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バイデン米大統領、太陽光発電製品への関税割当枠を12.5GWに拡大する大統領布告を発表

米国のジョー・バイデン大統領は8月12日、一部の太陽光発電製品に対する関税割当(TRQ)枠を現行の5ギガワット(GW)から12.5GWに拡大する大統領布告を発表した。
セーフガードは、ある製品の輸入が急増して輸入国の産業に損害を与えている場合に、当該輸入国政府が発動する関税引き上げ・輸入数量制限措置で、WTOのセーフガード協定で認められている。トランプ前政権は2018年2月に、一部の太陽光発電製品の輸入急増が国内産業に損害を与えているとして、1974年通商法201条に基づき、一部の太陽光発電製品に対してセーフガード措置を発動した。その後、バイデン大統領は2022年2月に当該措置を4年間延長するとともに、TRQで関税を課さない太陽光発電セルの輸入量を2.5GWから5GWまで倍増すると決定していた。
今回の大統領布告によると、2023年9月に産業界から、米国内での生産量不足などを理由に、TRQを撤廃して太陽電池セルの輸入を無関税とすること、またはTRQの枠を年間5GWから20GWに拡大することなどを求める請願書が出されていた。これに加え、米国際貿易委員会(ITC)による報告書も勘案し、バイデン大統領はTRQの枠の12.5GWまで拡大を決定した。大統領は1974年通商法第203条と204条に基づいて、米国内の産業界が輸入競争に対して積極的な調整を行ったと判断した場合、主要な国内産業界の過半数からのセーフガード措置の変更を求める嘆願書の提出により、措置を縮小、変更、終了することができる。バイデン大統領は、米国内での太陽電池セルの生産計画の発表や財務、貿易、雇用に関する複数の指標の改善などから、産業界が積極的な調整を行ったと判断した。拡大の幅は産業界からの要請には満たないが、5月に発表していた7.5GWよりは拡大した。
対象となる品目は、太陽電池セル〔米国関税分類番号(HTSコード)8541.42.0010〕やモジュール(8541.43.0010)など。米国東部時間8月1日午前0時1分以降に輸入された品目に対して有効となり、12.5GWを超えない限りセーフガード措置による関税の対象にはならない。
バイデン大統領は気候変動対策を主要な政策目標として掲げ、インフレ削減法(IRA)による税額控除などにより、再生可能エネルギーの導入を積極的に後押ししている。5~6月には、IRA成立から2年が経って米国内での生産量が拡大したといった理由から、両面太陽光パネルに対するセーフガード措置の適用除外の終了や、カンボジア、マレーシア、タイ、ベトナムの4カ国からの太陽光発電関連製品の輸入に対して関税を免除する「ソーラーブリッジ」の終了などを発表していた。だが、今回はあらためて太陽光発電関連製品の輸入量拡大を促す措置を決定した。再生可能エネルギーの普及と米国内での生産量拡大との間で揺れるバイデン政権の現状がうかがえる決定といえそうだ。
(注)TRQを超えた場合、関税率は1年目(2022年2月~2023年2月)14.75%、2年目(2023年2月~2024年2月)14.5%、3年目14.25%(2024年2月~2025年2月)、4年目(2025年2月~2026年2月)14%。
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