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エヌビディアの”黒子”5選!25年のBlackwell大量出荷の波に乗る コネクター・電源装置など

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ビットバレー投資家 コラムを発表しました · 11/22 17:42
$エヌビディア (NVDA.US)$ が11月20日に決算を発表した。遅延懸念が浮上した次世代AI半導体Blackwellについて、ジェンスン・フアンCEOは「フル生産中」だとし、11月-1月期は従来の見積もりよりも多く出荷する予定だと述べた。2025年は四半期ベースで出荷が増加し、現行品Hopperを上回る見通しだと示した。HopperとBlackwellに対する需要は、いずれも”異常”ほど強いという。エヌビディアのサプライヤーにとって朗報と言えよう。
決算説明会でジェンスン・フアンCEOは、Blackwellが今四半期に数十億台に上る出荷を達成できる見込みとなったのは、「素晴らしいパートナー」のお陰だと示唆した。Blackwellシステムを大量生産するためには、コンポーネントのサプライチェーンを大規模に拡大する必要があるとも説明し、主要サプライヤーを紹介した。今回は、エヌビディアの素晴らしいパートナー」から業績見通しも加味して、エヌビディアの”黒子”5選をピックアップした。
エヌビディアの「素晴らしいパートナー」
●BlackwellのOEMやコンポーネント関連企業
エヌビディアのジェンスン・フアンCEOがサプライヤーについて語ったのは、アナリストから「BlackwellはGPUマスクに変更を加えたことがあり、足元では過熱問題が報じられているが、生産の立ち上げは問題ないでしょうか」と、質問された際だ。
ジェンスン・フアンCEOは、過熱問題に直接回答していないが、今四半期(11-1月期)の総出荷台数は数十億台を上回る予定だとし、遅延懸念を間接的に否定した。同時にサプライチェーンに関与している素晴らしいパートナーがいるお陰だと説明した。以下が、ジェンスン・フアンCEOのコメントとなる。
「サプライチェーンに関しては、Blackwellシステムを提供するために7つの異なるチップ、私たちが構築した7つのカスタム・チップがありる。Blackwellシステムは空冷式または水冷式、NVLink 8、NVLink 72、NVLink 8、NVLink 36、NVLink 72、x86またはGraceを採用しており、これらすべてのシステムを世界のデータセンターに統合することは、まさに奇跡だ。そのため、コンポーネントのサプライチェーンを大規模に拡大する必要がある。」
「前四半期のBlackwellの出荷台数はゼロだった。今四半期の総出荷台数は数十億台に上り予定で、その成長には目を見張るものがある。世界中のほとんどの企業が我々のサプライ・チェーンに関与しているようだ。私たちには素晴らしいパートナーがいる。TSMCやコネクター・メーカーアンフェノール、バーティブ、SK Hynix(韓国企業)、マイクロ、アムコー・テクノロジー、そして京元電子、富士康、広達電脳や緯穎科技、Dell、HP、Super Micro、Lenovoなどだ。」(※漢字名表記の企業は台湾企業で、米国市場でADRの上場がない企業)
●エンタープライズAI分野のパートナー
エヌビディアの決算説明会では、”次のAIの波”はエンタープライズAI産業向けAIだと示した。そして、エンタープライズAIはいま、"全速力で前進している”と説明した。その際に、事例としてアクセンチュアを挙げた。
エヌビディアのエンタープライズAI事業においてもう一つ重要なパートナーはデルだ。たとえば、Blackwellの需要について言及する際、販売先企業として下記のコメントがあった。
「Blackwellの需要は非常に強い。我々の実行は順調に推移している。また、世界中で多くのエンジニアリングを行っている。DellやCoreWeave(未上場企業)のシステムが立ち上がっているし、オラクルのシステムも立ち上がっている。マイクロソフトも、Grace Blackwellのシステムをプレビューしようとしている。グーグルのシステムもある。このように、すべてのクラウドサービス・プロバイダーが一番乗りを目指して競争している。」
上記のうち、 $オラクル (ORCL.US)$ $マイクロソフト (MSFT.US)$ 、グーグルはクラウドサービス・プロバイダーとして自社サービスを展開するために、エヌビディアからAI半導体を直接購入している企業たちとなる。これらの企業以外では、法人向けIT大手のデルが挙げられている。デルは、世界のエンタープライズ企業のAI導入加速を支援するNVIDIAベースのAIファクトリーソリューションの提供において、エヌビディアと今年に3月に提携を強化した。つまり、デルはクラウドサービス・プロバイダー以外の企業とエヌビディアを繋ぐ役割を担う。
★エヌビディアの”黒子”5選
エヌビディアの素晴らしいパートナーから業績見通しを加味して、エヌビディアの”黒子”をピックアップした。具体的には、エヌビディアの筆頭仕入先のTSMC(TSM)、コネクター・メーカーのアンフェノール(APH)、電源装置メーカーのバーティブ・ホールディングス(VRT)、およびデル(DELL)アクセンチュア(ACN)だ。
デルアクセンチュアはハードウェア企業でなく、エヌビディアが注力しているエンタープライズAI事業において主要パートナーとなっている。影からエヌビディアのAI半導体システムの導入拡大を支える重要な企業として、”黒子”と言えよう。
なお、”黒子”の範囲をさらに広げると、光ファイバー大手の $コヒレント (COHR.US)$ なども対象になるかもしれない。コヒレントは日本の「電線御三家」 $古河電気工業 (5801.JP)$ $住友電気工業 (5802.JP)$ $フジクラ (5803.JP)$ )の競合として世界大手だ。AIデータセンターの恩恵で好業績を出しているが、今回は紙面上の都合で割愛する。
$台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング (TSM.US)$
ファウンドリー世界最大手。AI半導体の受託生産においてシェア1位。Bloombergのサプライヤーチェーン機能のデータによると、TSMCはエヌビディアの筆頭仕入先としてコストの約36%を占める。エヌビディアが工場を持たないファブレスであるうえ、TSMCはファウンドリー業界において技術力が最も高く、大規模な生産能力も備えているからだ。
7-9月期業績はAI需要を背景に、過去最高益となった。経営陣は決算説明会で「需要は本物だ。まだ始まったばかりだと信じている」と述べた。好調な需要を背景に、2024年売上高見通しを上昇修正した。
関連記事:【決算まとめ】台湾TSMC、決算で全面勝利!純利益54%増 半導体業界に「逆転の一手」
月次ベースで発表される10月の売上高は前年同月比29.2%増で、2月以来の伸びとなった。AI需要の鈍化を示すのかと懸念する声も上がっているが、エヌビディアのAI半導体に対する需要の強さとBlackwellの本格的な立ち上がりが2025年になることを踏まえると、単月の小幅な伸び鈍化を過度に懸念すべきでないかもしれない。
トランプ大統領の再選に伴う地政学リスクは、TSMCの株価を抑える要因になるかもしれない。トランプ大統領の当選が確実になった後の約一週間、株価はおよそ7%下落した。ただし、11月中旬以降は持ち直している。一部アナリストはトランプ新大統領がTSMCに直接、大きな影響を与えるとは予想しておらず、前トランプ政権時の経験からするとテック分野に対する大幅な関税引き上げの可能性も高くないと指摘した。
エヌビディアの”黒子”5選!25年のBlackwell大量出荷の波に乗る コネクター・電源装置など
$アンフェノール クラスA (APH.US)$
コネクター・メーカー。電気コネクターや光ファイバー・コネクター、相互接続システム、同軸ケーブルなどを設計・製造・販売する。エヌビディアのサプライヤーであるが、最終顧客市場へのエクスポージャーは多様化が進んでおり、バランスが取れている。たとえば、ITテレコム、産業、自動車、防衛などだ。主力事業の一つであるITテレコムについて、経営陣は10月末の決算説明会で「AI関連はあらゆる面で非常に好調」だと述べた。
7-9月業績は売上高が40.4億ドル(過去最高)、調整後EPSは0.5ドルで、それぞれ市場予想の38.1億ドル、0.45ドルを上回った。経営陣は、「ITデータ通信やモバイルネットワーク、モバイルデバイス、商用航空および防衛市場における力強いオーガニック成長(15%増)と買収などが好業績に貢献した」という。受注残高も過去最高の40億ドルに達し、前年同期比で39%増加した。ITデータ通信市場の好調さが受注拡大の主な要因となった。10-12月期ガイダンスは売上高が39.5億~40.5億ドル、調整後EPSは0.48~0.50ドルで、それぞれ市場予想の39.4億ドル、0.48ドルを上振れした。
調整後EPSの推移、LMTは過去12カ月、出所:会社資料
調整後EPSの推移、LMTは過去12カ月、出所:会社資料
エヌビディアの”黒子”5選!25年のBlackwell大量出荷の波に乗る コネクター・電源装置など
$ヴァーティブ・ホールディングス (VRT.US)$
電源措置メーカー。電力制御やデータセンター冷却ソリューション、電源装置などを提供する。冷却装置に強みを持つ。11月19日に、同社は2つの新しいVertiv CoolChip CDU (冷却剤分配ユニット) システムの導入により、液体冷却製品ポートフォリオを大幅に拡張すると発表した。「これらのシステムにより、データセンターでのモジュール式でコスト効率の高い液体冷却の導入が可能になり、従来の空冷ラックと並行してAI用の高密度コンピューティングを運用できるようになる」という。
会社側はデータセンターやハイパースケール、コロケーションの市場が加速していることにより、2024年の部門別売上構成比はデータセンターが8割に達する見通しだという。次いでコミュニケーション・ネットワークと商業・産業向けがそれぞれ10%になる見通しだ。
製品別ポートフォリオと市場別比率、出所:会社資料
製品別ポートフォリオと市場別比率、出所:会社資料
今後5年間(2025年~2029年)の売上高見通しとして、会社側は年12~14%の成長率で拡大すると見込んでいる。データセンター市場におけるリーダーシップなどにより、市場平均を上回る成長率を達成できるという。11月19日の投資家デーで経営陣は、2024年は好調で、2025年は成長が加速するだろうとした。売上高の拡大とともに利益率も改善する見通し(2023年の15.3%から2029年は25%に向上する見通し)となっている。
今後5年の売上高と営業利益率見通し、出所:会社資料
今後5年の売上高と営業利益率見通し、出所:会社資料
エヌビディアの”黒子”5選!25年のBlackwell大量出荷の波に乗る コネクター・電源装置など
$デル・テクノロジーズ (DELL.US)$
法人向けIT大手として、エヌビディアのエンタープライズAI事業において提携関係になる。今後数年間は、ハイパースケーラー以外のエンタープライズ分野におけるAI導入の恩恵も期待できると予想される。
デルとエヌビディアは今年5月に、パートナーシップを強化し、「「Dell AI Factory with NVIDIA」の拡張を発表した。発表資料でエヌビディアののジェンスン・フアンCEOは次のように語った。「生成AIには、新しいタイプのコンピューティング・インフラストラクチャー、すなわちインテリジェンスを生み出すAIファクトリーが必要です。当社はデル・テクノロジーズとともに、コンピューティング、ネットワーク、ソフトウェアのすべてを含むフルスタックの製品を世界中の幅広い業界のお客様にお届けしており、これによってCopilot、コーディング・アシスタント、バーチャル・カスタマーサービス・エージェント、またデジタル・エンタープライズの産業デジタルツインを推進しています。」
5-7月期業績は売上高が前年同期比9%増の250億ドルとなり、市場予想を上回った。AI向けに最適化されたサーバーの受注額は32億ドルとなり、前四半期の26億ドルから増加した。8-10月期売上高ガイダンスは約245億ドルで市場予想と一致した。11月26日に8-10月期決算発表を行う予定(暫定)。
AIサーバー分野では $スーパー・マイクロ・コンピューター (SMCI.US)$ の最も強力なライバルとなっている。エヌビディアの販売先(Bloombergのサプライチェーン機能)として、サーバー大手のうちデルはスーパー・マイクロに次いでエヌビディアに占める売上高構成比が高い。スーパー・マイクロの一連の問題が明らかになる前に、デルはすでにエヌビディアと良好な提携関係を築いている。スーパーマイクロの問題はデルにとって”棚ぼた”になる可能性があるかもしれない。
エヌビディアの”黒子”5選!25年のBlackwell大量出荷の波に乗る コネクター・電源装置など
$アクセンチュア クラスA (ACN.US)$
コンサルティングサービス大手。経営・技術に関す るコンサルティングサービスおよびソリューションを提供。10月2日に、エヌビディアとの提携を拡大する発表。エヌビディアは提携について企業内のAI普及を推進し、自社の製品受注を増やす取り組みの一環だと説明した。アクセンチュアはエヌビディア事業グループを創設し、顧客の生成AIツール活用を後押しする。
エヌビディアの資料によると、「アクセンチュアやデロイトのようなコンサルティング・リーダーは、NVIDIA AIを世界の企業に提供していいる。アクセンチュアは、NVIDIA AI技術のトレーニングを受けた3万人のプロフェッショナルを擁する新しいビジネスグループを立ち上げ、このグローバルな構築を促進している」。
同時にアクセンチュア自身、「NVIDIAを搭載したAgentic AIアプリケーションを社内で活用しており、その中にはマーケティング・キャンペーンにおける手作業を25%から35%削減した事例も含まれている」という。
6-8月期業績は売上高と調整後EPS(1株当たり利益)がともに市場予想を上回った。受注額は201億ドルで前年同期比で21%増加し、市場予想の186億ドルを上回った。9-11月期の売上高見通しも中央値で市場予想を上振れした。12月19日に決算を発表する予定(暫定)。
エヌビディアの”黒子”5選!25年のBlackwell大量出荷の波に乗る コネクター・電源装置など
24年11月22日作成 マーケットアナリスト Julie
出所:会社資料およびBlommbergよりmoomoo証券作成
免責事項:このコンテンツは、Moomoo Technologies Incが情報交換及び教育目的でのみ提供するものです。 さらに詳しい情報
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