ログアウト
donwloadimg

アプリをダウンロード

ログイン後利用可能
トップに戻る

【決算プレビュー】トヨタ、1Q好決算が今年度の“頼みの綱”?円高転換時&認証不正の逆風に耐える余力作れるか

avatar
moomooニュース日本株 コラムを発表しました · 1 時間前
$トヨタ自動車(7203.JP)$は8月1日に2025年3月期第1四半期(4-6月)決算を発表予定。
●会社による2025年3月期の通期業績見通しは、市場では「保守的な数字」との見方が多い。第1四半期決算は通期見通しを4等分した数値を上回ることが想定される。
●為替想定レートは1ドル=145円だが、期中は1ドル=150円台で推移しており、為替差益も業績を押し上げるとみられる。ただし足元では円高に転換しており、円高が続けば第2四半期以降は為替差益の減少につながる
●23年度までグループ企業による認証不正問題が相次ぎ発覚したのに続き、24年6月にはトヨタ本体でも認証不正が明らかとなった。一部車種の生産停止が続いており、第2四半期以降にも影響することが避けられない。
●認証不正問題に伴う国内生産の減少と円高転換という逆風の中で、第1四半期にどれだけ「貯金」を作っておけたかが、トヨタの24年度の通期業績に大きく影響するとみられる。
●アナリスト17人による評価では、41.18%が強気、23.53%がやや強気、35.29%が中立で、総合評価は「やや強気」となっている。平均の目標株価は3733.33円で、30日終値対比で24.6%上回っている。
【決算プレビュー】トヨタ、1Q好決算が今年度の“頼みの綱”?円高転換時&認証不正の逆風に耐える余力作れるか
ハイブリッド車が牽引、世界一の販売台数へ好発進
第1四半期のグループ販売台数は263万6411台で、前年同期(275万879台)比4.2%減だった。24年度のグループ販売台数の見通しは前年度比1.3%減の1095万台を見込んでおり、単純計算すると24.1%の進捗度となっている。
世界シェアを競っているドイツのフォルクスワーゲンのグループ販売台数は230.73万台で、30万台以上の差をつけており、5年連続販売台数世界一へ好位置を付けている。
▲主要自動車メーカー(グループ)の世界販売台数の推移(出所:各社HP)
▲主要自動車メーカー(グループ)の世界販売台数の推移(出所:各社HP)
販売を牽引しているのは、トヨタの“お家芸”とも言えるハイブリッド車だ。
トヨタ単体の販売台数は249万851台で前年同期(253万8288台)より1.9%減ったが、ハイブリッド車は97万8202台で前年同期(79万8690台)から22.5%の大幅増となった。全販売台数に占めるハイブリッド車の割合は39.3%となり、前年同期の31.5%から8ポイント近く上昇した。
相次ぐ認証不正の影響は出尽くすに至らず
競合と比べた相対的な販売台数は優位に見えるが、グループ全体の販売台数はことし2月以降、6月まで5カ月連続で前年同月を下回っており、決して好調とは言えない状況にある。
販売台数の落ち込みは、国土交通省の認証試験における不正問題に伴う、国内を中心とした供給不足が大きく影響している。23年度までに傘下の日野自動車、ダイハツ工業、豊田自動織機の不正が発覚し、一部車種で生産停止などの措置が取られた。
さらに今年度に入った6月3日には、トヨタ本体でも認証不正が行われていたと発表。国内で生産中の3車種の出荷・生産が停止され、生産停止は8月末まで続く見通しだ。影響は第1四半期以降の業績にも及ぶことになる。
トヨタはグループ内で相次いだ認証不正問題を受けて、24年度を将来の成長に向けた「足場固め」と位置付け、「必要なお金と時間を使っていく」との方針を示している。佐藤恒治社長は23年度の決算発表で、「10年先の働き方を今つくるという想いで、個々人のスキルの向上、人材育成にしっかり取り組む」と語った。24年度は「人への投資」に3800億円を投じて仕事のやり方を変えるとしており、うち3000億円は仕入れ先や販売店向けに充てる方針だ。
このため、24年度の業績見通しは、売上高こそ前年度を2.0%上回る46兆円とするものの、営業利益は前年度比19.7%減の4.3兆円、純利益は27.8%減の3兆5700億円と、大幅な減益を見込んでいる。EPSは264円95銭。
業績だけでなく、トヨタのコーポレートガバナンスに対する海外などの投資家からの厳しい目も、今後の株価に影響する可能性がある。6月18日に開催された株主総会での創業家出身の豊田章男会長の取締役再任への賛成比率は、前年の84.57%を12ポイント以上下回る71.93%に低下し、再任した取締役の中で最も低い比率だった。
円安効果で想定より増益の見通し
通年での為替想定レートは1ドル=145円だが、期中は1ドル=150円台で推移した。同社は1円円安になると営業利益が500億円上振れするとされており、1ドル=155円と計算すると為替差益が四半期の営業利益を1000億円以上押し上げる計算になる。23年度決算期に発表した24年度業績予想は、為替レートも含めて「保守的な数字」とみられており、第1四半期の業績は24年度見通しを4等分した数値よりも高くなることが想定される。
アナリスト平均による第1四半期の業績予想を、トヨタによる24年度通期見通しと比較すると、売上高(11兆5765億円)は通期見通しの25.2%で通期見通しをほぼ4等分した数値だが、営業利益(1兆3230億円)は30.8%、純利益(1兆1867億円)は33.2%に上っており、利益面では会社見通しを上回るとの見方が大勢を占めている。
ただし、米国の早期利下げや日銀の追加利上げの観測が浮上したことで、足元では円高に転換し、7月月初に161円台だったドル円相場は足元で154円程度まで円が上昇している。円高が進行すると、第2四半期以降は円安による増益効果は薄れていくことになる。
認証不正問題に伴う国内生産の減少と円高転換という逆風の中で、第1四半期にどれだけ「貯金」を作っておけたかは、トヨタの24年度の通期業績にも大きく影響する。
EVの販売台数は計画通りも中国市場で大苦戦
認証不正と円高は足元での逆風だが、トヨタにとって中長期的な課題はEV戦略と、EVで先行する中国勢との競合だ。
トヨタ単体の23年度のEVの目標販売台数は、中間決算発表時に通期販売見通しを20万2000台から12万3000台へ下方修正したが、実際の販売台数は約11万7000台にとどまった。24年度は23年度比46.2%増の17万1000台を予定している。第1四半期の販売台数は4万2908台で、前年同期(2万8698台)と比べて約1.5倍に増え、年度計画の進捗割合が25.1%に達した
一方、中国での販売は苦戦している。第1四半期の販売台数は41万584台(前年同期は49万9483台)で、前年同期比17.8%の大幅減となった。「下取り強化策等の販売活動の強化を実施したものの、価格競争激化など激しい市場環境が継続した」という。
中国での販売競争は、来たる中国勢との「世界戦」のための試金石にもなるだけに、決算発表で今後の巻き返し策に関する発言があるかどうかも注目される。
▲証券会社によるトヨタ自動車の直近の主なレーティング
▲証券会社によるトヨタ自動車の直近の主なレーティング
ーmoomooニュースMark
出所:トヨタHP、Bloomberg、日本経済新聞、moomoo
免責事項:このコンテンツは、Moomoo Technologies Incが情報交換及び教育目的でのみ提供するものです。 さらに詳しい情報
翻訳
報告
6877 回閲覧
コメント
サインインコメントをする