台湾TSMC、時価総額一時1兆ドル突破！上昇余地がまだ30％ある？！

月曜日の取引で、 $台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング (TSM.US)$が一株192.8ドルの高値で過去最高値を更新し、時価総額が一時1兆ドルを突破した。

値上げが好材料
1カ月前の年次株主総会後、魏哲家社長は同社のAIチップ受託生産サービスの値上げを $エヌビディア (NVDA.US)$のジェンスン・フアンCEOと検討していると述べた。 同時にTSMCはエヌビディアだけでなく、 $クアルコム (QCOM.US)$、 $アドバンスト・マイクロ・デバイシズ (AMD.US)$、 $インテル (INTC.US)$向けの最新AIチップもすべて生産していることも強調した。

ジェンスン・フアン氏も「TSMCのウェハー価格は確かに低すぎる。TSMCの世界ハイテク産業への貢献という点では、今回の決算は明らかに過小評価されている」と述べた。

アナリストは当初、エヌビディアのような高性能コンピューティング(HPC)の顧客しかウェハーの10%の値上げを受け入れられないと考えていたが、先端プロセスの最大の顧客であるアップルも、生産能力の制約に直面しているため、今年は値上げの受け入れを余儀なくされる可能性がある。

6月17日、台湾のCommercial Timesによると、同社は3ナノチップの価格を5%以上、先進パッケージング/CoWoSの価格を最大20%引き上げる。 $アップル (AAPL.US)$やアドバンスト・マイクロ・デバイスを含む他の顧客にも全面的に値上げを実施する見込み。

そして、マッコーリー銀行の最新のレポートでは、TSMCの顧客の大半は、信頼性の高い製品供給を獲得するために、ファウンドリの価格を引き上げることに合意したと指摘した。これが好材料となり、同社株のさらなる上昇に拍車をかけた。

ウォール街による最新目標株価
先進的なAI半導体に対する急増な需要から恩恵を受ける同社の株価は年初来で80％近く上昇しており、第2四半期決算発表を控え、複数のアナリストが目標株価を引き上げている。9日の台湾株終値の1040台湾ドルから最大で30％の上昇余地もある。

●マッコーリー：売上総利益率がさらに上昇、目標株価を1280台湾ドルに設定
収益性の成長見通しの観点から、マッコーリーは、同社株を「強気」に維持し、1280台湾ドルの目標株価をつけた。23％以上の上昇余地がある。 マッコーリーの半導体業界アナリストは、「TSMCの需要の見通しは、人工知能のトレンドに後押しされ、過去平均よりも好調だ。加えて同社の顧客が値上げに合意したことで、将来の売上総利益率は年々上昇していくと予想されている」と述べた。

●モルガン・スタンレー：TSMCの「供給不足」戦略が奏功、目標株価を1180台湾ドルに設定
モルガン・スタンレーのアナリストは、同社はサプライチェーンに対し、2025年には先端プロセス向けの生産能力に供給制約が生じることを示唆していると述べた。つまり、顧客は値上げを受け入れなければ、必要な生産能力を確保することが難しくなるということだ。

モルガン・スタンレーは、同社が今後の決算発表で通年の売上高見通しを引き上げ、2025年に3ナノチップの平均販売価格は4%上昇し、4ナノおよび5ナノチップの平均販売価格は11%上昇すると予想している。

●シティ：AI GPUは来年末までに3ナノプロセスへ転換、目標株価を1150台湾ドルに設定
シティは、2025年末までに、エヌビディアの新AI GPUを含む世界のサーバー用AIアクセラレータの大半が3ナノプロセスに移行し、その一部はTSMCのより高価な2ナノまたは1.8ナノプロセスで試行する可能性さえあり、同社はより大規模な受注を獲得すると予想している。

シティは、TSMCの先端製造プロセス（すなわち5ナノ以下のプロセス）の平均価格は2025年に5～10％上昇する可能性が高いと指摘。また、TSMCの総売上高に占める先端プロセスの割合は、2024年に53%、2025年に61%に達する。全体の売上総利益率が2025年に58%に達する可能性があると予想している。

来週木曜日に決算発表
TSMCが7月18日（来週の木曜日）午後に2024年第2四半期決算を発表する予定。市場は、同社の第2四半期の売上高は前年同期比36％増となり、2022年第4四半期以来の急成長になると予想している。

モルガンスタンレーは、TSMCの2024年第2四半期の売上高は前年同期比13％増、売上総利益率は2024年第1四半期（～52％）とほぼ一致と予想しており、AIへの持続的な需要により、TSMCの2024年通年の売上高成長率は約20％に達すると予想している。