AI推論はAIチップの長期需要を後押し、NVIDIAのシェアは拡大し続ける＝モルガンS

今週、モルガン・スタンレーとエヌビディアは3日間のノン・ディール・ロードショーを開催し、エヌビディアCEOのジェンセン・フアン氏、CFOのコレット・クレス氏などの経営陣も出席した。

モルガン・スタンレーは、NVIDIAのレーティングを「オーバーウェイト」、目標株価を150ドルと維持した。

ロードショーでは、NVIDIAの経営陣によると、足元はまだAIサイクルの初期段階にある。OpenAI o1モデルの発表を背景に、AIは新たな展開を迎え、より複雑な推論問題の解決に焦点を移し始めた。また同社は、これに伴いより充実したハードウェアの統合がに対する需要が高まり、NVIDIAの次期ラックスケール製品は最適なソリューションになると指摘した。

モルガン・スタンレーは、NVIDIAのフルスタックソリューションは複雑な問題の解決に大きな利点があると指摘した。推論コンピューティングの複雑性と需要は指数関数的増加し、特にタスク目的の推論要件については、NVIDIAにとって新たな成長機会となっている。

また、Blackwell製品の進歩は計画通りに進み、今後12か月間生産予定の製品はすでに完売し、堅調な需要を示した。2025年にNVIDIAが好調な業績を達成すると予想、2026年は長期投資サイクルの初期段階とモルガンSが見ている。

「ディープシンキング」では、推論計算が指数関数的増加
モルガン・スタンレーによると、フアン氏は、OpenAIが直近リリースしたo1モデルについて何度も言及した。o1モデルの出力はレイテンシによって制限されることはなく、質問に回答する前に可能な限り長く「思考」することができる。Open-AIはo1推論のコストの違いを明示していないが、一部のデータソースによると、コストはGPT-4と比較して約10倍になるという。

NVIDIAの成長見通しとしては、BlackwellまたはRubinシステムで訓練された次世代のAIモデルによって達成できる機能は、非常に魅力的かもしれない。推論については、強力な機能を搭載したGPT-6レベルのモデルを低レイテンシで処理するために必要な追加のコンピューティングパワーは、現時点で最先端とされるものよりも桁違いに高い計算能力が必要になるとモルガンSが指摘した。

推論計算の改善には、より複雑なハードウェアが必要となる。NVIDIAのBlackwellシステム、特にラックスケールシステムは革命的な技術と評価される。

NVIDIAのシェアは2025年も成長し続ける
モルガン・スタンレーは、推論コンピューティングのは指数関数的増加し、ハードウェアへの投資需要が大幅に高まり、NVIDIAにとって好材料になると指摘した。

BlackwellはAIにより高性能なプロセッサをもたらすが、最も重要な革新はGB200システムである。このシステムは、Grace CPUとより複雑なNVLinkチップ接続を導入することで、GPUラック内の36または72のGPU各々が同時に他のすべてのGPUと協調動作することを可能にし、すべてのGPUを同じNVLinkドメインに配置し、ラック全体を単一の巨大GPUとして扱う能力を大幅に強化する。

Blackwell製品の進歩は計画通りに進み、今後12か月間生産予定の製品はすでに完売し、堅調な需要を示し、2024年と2025年には、NVIDIAのAIプロセッサの市場シェアはさらに拡大し、出荷量の高い成長は続けると予想される。

モルガン・スタンレーは、NVIDIAのレーティングを「オーバーウェイト」、目標株価を150ドルと維持し、「長期的には依然として楽観視し、足元の短期的な上昇相場によって収益のハードルがいくらか高まるだろう」ともコメントした。