東京市場サマリー：日経平均3日ぶり反落　介入期待の個人投資家、過去最大級の円買いで逆張り－海外勢と対照的

市場概況
今日の東京株式市場で日経平均株価は前営業日比191.32円安の39581.81円、東証株価指数（TOPIX）が11.90ポイント安の2742.79で終了した。

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首相訪米、為替介入再来か　市場が試す「日米の絆」
またも首相訪米中の円買い・ドル売りの為替介入となるのか。10日午後9時半の米消費者物価指数（CPI）の発表を控え、政府・日銀、市場関係者とも緊張が高まっている。「防衛ライン」との見方が広がる1ドル=152円を超えて円安が進めば、2年前に続き岸田文雄首相訪米中の介入につながりかねないとの警戒が広がる。
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円安による輸入物価上昇、基調物価に反映なら政策変更－日銀総裁
日本銀行の植田和男総裁は10日、円安進行で輸入物価が大幅に上昇し、基調的物価が２％を超えて上昇するリスクが高まる場合、金融政策の変更も考える必要があるとの見解を示した。衆院財務金融委員会で答弁した。

介入期待の個人投資家、過去最大級の円買いで逆張り－海外勢と対照的
円相場が約34年ぶりとなる１ドル＝152円に迫る中、個人投資家は過去最大規模の円買いポジションを抱えながら、通貨当局による円買い介入を待ち構えている。介入により円が急反発する局面を捉えて収益を得るのが狙いで、その姿はさらなる円安進行を見据えて円売りポジションを積み上げる海外投資家と対照的だ。
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年初からの株価下落率　成長銘柄が上位に
日経平均株価が最高値更新後も4万円前後の高値圏を維持しているが、相場全体の波に乗り切れていない銘柄もある。日経平均構成銘柄の年初からの株価下落率を調べたところ、業績拡大期待が大きいグロース（成長）銘柄が下落率上位に並んだ。

世界の鉄鋼需要、24年は1.7%増　インドなど押し上げ
世界鉄鋼協会は2024年の世界鋼材需要が前年比1.7%増の17億9300万トンになる見通しだと発表した。25年については1.2%増の18億1500万トンになる見込みとした。世界最大の需要国である中国の需要は横ばいが続くものの、インドなどが押し上げると分析した。同協会は新型コロナウイルス禍をへて「24年と25年は成長軌道になる兆候がみえる」とした。

3月の中古車台数、11カ月ぶり減　ダイハツ不正が影響
日本自動車販売協会連合会（自販連）と全国軽自動車協会連合会が10日発表した3月の中古車登録・届け出台数は前年同月比5%減の77万9571台だった。マイナスは11カ月ぶり。ダイハツ工業の認証不正による出荷停止などの影響で新車の供給が再び停滞。買い替えが減り、中古車市場に流れる下取り車両が減ったことが響いた。

注目銘柄
さくらネット、さくらＫＣＳなど急騰、米マイクロソフトの巨額投資で株高思惑が開花◇
$さくらインターネット (3778.JP)$が続急伸、１２％高の５４５０円まで駆け上がる場面があったほか、 $さくらケーシーエス (4761.JP)$も６日ぶりに大きく切り返し、こちらは値幅制限上限の１６９９円まで買われる急騰を演じた。いずれもデータセンター分野に力を入れており、生成ＡＩ市場の急成長を背景にビジネスチャンス拡大が期待される状況にある。

電力株急伸、米マイクロソフトが日本で巨額投資－電力消費増に期待感
米 $マイクロソフト (MSFT.US)$が日本でクラウド・コンピューティングと人工知能（ＡＩ）インフラの強化を目的に大型投資を行うと発表したことで、将来的な電力消費の増加を見込む買いで電力株が軒並み急伸した。 $東京電力ホールディングス (9501.JP)$は一時前日比5.7％高の1099円と2011年３月以来の高値を更新。 $北海道電力 (9509.JP)$は9.6％高と16年２月以来の高値、 $九州電力 (9508.JP)$も5.4％高と15年８月以来の高値を付けるなど、ＴＯＰＩＸ電気・ガス業指数は東証33業種の上昇率トップとなった。

７＆ｉＨＤ、スーパーストア事業のＩＰＯ実現に向け検討開始
$セブン&アイ・ホールディングス (3382.JP)$は10日、現実的に最速のタイミングでのスーパーストア（ＳＳＴ）事業の新規株式公開（ＩＰＯ）実現に向けた検討を開始すると発表した。

ルネサス、演算半導体2割安く　英アーム規格を搭載
$ルネサスエレクトロニクス (6723.JP)$は9日、従来より低価格の演算用半導体の量産を始めたと発表した。マイコンと呼ばれる半導体で、頭脳部分のコアには英 $アーム・ホールディングス (ARM.US)$の規格を用いる。性能を示す動作周波数を35%抑える代わりに、販売価格を従来品より約2割下げた。小型の家電製品や産業機器への引き合いを見込む。

ソフトバンクＧは下値模索、アームの株価調整に連動もＡＩ技術開発の日米連携で存在感
$ソフトバンクグループ (9984.JP)$は全般軟調地合いのなか下値模索の動きを強いられている。前日の米国株市場では様子見ムードのなかもハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数の方は３日続伸して引けており、米ハイテク株への投資に積極的な同社にとって風向きは悪くない。ただ、英半導体設計 $アーム・ホールディングス (ARM.US)$の株価がここ頭打ちの状態で調整局面を示唆していることが、親会社であるソフトバンクＧの株価にも影響を与えているとみられる。

ＩＨＩ－大幅安　ボーイング787の安全性巡る内部告発が報じられる
$IHI (7013.JP)$が大幅安。米ボーイングの中型機「787ドリームライナー」の安全性に関する内部告発を米連邦航空局（ＦＡＡ）が調査していると伝わったことが嫌気されているもよう。