進撃のトランプ、株式市場席巻か？トランプ相場で勝ち組となるのは

銃撃事件が「トランプ関連取引」をさらに強化したようだ。Polymarketによると、トランプ氏が11月の選挙に勝利する確率は、銃乱射事件をきっかけに約10ポイント上昇し、70％に達した。 一方、ライバルのバイデン氏が勝利する確率はさらに下がり、18％だった。いわゆる「トランプ取引」はさらに勢いを増しそうだ。

「トランプ・トレード」は、予想より早く、よりボラティリティの低い形で到来したようだ。 今回の大統領選の動向を踏まえると、トランプ氏が大統領に当選し、共和党が上下両院を制するというシナリオが最も可能性が高い。 トランプは「関税引き上げ＋所得税減税＋厳格な移民政策の強化」を実施することで、米国の収益には良いが、インフレ再び誘発する可能性があり、米国債利回りとドルは依然として高止まりする可能性が高い。ブルームバーグによると、米ドル、ビットコイン、金、米国株（特にディフェンシブ株、伝統的エネルギー株）、これら4大資産に注目すべきだという。

そのうち、テスラはトランプ当選から恩恵を受けるかもしれない。 市場アナリストによれば、トランプ氏が大統領に就任すれば、中国の電気自動車メーカーに高い関税を課す可能性があり、それはテスラにとって良いことかもしれない。ウェドブッシュのアナリスト、ダン・アイブズ氏は、トランプ氏が大統領に再選されれば、電気自動車業界には全体的にマイナスの影響を与えるだろうが、それでもテスラにとっては「潜在的な好材料」になり得ると述べた。

さらに、テスラのCEOであるイーロン・マスク氏はトランプ氏への支持を表明した。14日、「私はトランプ大統領を全面的に支持し、一日も早い回復を祈っている」とマスク氏はX（旧ツイッター）で宣言した。

7月15日のプレマーケットでは、トランプ勝利の関連株が急騰し、 $トランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループ・コーポレーション(DJT.US)$は一時70％以上、 $Phunware インク(PHUN.US)$は60％近く、 $ランブル A(RUM.US)$は20％以上、 $マイクロストラテジー A(MSTR.US)$は9％近く、 $コインベース グローバル A(COIN.US)$、 $マラソン デジタル ホールディングス(MARA.US)$、 $ライオット プラットフォームズ(RIOT.US)$、 $クリーンスパーク(CLSK.US)$は6％以上、 $テスラ(TSLA.US)$は5％以上上昇。

2016年のトランプ氏の勝利は市場予想を上回り、資産価格の大幅な変動を引き起こし、勝利後1-2ヶ月は市場が「トランプ取引」に賭け、予想を消化した後は取引は弱まり、若干反転もした。

当時、「トランプ取引」の本質は拡張的な財政政策と厳しい貿易政策であり、米国のインフレ率の上昇、米国と米以外の経済格差の拡大が予想されたため、2016年11月〜12月には、高い米国債金利、強い米ドル、強い米国株が示され、ダウ平均は「トランプ取引」の上昇を主導した。 2017年第1四半期に予想が消化された後、市場センチメントは冷え込み、3月に米国株は反落し、米国債利回りは高止まりで上下し、米ドル指数は下落した。

第1回大統領候補者討論会の後、トランプ氏勝利への市場の期待が大幅に高まり、市場は「トランプ・トレーディング」を始まった。現時点では、米国政府の高いレバレッジと高金利により、財政拡大余地が限られている可能性があるため、米国の内需、さらには米国株式市場への好影響は、前回よりも弱くなる可能性がある。

現在の米国の財政赤字はすでに7％にも達しており、トランプ氏は今後も政府投資を拡大したいと述べているため、所得税減税のもとで、歳入を確保する手段としては高関税を課すことになり、そのため、トランプ氏は「関税引き上げ＋所得税減税」という特徴的な施策を継続する可能性が高い。 教育政策は地方分権、医療政策は競争によるコスト削減で財政支出を抑えるだろう。

(1) 大統領・副大統領候補の決定：共和党全国大会（7月15～18日）、民主党全国大会（8月19～22日）
(2) 第二回候補者討論会：9月10日
(3) 大統領選挙：11月5日

●シナリオ1：今回の大統領選の動向を踏まえると、トランプ氏が大統領に当選し、共和党が上下両院を制するというシナリオが最も可能性が高い。トランプは「関税引き上げ＋所得税減税＋厳格な移民政策の強化」を実施することで、米国の収益には良いが、インフレ再び誘発する可能性があり、米国債利回りとドルは依然として高止まりする可能性が高い。トランプ大統領の産業政策の優遇策も、伝統的なエネルギー、公益事業、銀行などのセクターをさらに押し上げるだろう。

●シナリオ2：トランプ氏が大統領に当選＋議会が分裂。 トランプ大統領の所得税減税政策は阻止される可能性が高いが、「関税引き上げ＋厳格な移民政策の強化」を実施する可能性はまだあり、米国株と米ドルに調整リスクがあり、米連邦準備制度理事会（FRB）の利下げ余地は限られている。

●シナリオ3：トランプが選挙で負けた場合、民主党も議会を統一するのに苦戦する可能性が高い。 資産クラスはまだ現在のロジックで動くかもしれない。