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ITバブルとリーマン以来の「初回0.5%利下げ」!ソフトランディングできる?有望な投資先は?

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ビットバレー投資家 コラムを発表しました · 09/20 04:36
米国がついに利下げサイクルに突入した。利下げ幅は0.5%となった。「初回0.5%の利下げ」は、ITバブルとリーマンショック以来のことだ。
FRBが市場の期待通りに大幅な利下げに踏み切った9月18日、S&P500指数は発表直後に1%上昇した。しかし、引けにかけて売り優勢に転じた。「50ベーシスポイントは、新たな利下げペースではない」と、ハウエル議長が発言したためだ。リセッション懸念を背景に、投資家は大幅な利下げが今後も続くことを望んでいる。翌19日、S&P500指数は1.7%反発し、史上最高値を付けた。0.5%の「予防的利下げ」により、米国経済はリセッションを回避し、ソフトランディングを達成できるとの期待が優勢になった。
2日間の相場動向からすると、足元ではソフトランディング・シナリオが優勢である一方、リセッション懸念も根強いことが伺える。直近の雇用統計が弱いうえ、過去にFRBが初回で0.5%の大幅利下げを実施した後、米国経済はリセッションを経験した(2001年と2007年)ことも”トラウマ”になっているかもしれない。今回は、過去の利下げサイクルと、2001年および2007年の状況をチェックしたうえ、0.5%利下げ後の投資スタンスと有望な投資先を確認する。
●そもそも今回、FRBはなぜ0.5%の大幅な利下げに踏み切ったのか?
◇パウエル議長:「経済的観点とリスク管理の観点」
FRBはこれまで初回の利下げでは0.25%を実施することが多い。そのため、今回の利下げ幅をめぐり、9月17日~18日のFOMCの約1週間前までは0.25%の確率が圧倒的に高かった。しかし、FOMCが近づくにつれ、Fedウォッチャーや米当局高官による「ハト派」コメントが続き、0.5%の確率が0.25%を逆転した。0.5%の決定についてパウエル議長は、「経済的観点とリスク管理の観点の両方から、私にとってこのロジックは明白だ」と語った。
◇FOMCメンバー:インフレよりも失業率を警戒
今回の決定についてFOMCメンバーは賛成が11人、反対が1人だった。なぜ、大多数が0.5%の大幅利下げに賛成したのか。FOMC参加者による経済の不確実性およびリスクに関する評価からその一端が伺える。
経済の不確実性およびリスクに関するFOMC参加者の評価を確認してみると、6月と9月を比較した際、明らかに変わった点があった。6月時点では、インフレの不確実性を警戒したメンバーが多かったが、今回は減っている。一方、失業率に対してより警戒を示すメンバーは増えた。
ITバブルとリーマン以来の「初回0.5%利下げ」!ソフトランディングできる?有望な投資先は?
なお、今回の大幅利下げについて、市場では米金融当局が失業率や経済の不確実性に先手を打ったとの解釈が主流になっている。失業率など一部の経済指標を除けば、米国経済は堅調さを維持している。FRBが大幅な利下げに踏み切ったことで、ソフトランディングの可能性が高まったとの見方が増えている。他方、失業率などのデータからすると、FRBの利下げは後手になっているかもしれないとの指摘もある。今後、失業率や雇用の動向などに留意する必要がありそうだ。
●過去の利下げサイクルとS&P500指数
利下げサイクルとS&P500指数の推移(1985年以降)を確認してみると、初回利下げ後の3カ月間のパフォーマンスは上昇が5回(上昇率はまちまち)で、下落が2回だった。うち、下落の2回は0.5%の利下げが実施された時(2001年と2007年)で、いずれも利下げの翌四半期に米国経済はリセッション入りした。
ITバブルとリーマン以来の「初回0.5%利下げ」!ソフトランディングできる?有望な投資先は?
上記からすると、利下げ後の株価パフォーマンスは、その後に米国経済がリセッションか、ソフトランディングかにかかっていると言える。しかしながらリセッション入りしたがどうかは、後にならないとわからない。足元のメインシナリオ通り、ソフトランディングとなれば、9月19日の株価反応が正しく、株高は続く見通しとなろう。他方、今後の経済指標次第でリセッション入りのリスクが高まれば、9月18日のように売りが優勢になる可能性もあるかもしれない。足元は「楽観ながら慎重」スタンスを取ったほうがいいかもしれない。
●2001年と2007年を振り返る
過去にFRBが初回の利下げで0.5%を実施したのは、2001年と2007年だ。今回はそれ以来の「初回0.5%利下げ」となったため、ITバブル崩壊や世界金融危機の”トラウマ”が投資家の脳裏によぎるかもしれない。そこで、2001年と2007年についてそれぞれ簡単に振り返り、足元の状況と比較してみることにした。
◇2001年:ITバブル崩壊後、リセッション入り
2001年1月、FRBは0.5%の利下げを実施した。その後、S&P500指数やナスダック100指数はいずれも大幅に調整した。翌3月に米国はリセッション入りした。
ITバブルとリーマン以来の「初回0.5%利下げ」!ソフトランディングできる?有望な投資先は?
他方、ナスダック100指数とFFレートの推移(上のグラフ)を確認してみると、ITバブルの崩壊は利下げ開始よりずって前だった。ITブームで過熱している金融市場に対し、FRBは1999年から2000年にかけて立て続けに利上げを実施し、2000年にITバブルが崩壊した。FRBが利下げに転じたのは、ITバブル崩壊の翌年(2001年)だった。
この流れは、今回の状況と少し異なるようにみえる。今回、2022年から2023年にかけての利上げはインフレ対峙が目的だった。そして、FRBが金融引き締めを実施している間、ナスダック100指数は上昇を続けた。AIブームが $エヌビディア (NVDA.US)$ を筆頭とする企業の業績を押し上げたためだ。ナスダック100指数が7月以降、やや調整色を強めたのは、AIブームを背景とした業績拡大がいつまで続くかの懸念が生じたためだ。おりしも、利下げ開始観測の強まりとリセッション懸念が台頭した時期と重なる。利下げは一般的にテック株にとっても有利だが、リセッション対応が目的なら株式全般にとって不利となり得る。
ITバブルとリーマン以来の「初回0.5%利下げ」!ソフトランディングできる?有望な投資先は?
◇2007年:米不動産バブル崩壊・サブプライムローン問題で世界金融危機
2007年9月中旬、FRBは0.5%の大幅利下げを実施。その時、米不動産バブルは崩壊(住宅価格は2006年がピーク)し、サブプライムローン問題が世界金融危機に発展した。当時、0.5%の利下げが行われた後、ナスダック100指数はおよそ2週間上昇したが、その後は急落した。翌四半期、米国はリセッション入りした。
ITバブルとリーマン以来の「初回0.5%利下げ」!ソフトランディングできる?有望な投資先は?
今回、当時のような不動産バブル崩壊やサブプライムローン問題はないと言えよう。何かあるとすれば、パンデミック下における大規模な財政支援や給付金の反動かもしれない。足元の米経済指標は全般的に堅調で、米国経済はその反動減を乗り越えているようにもみえる。ただ、失業率の上昇傾向はやや不気味であることは否定できない。今後の経済指標次第でリセッション・リスクが高まることに警戒は必要かもしれない。
●「楽観ながら慎重」スタンスなら分散投資が有効か
総合的にみると、足元は「楽観ながら慎重」スタンスを取ったほうが良さそうだ。ソフトランディング・シナリオに沿って9月19日のように、テック株反発の勢いに乗ることもいいかもしれない。他方、ポートフォリオ全体がテック株に偏っている場合は、利下げの恩恵が受けられる債券やディフェンシブ銘柄の比重を少し上げたほうがいいかもしれない。金融緩和サイクルでは金が上昇する傾向があり、リセッション懸念が続いた場合は金価格をさらに押し上げるかもしれない。いずれの場合も、慎重姿勢も忘れずに、米経済指標や相場全体の動向に気を配る必要があろう。そして、取引の際は「時間分散」の手法も取り入れたほうが良さそうだ。
24年9月20日作成 マーケットアナリスト Julie
出所:Bloombergよりmoomoo証券作成
免責事項:このコンテンツは、Moomoo Technologies Incが情報交換及び教育目的でのみ提供するものです。 さらに詳しい情報
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  • 大負けネコ : さすが❗️、ビットバレー投資家、様❗

    私のような「過去の暴落を経験した個人投資家」が、
    現在一番気にしている点⇒「アメリカ経済の、リセッション(=景気後退)懸念」に対して、
    過去2回の「FRBの、0.50%大幅利下げ❗️」後の、
    「景気後退局面との、比較」。

    私自身は「バリュー株志向」なので、
    アメリカ市場参入は「昨年11月〜の米国株初心者🔰
    ⇒スタートは教科書通りに「ソロス銘柄&バフェット銘柄」から購入してます。
    遅まきながら「1月〜、半導体関連にも投資開始」して、
    「エヌビディア、インテル、マイクロソフト、AMD、アプライドマテリアルズ、IBM、Google等」も購入して、
    「エヌの一発」で、だいぶんプラス。

    しかし「今回の利下げ=0.50%、ならば」⇒「アメリカ経済は堅調」と言いつつ、
    「雇用統計や製造業指数の悪化に見られる」=「景気後退懸念🔥再燃」を、先月末頃から「ずっと、気にして、対策を考えて」いました。

    もしも、「景気後退サイクル」=「サイクル・ローテーションの視点」ならば、「公益系や消費財、資源・エネルギー」等と、「有事の、金❗️」です。

    スタートが「バリュー株」なので、
    「P&G、3M、AT&T、Verizon、コカ・コーラ、クラフト&ハインツ、NWN、アッヴィ、NVOノルディクス、メドトロニック、AIG、ジャクソンフィナンシャル、ウェルズファーゴ、シティ、CVRエナジー」等に加えて、
    ETF「SPYD、SPLB」等の「高配当&バリュー株等」にも「分散投資」しています。
    ただ今、追加の「バリュー株」を物色中。

    また「メインの戦場は、日本株市場」なので、
    元々の「バリュー株スタート銘柄」に、「成長性と増益決算発表銘柄」を加算しつつ、投資信託「米国成長株式ファンド、グローバル株式トップフォーカス、フィデリティ世界割安成長株式ファンド」等。
    そして「8/5令和のブラックマンデー」の直前から、
    追加の投資信託「欧州成長株式ファンドと、ゴールド❗️ファンド」等。

    もちろん、毎月「つみたてNISA投資枠」にて、「オルカン、8資産分散、NEXT FANG+、iシェアーズ・インド株式」等。

    「米国株市場初心者🔰」ですから、
    米国株式比率は「投資資産全体の15〜30%(=投資信託を含む)」程度。
    今年は「NISA成長投資枠」が無い為、「米国株の買い増しは、基本的に来年1月以降〜」を予定しています。

    だから、「今出来る事」⇒円高活用で「ドル外貨預金=積立普通預金&ドル定期預金・半年&1年もの」等で、
    「長期、地域、銘柄、商品等」の「分散投資」を、
    心がけています。

    「日本株」も「アメリカ株」も、「投資資産全体」も、もはや「人類・投資信託化計画?」みたいな状態、
    です。

    しかし、やはり「リセッション懸念🔥再燃」の目、
    「あり得るとの見解」もくすぶる訳ですね?

    イヤだな〜。
    今年の「ブラマン」でも「2008年リーマンショック」以来16年振りの下落なのに、「年内、もしくは来年」に、
    「アメリカ発全体相場下落」⇒「日本株市場、再暴落❗️」の「可能性があり得る」と解釈出来ます。

    「手元現金は多め」&「持ち高ポジションは少な目」、
    そして「分散投資」。
    こんな「方向性が無難」という事かな、と?
    まぁ「投資スタイルは自由」なので、
    「正解は調整局面の終了後まで」分からない。
    後で「あのコメントを参考にしてれば」的な後悔は、
    しないよう、慎重に「最善手を探し」続けます。

    この度は「非常に有益な情報提供」と「比較・分析」に、感謝致します。
    ありがとうございます🙇‍♂️

    引き続き、「参考にさせて」頂きます。
    弱小個人投資家&「アメリカ市場初心者🔰」より。

  • 183531506 : さんこうになりました。