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5月FOMCが「最後の利上げ」となるのか?バンカメの決算を元に米利上げを考える

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moomooニュース米国株 コラムを発表しました · 2023/05/02 21:45
SVB(シリコンバレーバンク)の経営破綻(3月10日)をきっかけに、FRB(米連邦準備制度理事会)による金融政策の目標は、従来の雇用やインフレへの対応から、信用縮小と景気後退への対応にとって代わられた。今年2月のFOMC会合までは、景気安定とインフレ鎮静化の両立を、FRBが目指してきた。3月に開かれたFOMC会合では、雇用の代わりに金融システムの安定が、インフレの退治と共に、FRBの新たな目標として位置付けられた。4月18日に発表されたBofA(バンク・オブ・アメリカ)の23年1Q決算データを元に、足元の米銀動向や個人消費態度などから米利上げとの関連性を考えていきたい。
BofAの決算資料によると、同行23年1Qの預金総額は前年同期比200億ドル減の1兆9,100億米ドルだった。部門別では、グローバル・ウェルス&インベストメント・マネジメント(GWIM)は同220億ドル減の3,010億ドル。リテール・バンキングは同40億ドル減の1兆450億ドルなど。GWIMの内訳をみると、 SVBが破綻した3月10日以降、当座預金(Bank deposits)は横這いでの推移に対し、普通預金(スイープ口座)の減少基調が続いた。また、リテール・バンキングの内訳をみると、22年3Q末以降で、当座預金(Checking)と貯蓄口座( Non-checking )は共に預金の減少を見せてきたなか、3月10日以降では、当座預金は22年3Q末時点の水準をほぼ回復したことに対し、貯蓄口座の預金減少傾向が続いていた。 BofAの預金動向から、 SVBの経営破綻に端を発した金融システム不安は米大手行への波及がほぼ見られないことが明らかとなった。大手行の普通預金から高利回りMMFへの資金移動が見られたものの、中小銀行の預金逃避の受け入れ先として、 BofAを始め、米銀大手は結果的に勝ち組として存在感を高めた格好だ。
総預金のほか、部門別週次期末の預金残高推移
5月FOMCが「最後の利上げ」となるのか?バンカメの決算を元に米利上げを考える
5月FOMCが「最後の利上げ」となるのか?バンカメの決算を元に米利上げを考える
5月FOMCが「最後の利上げ」となるのか?バンカメの決算を元に米利上げを考える
5月FOMCが「最後の利上げ」となるのか?バンカメの決算を元に米利上げを考える
同行のクレジットカード消費から個人消費のセンチメントが後退した様子が窺がわれる。23年1Q同行のクレジットカードの取引額や取引回数は、前年同期比で共に6%増だった。22年1Qクレジットの取引額や取引回数はそれぞれ同14%増、同11%増だったことを踏まえて、個人消費の減速感が著しい。23年1Qクレジット消費の内訳をみると、ガスの取引額や取引回数はそれぞれ5%減、1%増となり、エネルギー価格の下落が裏付けられた形だ。また、小売りの取引額や取引回数はそれぞれ0%増、4%増だった。取引回数が増えたにも関わらず、小売り取引総額は横這いで推移したことは物価の下落を意味する。小売りやエネルギーの価格下落から、モノのインフレのピークアウトが改めて確認された形。 また、同行のクレジット取引額を月間ベースでみると、1月は同5.1%増、2月は同2.7%増、3月は同0.1%と逓減傾向も鮮明だ。同行のクレジット消費は2Qに入り、前年同期比減少に転じることはほぼ確実とみられる。
23年1Q区分別クレジットカード消費(金額、取引回数、前年同期比)
5月FOMCが「最後の利上げ」となるのか?バンカメの決算を元に米利上げを考える
3月カード取引の消費不振(同0.1%増)は、米世帯所得の減少によるものとBofAが指摘した。同行が4月12日にまとめたレポートよると、3月(3か月平均) 税引き後賃金・給与の伸びは税還付縮小などによる影響で、前年比2%増にとどまり、ピークだった22年4月の同8%増から減速し、20年6月以来の低水準となったことが明らかとなった。 BofAは、米テック大手や米銀大手による人員削減を背景に 、12.5万ドル以上高所得世帯の賃金は23年3月には前年比0.5%減となり、20年5月以来のマイナス成長に転じたことにも言及したなか、米世帯賃金の頭打ちを受けて、サービスのインフレ(賃金)のピークアウトも目途が立ってきた形だ。
3月の消費不振は、賃金の伸び悩みと減税大幅縮小の向こう風によるもの
5月FOMCが「最後の利上げ」となるのか?バンカメの決算を元に米利上げを考える
3月の雇用統計でも米小売業の落ち込みが目立っていた。4月7日に発表された3月の雇用統計は前月から23万6000人増となったなか、11業種のうち、最も落ち込み幅が大きかった小売業は14,600人減少したほか、4カ月ぶりの減少となった。
主要業種別雇用増加数の内訳(前月差)
5月FOMCが「最後の利上げ」となるのか?バンカメの決算を元に米利上げを考える
BofAによる23年1Qの決算資料を読み解くことにより、 銀行システムの安定化、物価、雇用など、 FRBが抱える課題のいずれも解消へ向かっている様子が見て取られる。2023年末時点の政策金利見通し(ドットチャート)の5.0~5.25%の通りなら、5月の会合にて、FRBによる25bpの利上げ実施を以て、利上げサイクルは終了を迎えることはほぼ確実とみられる。そうしたなか、FRBによる利下げへの政策転換に関しては、FRBによる利上げと利下げの平均間隔である8ヶ月を想定して、市場は、FRBが早ければ7月にも利下げを開始する確率を一段と織り込み、23年末時点の政策金利水準は4.25~4.50%に達するとの見方だ。
FRBやECBの5月会合を控えるなか、主要国物価の高止まりが市場を翻弄している。イギリスの3月CPIは前年同月比10.1%上昇と、約40年ぶりの高い水準が続いている。利上げが打ち止めされたカナダの3月CPIは同4.2%上昇と、同国インフレ目標の2%到達が見えていない。FRBによる利上げのゴールは見えてきたものの、インフレ目標2%への到達は依然として見えていないことから、市場が想定する年内利下げへ転換する可能性は低いとみられる。そうしたなか、ファースト・リパブリック・バンクの経営難が再燃したことを受けて、米金融システム不安が再び台頭。米規制当局や米金融大手による救済の手差し伸べているほか、G7が足並みを揃えて金融危機に対処する構えを見せるなか、よほど悪いニュースが出ない限り、パウエル氏が折に触れ言及してきた物価目標の2%達成が必ず求められよう。FRBメンバーによる23年の金利見通しを踏まえて、年内の米政策金利が少なくともターミナルレートの水準に据え置かれる公算だ。
免責事項:このコンテンツは、Moomoo Technologies Incが情報交換及び教育目的でのみ提供するものです。 さらに詳しい情報
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コメント
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  • 181338057犬心久美子 : 資金力有る大手は勝ち組❓でしょうが、
    日本でも同様の事が言えるけど
    その土地や地域に密着し貢献している
    地銀は必死でしょうね。
    未だ破綻ではないが
    パックウエストバンク、、
    ウエスタンアライアンス、、
    株価が激下げらしいので 懸念されます。
    兎に角、この金融危機不安連鎖を食い止めないと、本当に国を揺さぶる大事に至る気がします。逸脱しますが[undefined]米国政府財務上限が
    このままだと6月に枯渇するとかで、、
    イエレンが前から声を大にして言ってますね。
    米議会がねじれで上院下院で条件出し合って揉めてる場合ではないよ[undefined]
    この財務上限はアメリカ恒例の事で
    半ばプロレス状態。金融不安と財務上限を
    早く解決へ向けて下さい‼️

  • 武太郎 181338057犬心久美子 : 構造的な問題は根本解決しないとね