マイクロン16%急落!AIメモリー「強気」見通し、スマホ・PC低迷が足かせ 【米国株決算まとめ】
半導体メモリー大手の $マイクロン・テクノロジー (MU.US)$ が12月18日引け後に決算を発表。その後、時間外取引で株価が16%急落した。2025年度2Q(12-2月期)ガイダンスの弱さが嫌気された。
AI半導体メモリーは好調だが、スマートフォンやパソコンの需要低迷を補うにはまだ不十分だった。経営陣は中長期的にはAI半導体メモリーについて「強気」見通しを示し、業績への貢献が大きくなるだろうと示した。
決算ハイライト
2025年度1Q(9-11月期)実績:予想通り黒字転換
◇調整後EPS(1株当たり利益):1.79ドル、前年同期は0.95ドルの損失、市場予想は1.76ドル
◇売上高:87.1億ドル、前年同期比84%増、市場予想は87.1億ドル
2025年度1Q(9-11月期)実績:予想通り黒字転換
◇調整後EPS(1株当たり利益):1.79ドル、前年同期は0.95ドルの損失、市場予想は1.76ドル
◇売上高:87.1億ドル、前年同期比84%増、市場予想は87.1億ドル
・市場予想通りに黒字転換を果たした。データセンターの売上高は前年同期の5倍に、前四半期比でも40%増加し、初めて全体の半分以上を占めた。最大のデータセンター顧客からの収入は総収入の約13%を占めた。
・製品別ではDRAMの収益が64億ドルで、前年同期比87%増となり、総収益の73%を占めた。データセンター向けの需要拡大が寄与した。NANDの収益は22億ドルで前四半期比5%減少した。
・AI半導体メモリーの⾼帯域幅メモリ(HBM)は歩留まりと容量の増強を着実に実行した結果、出荷は計画を上回り、HBMの収益は前四半期⽐で2倍以上増加した。
・製品別ではDRAMの収益が64億ドルで、前年同期比87%増となり、総収益の73%を占めた。データセンター向けの需要拡大が寄与した。NANDの収益は22億ドルで前四半期比5%減少した。
・AI半導体メモリーの⾼帯域幅メモリ(HBM)は歩留まりと容量の増強を着実に実行した結果、出荷は計画を上回り、HBMの収益は前四半期⽐で2倍以上増加した。
2Q(12-2月)ガイダンス:予想下振れ
◇売上高:79億±2ドル、市場予想は89.9億ドル
◇調整後EPS:1.33ドル~1.53ドル、市場予想は1.92ドル
◇売上高:79億±2ドル、市場予想は89.9億ドル
◇調整後EPS:1.33ドル~1.53ドル、市場予想は1.92ドル
・経営陣はガイダンスの弱さについて、「NANDによるものだ」と説明。「NAND業界の市況は予想よりも弱く、消費者市場、PC、スマートフォンの需要が弱く、在庫調整が行われている」とコメントした。
・同時に「DRAMの売上高が事業全体に占める割合が高く、DRAM製品構成も好調であることから、確実に好影響が出ている。HBMやその他のデータセンター製品も好調だ」と示した。
・ただし、短期的にDRAMに対する追い風はNANDの逆風によって相殺されてしまうと説明した。「NAND市場の状況が改善し始めるには、2025年暦年で第1四半期に入ってからしばらくかかるだろう」とした。
・同時に「DRAMの売上高が事業全体に占める割合が高く、DRAM製品構成も好調であることから、確実に好影響が出ている。HBMやその他のデータセンター製品も好調だ」と示した。
・ただし、短期的にDRAMに対する追い風はNANDの逆風によって相殺されてしまうと説明した。「NAND市場の状況が改善し始めるには、2025年暦年で第1四半期に入ってからしばらくかかるだろう」とした。
AI半導体メモリー事業
◇顧客:マイクロンは2024年2月に、 $エヌビディア (NVDA.US)$ 向けにAI半導体メモリの「HBM 3E」の量産を開始した。同社の「HBM3E8H」は、エヌビディアの「BlackwellB200」および「GB200プラットフォーム」に組み込まれている。今月は、2番目の大手顧客への大量出荷を予定しており、1Qには3番目の大手顧客への大量出荷を開始する予定となっている。
◇顧客:マイクロンは2024年2月に、 $エヌビディア (NVDA.US)$ 向けにAI半導体メモリの「HBM 3E」の量産を開始した。同社の「HBM3E8H」は、エヌビディアの「BlackwellB200」および「GB200プラットフォーム」に組み込まれている。今月は、2番目の大手顧客への大量出荷を予定しており、1Qには3番目の大手顧客への大量出荷を開始する予定となっている。
◇受注・売上規模:HBMは2025年分は完売しており、この期間の価格設定はすでに決定されている。2025年度には、HBMの収益が数⼗億ドルに達する見込みだ。経営陣は、「2025年には市場シェアが再び拡⼤すると⾒込んでいる」と示した。
※2025年分が完売しており、価格設定も決定されているため、AI半導体メモリーの売上高の確度が高いのはプラス材料だが、その反面、短期的には上振れの余地が限られてくる。そのため、非AI関連部門が予想以上に弱いと、業績の下振れ”度合い”がクローズアップされてしまう。この点が、マイクロンと他のAI半導体関連株との違いで、株価評価につながっている可能性があると考えられる。
◇市場規模:会社側はHBMのTAM(実現可能な最大市場規模)について、2025年には300億ドルを超えると予測している。従来予想よりおよそ2割上方修正した。2028年には、HBMのTAMが2024年の160億ドルレベルから4倍に成長し、2030年には1000億ドルを超えると予想しており、中長期的に事業および成長のチャンスが大きいと示した。
◇製品ロードマップ:HBM3の次世代品HBM4(パフォーマンス50%以上向上)は2026年に業界向けに⼤量⽣産される予定。HBM4に続くHBM4Eの開発作業は、複数の顧客と順調に進んでいる。経営陣は「HBM4Eは、 $台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング (TSM.US)$ の⾼度なロジックファウンドリ製造プロセスを使⽤して、特定の顧客向けにロジックベースダイをカスタマイズするオプションを組み込むことで、メモリ事業にパラダイムシフトをもたらる。このカスタマイズ機能により、マイクロンの財務実績が向上すると期待している」とコメントした。
目標株価の変化
決算発表後、8人のアナリストが目標株価を下方修正した。12月19日現在、平均目標株価は141.85ドル、最高目標株価は180.00ドル、最低目標株価は70.00ドルとなっている。(Bloomberg より)
決算発表後、8人のアナリストが目標株価を下方修正した。12月19日現在、平均目標株価は141.85ドル、最高目標株価は180.00ドル、最低目標株価は70.00ドルとなっている。(Bloomberg より)
多くのアナリストは利益率の高いAI分野は勢いがあるが、消費者向けの非AI分野の回復が想定より遅れていると指摘した。経営陣は、「消費者向け事業は2025年度後半(2025年6月以降)には成長に回帰すると予想している」と示している。そのため、短期的にはポジティブ材料が出にくく、株価の重石となるかもしれない。今後、消費者向け事業が予想外に回復が早まる、あるいはAI半導体事業での生産能力拡大などのポジティブ・サプライズがあった際は見直し買いにつながるかもしれない。
24年12月19日作成 マーケットアナリスト Julie
出所:会社資料およびBloombergよりmoomoo証券作成
出所:会社資料およびBloombergよりmoomoo証券作成
免責事項:このコンテンツは、Moomoo Technologies Incが情報交換及び教育目的でのみ提供するものです。
さらに詳しい情報
コメント
サインインコメントをする