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エヌビディア売り先行、要因は?反転可能性は?AI半導体Blackwellは好調見通し!【決算まとめ】

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ビットバレー投資家 コラムを発表しました · 08/28 23:44
エヌビディア売り先行、要因は?反転可能性は?AI半導体Blackwellは好調見通し!【決算まとめ】
$エヌビディア (NVDA.US)$が8月28日引け後に決算を発表。その後、株価は時間外取引6.9%下落した。
エヌビディア売り先行、要因は?反転可能性は?AI半導体Blackwellは好調見通し!【決算まとめ】
時間外取引で株価が下落した要因
以下3つの要因が、利益確定売りにつながったとみられる。
1)爆発的な成長期待に届かず
2Q実績は市場予想を上回った。3Q売上高ガイダンスも325億ドル±2%と、市場予想平均の319億ドルを上回ったが、強気予想の379億ドルには届かなかった。
2)Blackwell遅延の影響への評価
AI半導体Hopper(現行製品)とBlackwell(次世代製品)に対する需要はいずれも好調だった。ただ、会社側は歩留まりを向上させるために、Blackwell GPUマスクを変更したとし、遅延を認めた。Blackwellの売上高は4Qに数十億ドルに達する見込みだと示したが、遅延による影響や「数十億ドル」の規模をどう評価すべきか、投資家は戸惑いを感じているようだ。なお、決算発表後、アナリストたちは業績見通しを上方修正した。
3)セクターローテーションとSMCIの年次報告書提出延期の影響
足元の相場環境は必ずしもテック株に有利とは言い難い。年後半に入ってからテック株から出遅れセクターへのローテーションが進んでいる。おりしも、AI半導体株として一時はエヌビディアよりも勢いがあったスーパーマイクロ(SMCI)が8月28日に、24年度年次報告書(フォーム10K)の提出延期を発表。スーパーマイクロ株は28日に2割下落した。空売りレポートが出されているスーパーマイクロのフォーム10Kの提出延期は、センチメント面で半導体株に打撃を与えている。なお、スーパーマイクロはエヌビディアの主要顧客の1社。現時点でエヌビディアへの影響を指摘するアナリストはほぼいないが、不透明感を嫌気した売りもあったとみられる。
上記からすると、利益確定売りはしばらく続くかもしれない。一方、中長期的により重要なのは、エヌビディアのファンダメンタルズやAI半導体をめぐる事業環境と考えられる。以下では、エヌビディアの決算内容からその詳細を確認し、株価バリュエーションも併せてチェックする。
決算ハイライト
◇25.1期2Q(5-7月期)実績:予想上振れ
2Qは世界のデータセンターがアクセラレーテッド・コンピューティングと生成AIでコンピューティング・スタック全体を近代化するためにフルスロットルになっている中、記録的な収益を達成した(会社資料)。
・売上高:300.4億ドル、前年同期比で122%増、1Q比で15%増、市場予想は288.6億ドル 
 データーセンター部門売上高:262.7億ドル、前年同期比で154%増、1Q比で16%増、市場予想は250.8億ドル
・調整後EPS(1株当たり利益):0.68ドル、前年同期比152%増、市場予想は0.65ドル
◇3Q(8-10月期)ガイダンス:予想上振れ
・売上高:325億ドル±2%、市場予想は318.5億ドル
(注:市場予想はすべてBloomberg集計)
エヌビディア売り先行、要因は?反転可能性は?AI半導体Blackwellは好調見通し!【決算まとめ】
◇2Q粗利率は予想上回る、今後も70%半ばを維持する見込み
ジェンスン・フアンCEOが今回の決算説明会で示したように、「NVIDIAのGPUは、データを処理して高速化する地球上で唯一のアクセラレーターだ」。AI半導体市場における独占的シェアを有しているため、エヌビディアは新製品を投入しながらも高い利益率と売上拡大を維持している。
一部では粗利益率ピークアウトとの指摘も出ているが、2Qの粗利益率が1Qよりやや低下するのは予想の範囲内だった。何よりエヌビディアは新製品を投入(通常コスト増につながる)しながらも市場予想を上回る利益率を出しており、今後も70%半ばの粗利益率を維持する見通しだ。
エヌビディア売り先行、要因は?反転可能性は?AI半導体Blackwellは好調見通し!【決算まとめ】
HopperとBlackwellの需要と供給の動向
エヌビディアの業績にとって重要なのは、現行製品のHopperと次世代製品のBlackwellに関する需要と供給の動向だ。今回の決算説明会では、いずれの製品の需要・供給も堅調だと示された。決算説明会でのフアンCEOの主なコメントは、下記の通り。
Hopperの出荷は25.1期下期に拡大する見込み。人々は1兆ドル相当の既存のインフラストラクチャを、最先端のHopperの最新インフラストラクチャに移行しようと必死になっているのだと思う。
Hopperの需要は依然として堅調で、Blackwellへの期待は信じられないほど高い。顧客はBlackwellの採用に向けて準備を進めながら、Hopperアーキテクチャの購入を加速し続けている。
2QにBlackwellのサンプルをパートナーや顧客に出荷。生産歩留まりを向上させるために(遅延の理由)、Blackwell GPUマスクを変更した。4QはBlackwellの増産が始まる見通しで、生産拡大は来年度(26.1期まで)まで続く予定。
4QはBlackwellの売上高が数十億ドルに達する見込み。
Blackwellの需要は供給をはるかに上回っており、この動向は来年も続くとみている。
エヌビディア売り先行、要因は?反転可能性は?AI半導体Blackwellは好調見通し!【決算まとめ】
その他のフアンCEOのコメント
世界中のデータセンターは、アクセラレーテッド・コンピューティングと生成AIによってコンピューティング・スタック全体を最新化するために全力で取り組んでいる。Hopperの需要は依然として高く、Blackwellへの期待は信じられないほど高まっている。
私たちは、1兆ドル相当のデータセンターを汎用コンピューティングから高速コンピューティングへと近代化する旅の始まりにいる。BlackwellはAIインフラストラクチャ・プラットフォームであり、単なるGPUではない。パートナーや顧客にBlackwellサンプルシステムの詳細を公開するにつれ、Blackwellのリードが明らかになるだろう。
そして今、エンタープライズAIの波が始まっている。私たちは企業のビジネス変革を支援する準備ができている。 NVIDIA AI EnterpriseプラットフォームはNemo、NIMS、NIMエージェント・ブループリント、AI Foundryで構成されており、当社のエコシステムパートナーである世界トップクラスのIT企業が顧客企業のAIモデルのカスタマイズや特注のAIアプリケーションの構築に役立てている。
CUDA互換GPUのインストールベースが数百万から数千万に増えるにつれて、NVIDIAのソフトウェアのTAMは重要になる。NVIDIAのソフトウェアは年間売上高20億ドルのランレートとなる予定だ。
今後の業績見通し
決算発表後、アナリストたちはエヌビディアの今後の数四半期の業績見通しを上方修正した。AI半導体HopperとBlackwellに対する需要が従来の予想より強いことを反映させたものとみられる。ただ、目標株価の引き上げは限定的だった。決算発表の前日までにすでに多くのアナリストが目標株価を引き上げていた。
エヌビディア売り先行、要因は?反転可能性は?AI半導体Blackwellは好調見通し!【決算まとめ】
主要顧客の決算内容も確認
●主要顧客
エヌビディアは今回の決算説明会で、クラウドサービス・プロバイダーはデータセンター収益の約45%を占め、残りの50%以上は消費者やインターネット、エンタープライズ企業によるものだと明かした。
これはBloombergのサプライチェーンデータとも一致する。それによると、エヌビディアの最大顧客は $マイクロソフト (MSFT.US)$で売上高のおよそ2割を占める。次いで $メタ・プラットフォームズ (META.US)$ が約1割、 $スーパー・マイクロ・コンピューター (SMCI.US)$ が約9%、 $アルファベット クラスA (GOOGL.US)$ が約7%、 $アマゾン・ドットコム (AMZN.US)$ が6%と続く。
スーパーマイクロを除くビッグテック4社は、自社で大規模データセンターを展開しており、AI向けの設備投資をけん引している。したがって、ビッグテック4社の設備投資計画はエヌビディアの業績見通しにとって重要になる。なお、スーパーマイクロの24年度年次報告書(フォーム10K)の提出延期などの影響については、現時点でそれを指摘するアナリストはほぼいないが、今後の動向については留意する必要があろう。
●ビッグテック4社の決算が示唆するもの
◇AI向けの設備投資
ビッグテック4社とも今回の決算シーズンでは、AI向け投資を拡大すると表明した。エヌビディアにとってプラス材料となる。
たとえば、エヌビディアの最大顧客であるマイクロソフトは、「AIおよびクラウド製品に対する需要の高まりに対応するため、インフラ投資を拡大する予定だ。25年度の設備投資額は24年度を上回る見込みだ」と示した。2位の顧客であるメタ・プラットフォームズは、24年通期の設備投資計画を従来の350億ドル~400億ドルから370億ドル~400億ドルに下限を引き上げた。同時に、「AI研究と製品開発への取り組みを支援するため、25年度には設備投資が大幅に増加すると予想する」とした。
◇AIサービスの収益化
AI関連サービスの収益化について今回の決算シーズンでは2社予想上振れ・2社予想下振れとなり、前回の(3社予想上振れ・1社予想下振れ)よりやや軟調な結果に。エヌビディアにとってマイナス材料との指摘も。収益化が予想を下回れば、ビッグテックが設備投資予算を削減する可能性があるとの懸念からくるものだ。
しかし、ビッグテックにとって重要なのは足元の収益化より、AIサービスに関する顧客の反応や今後の収益化見通しと言えよう。マイクロソフトは「Azure(クラウド)を例に挙げると、当社のシェア拡大は今年、AIの推進により加速した」、「Azure AIの顧客は6万社を超えており、前年比で約60%増加した」とした。メタ・プラットフォームズもAIサービスの導入に手ごたえを示した。
総合に的にみると、ビッグテックにとってのAIレースは中長期的なものであり、競争で勝ち抜くために重要なのは、初期段階においてAI向け投資を惜しまないことだ。今回の決算シーズンで明らかになったことは、ビッグテックのAI向け投資は少なくても来年まで続く見通しだ。
株価バリュエーション
足元の予想PER(株価収益率)は約37.7倍で過去5年平均の40.5倍を下回る。今年度と来年度の調整後EPS成長率(それぞれ127%、40%)からしても割高感はないと言えよう。
エヌビディア売り先行、要因は?反転可能性は?AI半導体Blackwellは好調見通し!【決算まとめ】
24年8月29日作成 マーケットアナリスト Amelia
出所:会社資料およびBloombergよりmoomoo証券作成
免責事項:このコンテンツは、Moomoo Technologies Incが情報交換及び教育目的でのみ提供するものです。 さらに詳しい情報
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