米国市場の展望：エヌビディアは100ドル大台を回復　JPモルガンは年末までの米リセッション確率を引き上げた一方、GSが市場のますます楽観的な利下げ観測に冷水を

Moomooユーザーの皆様、こんばんは！今晩のＮＹ株の読み筋です。

市場概況
米国市場スタート、優良株で構成するダウ工業株30種平均は176.93ドル高の38940.38ドル、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数が212.46ポイント高の16408.27で始まった。米国大型株である500社の銘柄で構成するS＆P500種平均は53.07ポイント高の5252.57。

GSはFRBが緊急利下げをする必要はないと、市場のますます楽観的な利下げ観測に冷水を
●ゴールドマン・サックスのチーフ・エコノミスト、Jan Hatzius氏は、利下げを求める声に冷や水を浴びせた。 同氏は、2つのモデルを通じて分析した結果、現在の市場の不安定さは経済に実質的な脅威をもたらさないことを示している。 したがって、FRBが緊急に利下げする必要はないと述べた。
●ゴールドマン・サックスは、金融情勢指数（FCI）の枠組みを使って、市場環境の変化が経済にどのような影響を与えるかを推定した。 同行は、経済の健全性から見ると、現在見られるような大規模な金融引き締めのリスクはほとんどないと考えている。

●ゴールドマン・サックスは、金融ストレス指数（FSI）でもこれを示している。 同行によると、これまでの金融環境の引き締めの多くは、株式市場と社債市場におけるボラティリティの上昇が予想されたことによる。 その結果、資金調達市場の状況は引き締まったが、今のところ過去数年の範囲内にとどまっているようだ。一方、米国債市場の状況は2022年以降着実に悪化してきたが、さらに若干悪化している。

6月の米クレジットカード債務データ、米消費の軟化を示唆
●米連邦準備制度理事会（FRB）が発表した6月の信用統計が、米国の消費がピークを打ち始めたことを示唆したことで、米国の景気後退懸念が市場に蔓延した。
●米連邦準備制度理事会（FRB）が毎月発表する消費者信用報告書によると、6月の米消費者信用は89億3400万ドル増加し、予想の100億ドルを下回り、上方修正された5月の139億ドルを大幅に下回った。

●注目すべきは、6月に米国のリボルビング・クレジット（クレジットカード債務）が予想に反して17億ドルも減少したことである。 懸念されるのは、このような大きな下落が発生するたびに、何らかの経済的危機が続くか、すでに始まっているということである。

ディズニー、Airbnb、ヒルトン決算は米国消費の低迷を示唆
● $マクドナルド (MCD.US)$ 、 $スターバックス (SBUX.US)$ 、 $NESTLE S.A SPONS (NSRGY.US)$ 、 $プロクター・アンド・ギャンブル (PG.US)$ などの外食大手や消費財大手の業績悪化に続き、 $ウォルト・ディズニー (DIS.US)$ 、 $エアビーアンドビー (ABNB.US)$ 、 $ヒルトン・ワールドワイド・ホールディングス (HLT.US)$などの旅行・宿泊大手も最新の決算で、可処分所得の減少の結果、米国の消費者が食事や旅行、レジャーへの支出を減らしているとの警告を出している。
● $ウォルト・ディズニー (DIS.US)$の最高財務責任者であるヒュー・ジョンストンは、テーマパーク事業が「消費者需要の鈍化」によって打撃を受け、営業利益が3％減少したと述べた。
●ディズニーだけでなく、 $エアビーアンドビー (ABNB.US)$ や $ヒルトン・ワールドワイド・ホールディングス (HLT.US)$ などの企業も米国の消費低迷の打撃を受けている。 火曜日、エアビーアンドビーは、旅行のピークシーズンにもかかわらず、米国人旅行者の宿泊需要が減速の兆しを見せていると警告し、通年の収益の伸びが減速するとの見通しを示した。 これを受け、水曜日のエアビーアンドビー株は13％超急落した。

●また、 $ヒルトン・ワールドワイド・ホールディングス (HLT.US)$ のクリス・ナセッタCEOは、水曜日の決算後、米国の消費市場は 「間違いなく軟化している 」と述べた。

米・先週分新規失業保険申請件数は予想下回り⁺23.3万件
米先週分新規失業保険申請件数：⁺23.3万件（予想：24.0万件、前回：24.9万件）

JPモルガン 年末までの米リセッション確率を従来の25％から35％へと引き上げ
●年末までの米リセッション確率を従来の25％から35％へと引き上げ
●2025年下期は45％に据え置き
●レイオフが相次ぐ初期的な兆しみられる
●労働市場の軟化は予想を上回る可能性ある
●インフレは今後さらに緩和する見通し
●米金融当局は9月と11月に50bp利下げを行うと予想

一掃されたキャリー取引
● $ジェイピー・モルガン・チェース (JPM.US)$はまた、グローバル・キャリー・トレードの4分の3が解消され、最近の暴落で今年の利益が帳消しになったと発表した。
●JPモルガンが追跡しているG10、新興市場、グローバル・キャリー・トレード・バスケットのリターンは5月以降約10％下落しており、銀行によると、今回の暴落は2022年末以降に蓄積された利益を大きく削っている。

日本におけるバフェット
●ウォーレン・バフェット氏は、最近の相場暴落で日本の商社の保有株の価値が約67億ドル吹き飛んだが、日本株の回復とともに損失は縮小した。
●しかし、日本株が回復したことで、彼の損失は縮小した。バフェット氏が経営する $バークシャー・ハサウェイ (BRK.A.US)$ は、 $アップル (AAPL.US)$を売却した後、第2四半期に2,769億ドルという記録的な現金の山を築いた。
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