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「量子コンピュータ」米国株3選!テンバガーの有力候補?業績上振れやアマゾン支援で勢いづく

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ビットバレー投資家 コラムを発表しました · 2024/11/29 17:34
テンバガー狙いの人気投資テーマとして、「量子コンピュータ」が再び脚光を集めている。
量子コンピュータ関連銘柄過去1カ月間で急騰し、その上昇率はAIやビットコイン関連銘柄をはるかを上回る。中には株価が2.6倍になった銘柄もいる。
主な上昇要因として、以下2つが挙げられる。
1)量子コンピュータ関連銘柄の業績が市場予想を上振れした。黒字化はまだまだ先になる見通しだが、商用化の進展や業績の改善がみられている。
2)アマゾン・ドット・コム傘下のAWSが顧客の量子コンピューティング準備を支援する「Quantum Embark Program」の開始を発表した。これにより、企業や組織は量子コンピューティングの導入に向けた準備が容易になり、業界の発展を促す可能性がある。
上記2つの出来事は、いずれも量子コンピュータ関連銘柄の先行き見通しを明るくしている。世界の量子コンピューティング市場規模は今後約10年間で10倍に膨らむと予測されており、業界ではテンバガーを実現する銘柄も出てくるかもしれない。今回は、量子コンピュータをめぐる最新動向を確認したうえ、商用の進展と業績改善がみられている注目の米国株3銘柄をピックアップした。
量子コンピュータETF「QTUM」の構成銘柄と株価騰落率
量子コンピュータETFとその構成銘柄
量子コンピューティングや機械学習技術の開発に関連する製品やサービスを提供する企業で構成されているETFがある。Defiance Quantum ETFの「QTUMだ。QTUMは現在取り扱い銘柄でないが、その構成銘柄からは量子コンピュータ関連企業の情報が得られる。
Defiance Quantum ETFの構成銘柄は11月27日時点で約70銘柄となっており、構成比率TOP10銘柄は代表的な量子コンピュータ関連銘柄が並ぶが、全体としては分散が目立つ。たとえば、構成比率上位10銘柄の首位が量子コンピューティングのリーダーである $イオンQ・インク (IONQ.US)$ (構成比率5.15%、2位は量子コンピュータシステム・ソフトウェア・サービスを提供する $D ウェーブ クオンタム (QBTS.US)$ 3.87%)、4位は超伝導量子ビット技術を活用した統合量子コンピューティング・システムを提供する $リジッティ・コンピューティング・インク (RGTI.US)$ 3.20%)、6位は業界初の汎用量子コンピュータのクラウドサービス「IBM Q」を発表した $アイビーエム (IBM.US)$ 1.81%)と並ぶ。海外企業では日本の $NTTデータグループ (9613.JP)$ が8位(1.69%)、インドのIT大手 $ウィプロ (WIT.US)$ が9位(1.70%)に入っている。AI半導体大手の $エヌビディア (NVDA.US)$ 1.46%)も構成銘柄である。(構成比率は11月27日時点、Bloomberg より)
量子コンピュータETF構成銘柄の株価騰落率
Defiance Quantum ETF構成銘柄で過去1カ月間の株価上昇率が10%を超えた銘柄は、下記の通りだ。
「量子コンピュータ」米国株3選!テンバガーの有力候補?業績上振れやアマゾン支援で勢いづく
上昇率TOP3銘柄は、直接、量子コンピュータ事業を展開する企業が並んだ。具体的にはD-Wave163.5%上昇Rigetti96.7%上昇IonQ89.9%上昇した。その間、エヌビディア4%下落し、ビットコインを追加購入した $マイクロストラテジー クラスA (MSTR.US)$ (ETF構成比率では3位)は66%上昇した。上記からすると、足元では量子コンピュータ関連銘柄がAIやビットコイン関連銘柄より熱気に包まれていることが伺える。
主な上昇要因は冒頭で触れたように、業績の上振れ業界に対するアマゾン・ドット・コムの支援だ。業績については、個別銘柄の部分で詳しく確認する。その前に業界動向を把握するために、「量子コンピュータ」業界の簡単な概要とアマゾン・ドット・コムの支援プログラムについて簡単に触れておきたい。
「量子コンピュータ」業界、簡単な概要
量子コンピューティングは「最も強力な従来のコンピュータでも解決できない問題を解決することによって、業界を根本的に変える可能性がある。」(AWS)。「量子時代の幕開けが到来した。」(IonQ)「量子コンピューティングは研究室から企業へと移行した。」(D-Wave)
世界の量子コンピューティング市場規模は2023年は9億ドル弱と推測され、2024年の11.6億ドルから2032年までに126.2億ドルに成長すると予測されている(Fortune Business Insights、2024年11月)。つまり、市場規模は今後約10年間で10倍以上に膨らむ見通しだ。
量子状態の実現方式のについては、「『超伝導方式』が最も主流で研究開発が進んでいるが、近年、『イオントラップ方式』が進展。 どの方式も一長一短。現時点で、どれが本命か判断は難しい。」(日本総研の「量子コンピュータの動向と展望」、2024年10月)
AWSの「Quantum Embark Program」
$アマゾン・ドットコム (AMZN.US)$ 傘下のAWSは11月22日に、顧客の量子コンピューティング準備を支援する「Quantum Embark Program」(量子エンバークプログラム)の開始を発表した。
Quantum Embark Programは顧客が量子コンピューティングに乗り出す際に、専門家主導のアプローチを提供することで、量子コンピューティングの準備を支援することを目的としている。 Embarkでは長期契約はなく、顧客はわずか数週間で開始できる。Quantum Embark Programはユースケースの発見技術支援ディープダイブで構成されている。」(AWSの発表資料)
AWSの発表を受け、量子コンピュータ関連銘柄は急騰した。Quantum Embark Programにより、企業や組織はを量子コンピューティングの導入に向けての準備が容易になるためだ。結果的に、量子コンピューティングの導入検討や商用利用を促す可能性がある。
なお、 $アルファベット クラスA (GOOGL.US)$ 傘下のGoogleは11月18日に、 $エヌビディア (NVDA.US)$ と量子コンピューティング技術の実現に向け提携すると発表した。ITやテック大手が技術と力を合わせて量子コンピュータ実用化の課題解決に乗り出していることは、業界にとってポジティブと言えよう。
「量子コンピュータ」米国株3選 
$イオンQ・インク (IONQ.US)$
◇量子コンピューティング業界のリーダートラップイオン方式の量子コンピュータを開発しており、研究機関から商業、産業、学術アプリケーションに導入している。マイクロソフトのAzureやアマゾン・ドット・コムのAWS、アルファベットのGoogleなどすべての主要クラウドで利用可能な唯一の量子ハードウェアとなっている。
業界をリードする商用製品ポートフォリオを持つ。技術面では、これまで常に技術ロードマップの計画より早く実現してきた実績を持つ。35個のアルゴリズム量子ビットを誇る最先端システム「#AQ35」に至っては当初計画より1年早く達成した。
IonQの技術ロードマップ、会社資料
IonQの技術ロードマップ、会社資料
7-9月期業績売上高1240万ドルで前年同期比で102%増加し、市場予想の1056万ドルを上回った。1株当たり純損失0.24ドルで、市場予想の0.22ドルおよび前年同期の0.22ドルより損失がやや拡大した。新規受注は6350万ドルに達した。会社側は2024年度通期売上高予想について、従来の3800万~4200万ドルから3850万~4250万ドルへ上方修正した。
ビジネスハイライト:7-9月期は米空軍研究所と5,450万ドルの契約を獲得し、アストラゼネカとは共同で新たな量子アプリケーション開発センターを設立した。11月に量子ネットワーク企業Qubitekkを買収した。IonQは買収により、短期的な受注と収益機会が増加すると考えていると発表した。
決算発表後、5人のアナリスト目標株価を引き上げた。同社株をカバーしているアナリスト数は6人。投資判断「買い」は3人、「ホールド」が3人となっている。平均目標株価は18.58ドル。(11月29日時点、Bloomberg集計)
「量子コンピュータ」米国株3選!テンバガーの有力候補?業績上振れやアマゾン支援で勢いづく
$D ウェーブ クオンタム (QBTS.US)$
◇量子コンピューティングシステム、ソフトウェア、サービスのリーダー。量子システムやクラウドサービス、アプリケーション開発ツール、およびエンドツーエンドの量子ジャーニーをサポートする専門サービスを提供する。顧客はMastercardやDeloitte、Davidson Technologiesなど、政府や研究機関、企業法人が含まれている。政府や研究機関からの売上高は過去12カ月で大幅に増加している。
D-Waveの政府機関と研究機関の売上高(過去12カ月)、会社資料
D-Waveの政府機関と研究機関の売上高(過去12カ月)、会社資料
7-9月期業績売上高190万ドルで、前年同期比で27%減となり、市場予想の258万ドルを下回った。プロフェッショナルサービスの売上高が新しい契約の締結タイミングによる影響で8割減少した。一株当たり純損失0.11ドルで前年同期の0.12ドルより損失額がやや縮小した。会社側は10-12月期売上高と受注額がともに7-9月期を上回る見通しで、2024年度の調整後EBITDA損失は2023年度の5,430万ドル損失を下回る(損失縮小)見通しだという。(EBITDAは利払い前・税引き前・減価償却前利益)
ビジネスハイライト:8月にNTTドコモがモバイルネットワークのパフォーマンスを最適化するために、D-Waveテクノロジーで構築されたハイブリッド量子アプリケーションの量産展開を計画していると発表。10月にD-Waveは新興技術の調達と採用を加速するために設計された米国国防総省のTradewinds購入プラットフォームで「受注可能」とみなされた。
決算発表後、5人のアナリスト目標株価を引き上げた。同社株をカバーしているアナリスト数は7人。投資判断は7人とも「買い」となっている。平均目標株価は2.96ドル。(11月29日時点、Bloomberg集計)
「量子コンピュータ」米国株3選!テンバガーの有力候補?業績上振れやアマゾン支援で勢いづく
$リジッティ・コンピューティング・インク (RGTI.US)$
◇超伝導量子ビット技術を活用した統合量子コンピューティング・システムを提供する。シミュレーション、最適化、機械学習アプリケーションに重点を置いたカスタムソフトウェアとフルスタックソリューションを金融や製薬、防衛、エネルギーの顧客に提供している。米国の空軍研究所やフェルミ研究所のSQMSセンター、英国国立量子コンピューティングセンターで採用されている。
7-9月期売上高240万ドルで前年同期比で29%減少し、市場予想の333万ドルを下回った。ただ、1株当たり純損失0.08ドルで市場予想の0.09ドル、前年同期の0.17ドルより損失が縮小した。決算説明会で経営陣は技術開発と顧客エンゲージメントが大幅に前進したと示した。
会社側は米国政府のNQI「ナショナル・クォンタム・イニシアチブ」予算からの恩恵を期待している。「私たちの活動に対し主な資金提供者として米国政府に注目している」とし、積極的にロビー活動を実施していると明かした。2018年に署名されたNQI法の原案が失効しているため、「NQI再承認が署名されるまでの第3四半期と次の四半期を含む短期的な財務に影響を及ぼしている」とした。ただし、「NQI再承認の署名には超党派の支持があり、新政権が誕生すればすぐに署名されると確信している」と述べ、「国防高等研究計画局(DARPA)のプロジェクトはかなり大規模なもので、7年間で3億ドル近くになるが、私たちはその一部を獲得しようとしている」と明かした。
決算発表後、1人のアナリスト目標株価を引き上げた。同社株をカバーしているアナリスト数は5人。投資判断は5人とも「買い」となっている。平均目標株価は3.00ドル。(11月29日時点、Bloomberg集計)
「量子コンピュータ」米国株3選!テンバガーの有力候補?業績上振れやアマゾン支援で勢いづく
リスク(一部)
量子コンピュータ市場は中長期的に規模拡大が期待されているが、短期的には様々要因で進展が遅れる可能性がある。
量子コンピュータ業界はまだ発展の初期にあり、業界をリードしている企業でも売上高規模は小さく、黒字化のメドも先になっており、キャッシュフローはマイナス状態にある。
量子コンピュータ関連銘柄をカバーしているアナリストは10人未満と少なく、数十人に上るアナリストがカバーしている大型株より業績予想や見通しの信頼性が低い可能性がある。
一部銘柄は株価が1ドルを下回った時期もあり、もし今後一定期間にわたり1ドル割れが続いた場合、上場廃止になる恐れがある。
24年11月29日作成 マーケットアナリスト Julie
出所:会社資料、Bloombergおよび各種資料よりmoomoo証券作成
「量子コンピュータ」米国株3選!テンバガーの有力候補?業績上振れやアマゾン支援で勢いづく
免責事項:このコンテンツは、Moomoo Technologies Incが情報交換及び教育目的でのみ提供するものです。 さらに詳しい情報
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