「もしトラ」が始まった？米大統領選を投資チャンスに！6月-8月は要注目

S&P500の上半期は約15％の上昇率を記録し、1900年以降上半期で21番目の好成績を収めた。市場の焦点は間違いなくエヌビディアとAI、そしてFRBが利下げを行う時期にあったが、今や米大統領選にシフトし始めている。大統領選サイクルの4年目に入る2024年は、米株式市場にとって極めて重要な1年だ。「選挙の年」に突入した米国株はどうなるか？そして大統領選挙年に米FRBの利下げが行われると、米株式市場は1＋1＞2の強気相場を達成できるか？これらは多くの投資家が関心を寄せている問題だ。

1928年までさかのぼるデータによると、大統領任期4年目は米株式市場にとって2番目（1番目は大統領任期の3年目）に好調な年だ。大統領選サイクルの4年目に好調である背景には、現大統領が再選の可能性を高めるため、財政支出を通じて景気を最後に刺激しようとする、という見方がある。

BofAの調査によると、大統領選サイクル4年目のS&P500の月間平均リターンを見ると、1月から5月は冴えず、6月から8月はサマー・ラリー、9月から10月は選挙前の落ち込み、11月から12月は選挙後の反発となっているという。つまり、米国株は今後2ヵ月で再び最高値を更新すると予想される。

そのうち、年間で最も好調な月は8月で、平均3％強の上昇、勝率71％を記録。一方、大統領選の不透明感を払拭した12月は最も勝率が高く、83％に達した。

ゴールドマン・サックスのアナリスト、Oscar Ostlund氏は、ゴールドマン・サックスのオプション市場は通常、選挙の約3ヶ月前からプライシングを開始するとし、「まだその段階には至っていないが、市場のボラティリティは間もなく上昇すると予想され、市場は選挙が株式市場に与える潜在的な影響に注意深くなるべきだ」と語った。

S&P500種指数は、2％以上の下落は400日近く記録していないが、選挙リスクがすでに金融市場に波及し始めているため、この状況はもうすぐ変わるかもしれない。ゴールドマン・サックスは、共和党か民主党のいずれかが勝利しても、米国政府は行政部門の支出自由度を高めることになり、債券市場にとってはマイナスになると分析している。機関投資家はまた、トランプ氏が勝利した場合、下院が分裂しても統一政権になっても、連邦準備制度理事会（FRB）がよりハト派的な政策を採用することを意味する可能性があるため、米国株には有利になると市場は考えている。

ゴールドマン・サックスは、機関投資家が11月の選挙結果をどう見ているかを分析した。
・米国株に対しては、トランプと共和党の勝利は最も有利であり、バイデンと民主党の勝利はマイナスである。
・米国債利回りは4つのシナリオ（"共和党大勝利"、"民主党大勝利"、"トランプ政権の分裂"、"バイデン政権の分裂"）のほとんどで上昇する傾向があり、米国債が売られ続けるリスクがあることを意味する。この中、米国債に対して、二大政党の膠着状態が続くことが最も有利であり、両党とも赤字を拡大する傾向があるため、いずれかの政党が大勝しても米国債にとっては不利である。
・ドルに対しては、共和党の勝利の方が有利であるという。

UBSのアナリストは、過去2回の米国大統領の政策と、それが特定のセクターや企業にどのような影響を与えたかを分析し、「バイデン再選の関連株」と「トランプ勝利の関連株」のリストをまとめた。選挙結果から恩恵を受けそうな業種と銘柄を一覧で確認！

しかし、先週、米大統領選の第1回討論会が終了し、バイデンのパフォーマンスは期待外れだった。1回の討論会の成否が最終結果を左右するほどではないが、「トランプ回帰」への期待は膨らみ続けている。現在、2024年の大統領選でバイデンが勝利する可能性についての市場予想は最低水準に落ち、トランプの勝利の可能性は最高水準に上昇している。Real Clear Politicsによると、バイデンが11月に再選される可能性は19％である。

バーンスタインによれば、暗号資産は今年の米大統領選挙シーズン中、主要な「トランプ・トレード」として台頭する可能性があるという。リポートによると、共和党は、暗号資産業界に対する好意的なスタンスが、有権者を獲得し、暗号資産推進派の政治家を支援するスーパーＰＡＣ（政治活動委員会）から選挙資金を得るための方法と見ている。

従来のトランプトレードは、2016年の大統領選でトランプ氏が勝利した後、米国株、国債利回り、ドルが同時に急伸したことに由来する。今回、トランプ氏が勝利すれば、機関投資家による採用と規制環境の改善が暗号資産の上昇を後押しするとみられる。

金融市場の反応を見ても、それは裏付けられているようだ。 米国選挙の第1回討論会の後、トランプ氏の支持率がリードし、ビットコインは反発し始め、一時は63,000ドルの大台を超えた。

上記の通り、トランプ氏が勝利した場合、医療保険会社や仮想通貨関連株などが上昇する可能性がある。

カナダロイヤル銀行のアナリスト、Ben Hendrix氏によると、バイデン氏の期待外れのパフォーマンスにより、マネージド・ケア／ヘルスケア・セクターに対する市場の自信はさらに高まると予想される。つまり、 もしトランプがホワイトハウスに戻れば、ヘルスケア・セクターにとってより優しい規制環境になることが予想される。つまり、米連邦取引委員会や米司法省による垂直統合戦略への規制が緩和されるか、あるいは撤廃されることを意味し、特に $ユナイテッドヘルス グループ(UNH.US)$にとって好都合となるだろう。

先週金曜日、ユナイテッドヘルス、ヒューマナ、CVSヘルスなどの業界大手は、討論会後に大幅に上昇した。 $ユナイテッドヘルス グループ(UNH.US)$は討論会の後4.69%上昇し、 $ヒューマナ(HUM.US)$は3.19%上昇し、 $CVS ヘルス(CVS.US)$は1.2%上昇した。

実際、"トランプ回帰 "への期待感が高まり続けていることに加え、利下げ期待も強まっている。市場関係者は、過去3年間で、バイオテクノロジーセクターは市場をアンダーパフォーマンスしたが、FRBが利下げを実施すれば、革新的な医薬品に代表されるバイオテクノロジーセクターは上昇に転じると見ている。 なぜなら、生物医学の科学技術の研究開発サイクルは長く、大きな投資、高コスト、初期段階は外部からの資本注入に大きく依存している。 米国債利回りが高いとき、つまり低リスクの投資リターンが高いとき、ファンドはより大きなリスクをとって革新的な医薬品や その他のエクイティ資産の重い研究開発に投資しようとはしないだろう。