エヌビディアの売上高見通し、市場の高い期待に届かず－株価下落

更新日時 2024年11月21日 7:34 JST

24年11月－25年１月売上高は約375億ドルへ、市場予想上限410億ドル
売上高は２年連続で倍増の方向、投資家はより好調な四半期を期待

人工知能（ＡＩ）向け半導体メーカー大手エヌビディアが20日に示した売上高見通しは、市場予想の上限に届かなかった。ＡＩブームを原動力とする目覚ましい成長の限界を示唆した。
　　発表資料によると、2024年11月－25年１月（第４四半期）売上高は約375億ドル（約５兆8300億円）を見込む。ブルームバーグが集計したアナリスト予想平均は371億ドルで、最高410億ドルの予測もあった。
　　エヌビディアの業績見通しは、ＡＩへの期待が現実に比べ先走りしている可能性を示唆するものだ。同社の株価は今年に入り200％近く上昇し、時価総額で世界最大の企業となった。しかし、同社は製品需要に十分に対応しきれておらず、今年は生産上の問題にも見舞われた。
　　ジェンスン・フアン最高経営責任者（ＣＥＯ）は次世代チップ「ブラックウェル」について、現在「フル生産中」だと述べた。同製品の需要は数四半期にわたり供給を上回る見通し。その前のデザインである「ホッパー」には依然として需要があるとフアンＣＥＯは付け加えた。

　同ＣＥＯは発表資料で、「ＡＩはあらゆる産業、企業、国を変えつつある」と指摘。「フィジカルＡＩの画期的な進歩により、産業用ロボットへの投資が急増しており、各国は自国のＡＩとインフラを開発する重要性を認識し始めている」と述べた。
　　ただ一部の投資家は、より好調な四半期を期待していたもようで、エヌビディアの株価は発表を受けニューヨーク市場時間外取引で一時約２％下落した。通常取引終値は145.89ドル。

業績見通しは失望を誘ったものの、エヌビディアの過去２年間の成長は驚異的で、売上高は２年連続で倍増する勢いを見せている。
　　８－10月（第３四半期）の売上高は、94％増の351億ドル。１株利益は一部項目を除いたベースで81セントだった。アナリストらは売上高を約332億5000万ドル、１株利益を74セントと予測していた。

最大の事業部門であるデータセンター部門の売上高は、前年から倍増し308億ドルとなり、ウォール街の予測を上回った。