サウジアラビア、10月のアジア向け原油価格を引き下げの見通し

中国およびアジア地域における精製マージンの悪化とドバイの指標価格の下落により、世界最大の原油輸出国であるサウジアラビアが10月にアジア向け原油の価格を引き下げる可能性があることが、ロイター通信が石油精製業界関係者を対象に行った調査で明らかになった。

石油精製関係者5社を対象とした調査によると、世界トップの原油輸出国であるサウジアラムコは、10月にアジア向け原油の全品種の公式販売価格（OSP）を引き下げると予想されている。ロイターの情報筋のうち3社は、サウジの主力原油種であるアラブライトの価格を、9月の価格からバレルあたり0.50～0.70ドル引き下げると予想している。0.70ドルの引き下げは、アラブライトのコストをオマーン/ドバイ平均よりバレル当たり2.00ドル高くする。

オマーン/ドバイ平均は、アジア向け中東産原油の輸出価格の基準である。

ロイターの世論調査によると、アラブ・ライト価格と重質油種価格の下落は、8月のドバイ価格の下落に追随する可能性があるという。

しかし、他の製油所では、8 月最終週のドバイ原油価格が堅調であったことから、10 月 のアジア向けサウジ原油価格は横ばいか、ほとんど変動がないと予想した。

サウジアラビアは通常、毎月 5 日頃に翌月の OSP を発表し、価格についてコメントすることはない。

ロイターの調査によると、ドバイ・ベンチマークの動向とは別に、サウジの来月のOSPはアジア、特に中国の精製マージンの低迷に影響される可能性があるという。

一般的に、石油精製業者はアジア向けのサウジ原油価格にわずかな変動を見込んでいるが、いずれも9月の価格と比較すると低くなると予想されている。

サウジアラムコは先月、アジア向け軽質原油の価格を3ヵ月ぶりに引き上げた。

OPEC+が同月から減産を一部緩和する可能性を示唆していることを考慮すると、10月のサウジアラビアと中東からの世界供給は十分な量になる可能性がある。