最高益に沸くトヨタとホンダの23年度決算、テスラとBYDに業績で勝って株価で負けてる!?株主還元の充実で追撃態勢整う
国内自動車メーカーのビッグ3の2023年度(24年3月期)決算が出揃った。円安やハイブリッド車の再評価という追い風もあって、各社とも好決算となった。特に $トヨタ自動車 (7203.JP)$と $本田技研工業 (7267.JP)$は過去最高益を更新しており、トヨタの営業利益は国内企業で初の5兆円に達した。
23年度の国内ビッグ3は、台頭する米 $テスラ (TSLA.US)$や中国 $BYD (01211.HK)$といった新興勢力に対して業績面では互角以上に渡り合ったといえる。その一方で、PBRなど投資家の評価では新興2社に大きく水をあけられており、株価の割安感が際立っている。各社とも増配や自社株買いなどで株主還元の充実を図っており、投資家の評価の面でも2社への追撃を図っている。国内3社の24年度の業績予想からは、投資を検討する際に注目すべき観点も見えてくる。
23年度の国内ビッグ3は、台頭する米 $テスラ (TSLA.US)$や中国 $BYD (01211.HK)$といった新興勢力に対して業績面では互角以上に渡り合ったといえる。その一方で、PBRなど投資家の評価では新興2社に大きく水をあけられており、株価の割安感が際立っている。各社とも増配や自社株買いなどで株主還元の充実を図っており、投資家の評価の面でも2社への追撃を図っている。国内3社の24年度の業績予想からは、投資を検討する際に注目すべき観点も見えてくる。
23年度は好調な販売台数と決算
国内ビッグ3のいずれも北米を中心に販売台数を伸ばし、売上高は前年度を2割程度上回ったが、それ以上に伸びているのが営業利益だ。円安効果も後押しし、各社とも前期比で1.5倍以上となった。23年度は“稼ぐ力”そのものといえる営業利益率の改善が顕著にみられ、トヨタはテスラを、ホンダはBYDをそれぞれ逆転した。
国内ビッグ3のいずれも北米を中心に販売台数を伸ばし、売上高は前年度を2割程度上回ったが、それ以上に伸びているのが営業利益だ。円安効果も後押しし、各社とも前期比で1.5倍以上となった。23年度は“稼ぐ力”そのものといえる営業利益率の改善が顕著にみられ、トヨタはテスラを、ホンダはBYDをそれぞれ逆転した。
テスラ、BYDと比べて株価は超割安?
国内ビッグ3がまだ新興2社に追い付いていないのが、投資家からの評価だ。24年に入ってからのトヨタとホンダの株価は好調に上昇しているものの、時価総額でトヨタはテスラに、ホンダはBYDに、まだまだ及ばない状況が続いている。特にPBRでは、ホンダと日産自動車はいまだに1倍割れを解消できていない。
国内ビッグ3がまだ新興2社に追い付いていないのが、投資家からの評価だ。24年に入ってからのトヨタとホンダの株価は好調に上昇しているものの、時価総額でトヨタはテスラに、ホンダはBYDに、まだまだ及ばない状況が続いている。特にPBRでは、ホンダと日産自動車はいまだに1倍割れを解消できていない。
国内3社とも株主還元に注力
国内ビッグ3は、こうした状況に甘んじているわけではない。各社は決算発表に合わせて、それぞれ株主還元に関して積極的な動きをみせている。
トヨタは1株当たりの期末配当を前期から10円増やし、年間では前期比で15円の増額となる75円とした。併せて、1兆円を上限とする自社株買いを実施すると発表。23年度の総還元額の上限は2.1兆円に上る。トヨタは5.2億株、2兆円相当の自社株の消却を行うことも明らかにした。24年度の配当予想は開示していないが、同社は「安定的・継続的に増配を実施」する方針を示しており、仮に24年度も23年度並みの75円だとすると、14日終値時点の配当利回りは2.21%となる。
早期のPBR1倍超達成を目指しているホンダは、決算発表に合わせて企業価値の向上に向けた取り組みも公表した。株主還元では、自社株買いを23年度2500億円、24年度に3000億円行う方針。配当も22年度の1株当たり40円から68円に増配(いずれも23年10月の株式3分割を反映した数値)。24年度は23年度と同じ68円の配当を予定する。
国内ビッグ3は、こうした状況に甘んじているわけではない。各社は決算発表に合わせて、それぞれ株主還元に関して積極的な動きをみせている。
トヨタは1株当たりの期末配当を前期から10円増やし、年間では前期比で15円の増額となる75円とした。併せて、1兆円を上限とする自社株買いを実施すると発表。23年度の総還元額の上限は2.1兆円に上る。トヨタは5.2億株、2兆円相当の自社株の消却を行うことも明らかにした。24年度の配当予想は開示していないが、同社は「安定的・継続的に増配を実施」する方針を示しており、仮に24年度も23年度並みの75円だとすると、14日終値時点の配当利回りは2.21%となる。
早期のPBR1倍超達成を目指しているホンダは、決算発表に合わせて企業価値の向上に向けた取り組みも公表した。株主還元では、自社株買いを23年度2500億円、24年度に3000億円行う方針。配当も22年度の1株当たり40円から68円に増配(いずれも23年10月の株式3分割を反映した数値)。24年度は23年度と同じ68円の配当を予定する。
$日産自動車 (7201.JP)$は年間の1株当たりの配当を22年度の10円から20円へと倍増。24年度には25円以上へと、さらに増配する予定も公表した。自社株買いは23年度に1200億円を投入。24年度は純利益の2.5%を自社株買いに充てるなど、株主総還元率を30%以上とする見込みを明らかにした。
3社3様の24年度業績予想
24年度(25年3月期)の業績予想は、将来の成長に向けて各社がそれぞれの課題に沿って見通しを行っている。
グループ企業で認証不正問題が相次いで発覚したトヨタは、24年度を将来の成長に向けた「足場固め」と位置付け、「必要なお金と時間を使っていく」方針。佐藤恒治社長は決算発表で、「10年先の働き方を今つくるという想いで、個々人のスキルの向上、人材育成にしっかり取り組む」とし、「人への投資」に3800億円を投じて仕事のやり方を変えるという。うち3000億円は仕入れ先や販売店向けに充てる。このため売上高こそ23年度を上回るとみているものの、営業利益と純利益は減収を想定している。
ホンダは営業利益率の向上を重視し、当初目標を1年前倒しして24年度に営業利益率7%達成を目指す。売上高は減収を見込む一方で、営業利益は23年度の過去最高益を上回る想定をしている。
24年度業績で最も強気な予想をしているのが日産だ。世界各地で新型車の投入を行うことで、販売台数、売上高ともに23年度を7%超上回ることを見込み、営業利益も5.5%増を想定する。
なお、想定為替レートはトヨタと日産は1ドル=145円、ホンダは1ドル=140円としている。
24年度(25年3月期)の業績予想は、将来の成長に向けて各社がそれぞれの課題に沿って見通しを行っている。
グループ企業で認証不正問題が相次いで発覚したトヨタは、24年度を将来の成長に向けた「足場固め」と位置付け、「必要なお金と時間を使っていく」方針。佐藤恒治社長は決算発表で、「10年先の働き方を今つくるという想いで、個々人のスキルの向上、人材育成にしっかり取り組む」とし、「人への投資」に3800億円を投じて仕事のやり方を変えるという。うち3000億円は仕入れ先や販売店向けに充てる。このため売上高こそ23年度を上回るとみているものの、営業利益と純利益は減収を想定している。
ホンダは営業利益率の向上を重視し、当初目標を1年前倒しして24年度に営業利益率7%達成を目指す。売上高は減収を見込む一方で、営業利益は23年度の過去最高益を上回る想定をしている。
24年度業績で最も強気な予想をしているのが日産だ。世界各地で新型車の投入を行うことで、販売台数、売上高ともに23年度を7%超上回ることを見込み、営業利益も5.5%増を想定する。
なお、想定為替レートはトヨタと日産は1ドル=145円、ホンダは1ドル=140円としている。
24年度は各社が開発投資を増額
業績予想の方向性は3社で異なるものの、共通しているのが、研究開発や設備投資といった開発投資額を増やしていることだ。
トヨタの24年度の開発投資のうち、設備投資の1.1兆円、研究開発の0.6兆円の計1.7兆円はEVやAIなどの成長領域で、23年度から0.5兆円増額している。
開発投資額を23年度から大幅に増額させるホンダは、23年決算で、R&Dを含まない営業キャッシュフローが前年度から1兆円増加して約3兆円となり、「将来への成長歳を支える基盤が構築できた」としている。
日産の24年度の研究開発費は公表されていないが、23年度は22年度比で16.8%増の6099億円を投じている。
業績予想の方向性は3社で異なるものの、共通しているのが、研究開発や設備投資といった開発投資額を増やしていることだ。
トヨタの24年度の開発投資のうち、設備投資の1.1兆円、研究開発の0.6兆円の計1.7兆円はEVやAIなどの成長領域で、23年度から0.5兆円増額している。
開発投資額を23年度から大幅に増額させるホンダは、23年決算で、R&Dを含まない営業キャッシュフローが前年度から1兆円増加して約3兆円となり、「将来への成長歳を支える基盤が構築できた」としている。
日産の24年度の研究開発費は公表されていないが、23年度は22年度比で16.8%増の6099億円を投じている。
まとめ:日産は短期的な観点で、トヨタは中期的な観点での投資向きか
各社の現在の株価や25年度の業績予想を踏まえると、投資する際の目線としては、最も割安感があり24年度の業績見通しが強気な日産は短期的な観点で、24年度を「足場固め」としているトヨタは中期的な観点で、ホンダはその間の中短期的な観点で見るのが適しているともいえるだろう。
ただし、業績が予想通りに進捗するか、動向を注視していく必要がある。
各社の現在の株価や25年度の業績予想を踏まえると、投資する際の目線としては、最も割安感があり24年度の業績見通しが強気な日産は短期的な観点で、24年度を「足場固め」としているトヨタは中期的な観点で、ホンダはその間の中短期的な観点で見るのが適しているともいえるだろう。
ただし、業績が予想通りに進捗するか、動向を注視していく必要がある。
ーmoomooニュースMark
出所:各社HP、moomoo
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コメント
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182076928鬼平 : 大変的を云ってるコメントですね!
182985505 : トヨタ続落
182984552 : トヨタ今買うべき?
のもぐー : 底値で自社株買いして高値で売るから3400から3600円行ったり来たり。
よろぴこ : 円安でも円高でも下がる。
どうなってることやら。