の非製造業景況感指数は51.4で、前月の48.8から上昇し、市場予想を上回る結果となりました。また、7月雇用統計の弱さについても、ハリケーンの影響が一時的な要因であるとの指摘があります。

5. 米国景気の見通しとリセッションリスク

米国景気の見通しについては、依然としてソフトランディング（軟着陸）がメインシナリオとして考えられていますが、ハードランディング（硬着陸）を予想する声も増えてきています。特に、FRBの金融政策に対する市場の期待が高まる中、利下げのタイミングやその影響については、慎重な見極めが必要です。市場ではFRBが2024年内に複数回の利下げを行う可能性が高いと予想されていますが、それが景気をどの程度下支えするかについては、依然として不透明感が残ります。

6. 地政学リスクと米大統領選挙の影響

さらに、地政学リスクや米国大統領選挙も市場に影響を与える要因となっています。特に、中東情勢の不安定化や米大統領選挙の行方が市場の不透明感を増大させています。選挙結果により、FRBの金融政策や米国経済の方向性が大きく変わる可能性があるため、今後も慎重な観察が必要です。

7. 結論

現在のアメリカ株式市場は、国内外の様々な要因によって不安定な状態にあります。円高やキャリートレードの巻き戻しといった短期的な要因だけでなく、米国経済の先行きや地政学リスク、大統領選挙の結果などが、今後の市場動向を大きく左右することが予想されます。投資家は、これらのリスクを慎重に評価し、適切な対応策を講じることが求められています。

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かぶざる

元証券マン、X&YouTube同名、Fincs銘柄分析講師、投資セミナー多数登壇

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