バフェット氏、積極購入の米国債　ウォール街大手銀も強気？

25兆ドル規模の米国債市場にとって、先週はフィッチによる格下げ、米国債の大量発行、日銀のYCC政策調整による日米金利差の縮小、3つの打撃を受けた。

債券市場が激しく下落した後、 $ゴールドマン・サックス (GS.US)$、 $ジェイピー・モルガン・チェース (JPM.US)$、 $モルガン・スタンレー (MS.US)$など、ウォール街の大手銀行が最新のレポートで、米国債の売り越しは少し行き過ぎではないかとの推測が始めた。

また、バフェット氏率いるバークシャーが株式ポートフォリオを縮小し、自社株買いを減速させたため、第2四半期に手元資金が過去最高に近づいたことも注目されている。1,474億ドルの手元資金のうち、1,200億ドル以上が短期米国債に投資されている。

フィッチによる米国格付けの突然の引き下げ後、バフェット氏は、バークシャーが米国債を大量に購入するという考えに変わりはないと表明した。「来週月曜の唯一の問題は100億ドルで3カ月物か6カ月物のどちらの短期国債を買うかだ」との発言も伝えている。

バフェット氏の短期米国債購入を、アックマン氏の30年物米国債空売りと比較する向きもある。これに対してアックマン氏は、「私たちは実は同じ考えをもっている。バフェット氏は30年物米国債を現在の利回りに近い水準で購入することはない。彼の購入は単に短期国債を利用した資金管理であり、我々も同様に短期国債で資金を運用している」。

定期的なリターンを得るために配当のある投資を長期的に行うことは、バフェット流投資の特徴の一部であると指摘されている。米連邦準備制度理事会（FRB）が過去1年あまりの利上げを続けたことにより、償還期限が1年未満の短期国債の利回りが大幅に上昇し、2001年以来の高水準で推移している。

英フィナンシャル・タイムズ(FT)によると、バークシャーは長年、壊滅的な保険金支払いに備え、またいつでも買収できるように数十億ドルの現金を用意しておくため、短期国債を保有してきたという。

$SPDR Bloomberg Barclays 1-3 Month T-Bill ETF (BIL.US)$：運用資産額は276.32億ドル、BILは、満期が1ヶ月以上3ヶ月未満の、公的に発行されたゼロクーポンの米国債全銘柄を対象とした時価加重平均株価指数に連動する。
$iシェアーズ 米国短期国債 ETF (SHV.US)$：運用資産額は199.12億ドル、SHVは米国財務省が発行する、残存期間が1～12ヶ月の債券の時価加重平均株価指数に連動する。
$Schwab Strategic Tr Short-Term Us Treasury Etf (SCHO.US)$：運用資産額は123.96億ドル、SCHOはSTRIPSを除く米国財務省が発行する、残存期間1-3年の債券の時価加重平均株価指数に連動する。
$Ishares Trust Ishares 0-3 Month Treasury Bond Etf (SGOV.US)$：運用資産額は122.86億ドル、SGOVは3ヶ月以内に満期を迎える米国債の時価加重平均株価指数に連動する。

●短期国債とは？

短期国債とは、政府が発行され、償還期間は通常数ヶ月から１年以内の債券である。短期国債は政府の信用に基づいて発行され、一般的に低リスクの投資と考えられている。
短期国債は、投資元本を維持し、短期的に利息を受け取りたい投資家に人気のある選択肢となっている。

●金利は短期国債にどのような影響を与えるのか？

金利と債券価格は逆相関であり、金利が上昇すれば債券価格は下落し、逆に金利が下落すれば債券価格は上昇する。この原則は金利リスクとして呼ばれ、短期国債にも適用されている。

●短期国債投資のメリットとデメリット

短期国債は安全性や安定性など様々なメリットをもたらすが、投資家はリターンの低下やインフレリスクなど潜在的なリスクに注意する必要がある。

短期国債は政府の徴税・印刷能力に後押しされているため、一般的に低リスクの投資と考えられ、投資家にとって予測可能な収入源となる。

また、一般的に短期国債は長期国債よりも流動性が高い。価格に大きな影響を与えることなく、簡単に市場で売買することができる。短期国債は金利変動の影響を受けにくいため、金利上昇が国債の市場価値に与える潜在的な影響も小さくなる。

ただし、短期国債の固定利払いはインフレに追いつかない可能性があり、潜在的に利回りの高い資産ではなく短期国債を選択することは、経済成長期や市場環境が良好な時期に、より良いリターンを逃すことに留意することが必要である。また、短期国債は依然として金利環境の変化の影響を受け、金利の上昇により債券価格が下落する場合もある。


ーmoomooニュースSherry、Citron