リビアの石油供給停止、一部再開も継続

リビアは、ハフタル一族が中央銀行の支配権をめぐる争いを有利に進めるために石油の生産を阻止してから1週間が経過したが、まだ石油の輸出を再開していない。6人の技術者が汎アラブ紙Asharq-Al-Awsatに語ったところによると、Es Sidra、Ras Lanouf、Hariga、Zueitina、Brega、Sirteの各港で輸出が停止したままである。

S&Pグローバルによると、軍閥ハリファ・ハフタールの支配下にある東部の3つの油田で最大23万b/dの原油生産が回復しているが、7月のリビアの生産量115万b/dには遠く及ばない。リビアの原油輸出は4月に数年ぶりの高水準に達し、北西ヨーロッパと地中海の精製業者はリビアの軽質油を珍重した。

UBSのアナリスト、ジョバンニ・スタウノヴォはブルームバーグに対し、リビアの動向は石油市場にとって非常に重要であり、それは「実際に失われたバレル」であり、リビア危機が続く限り、現物市場を事実上引き締めることになると語った。

リビアの原油生産が定期的に不安定になるのは、2011年の第一次リビア内戦以来繰り返されてきたことで、スタンダード・チャータードの商品アナリストは、40億バレル強の生産量が失われ、北アフリカの国に3200億ドルの損失が生じたと見積もっている。しかし、リビアの原油生産停止は、米国経済のハードランディング懸念の高まりや、2025年への弱気な見通しのおかげで、原油価格を押し上げるには至らなかった。ブレント原油（10月限）は1週間前の81.25ドル/バレルから、月曜日の日中取引では76.89ドル/バレルまで急落し、WTIは77.17ドル/バレルから73.60ドル/バレルまで下落した。

StanChartによると、健全なファンダメンタルズを考えると、原油市場で弱気が続いていることを正当化するのは難しい。 例えば、米国の原油在庫は大幅に減少しており、過去8週間の在庫減少の累計は3,470万バレル、平均で日量62万バレル（kb/d）に達している。