6月の米国の対欧州石油輸出は2年ぶりの低水準に減少

米国から欧州への原油輸出は6月に減少し、過去2年間で最低を記録した。

これは、ロイター通信が引用したKpler社のレポートによると、先月の1日平均輸出量は145万バレルで、5月の1日平均輸出量を14％下回り、2023年6月と比較すると27％減少したという。

同レポートは、ブレント原油とウェスト・テキサス・インターミディエイト原油の価格差が縮小していることを指摘。WTIは現在1バレルあたり約83ドルで取引されているのに対し、ブレント原油は87ドル近くで取引されている。

さらに、WTIは昨年、ブレント原油ベンチマークの構成銘柄に組み込まれ、全体価格に影響を与え、米国ベンチマークの価格に連動することになった。

米国の原油輸出は先月も減少し、5月の日量421万バレルから394万バレルに減少した。

一方、ロイターは先月、米国からのシェールオイル輸出が急増しているため、米国産ベンチマークがブレント原油の構成銘柄の中で優勢になっていると報じた。S&Pグローバル・プラッツのデータによると、WTIミッドランドが日付入りブレント原油の価格を決めている割合は50％を超えている。

グローバル・ベンチマークの価格決定力学の変化は、2023年末に1日平均294万バレルに達した米国の記録的な原油輸出を背景に生じた。その半分の171万バレルは欧州向けであった。

最近の減少の主な原因は運賃である。WTIが日付入りブレント原油の価格決定プロセスにおいて支配的な役割を果たしており、両ベンチマーク間のギャップが縮小していることから、買い手はどこかでコストを節約しようと考える。