米国市場の展望：インフレリスクを排除するのは時期尚早＝ドイツ銀行のAllen氏　ダウ平均は73ドル安でスタート

Moomooユーザーの皆様、こんばんは！今晩のＮＹ株の読み筋です。

市場概況
米国市場スタート、優良株で構成するダウ工業株30種平均は73.41ドル安の41489.67ドル、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数が128.17ポイント安の17585.45で始まった。米国大型株である500社の銘柄で構成するS＆P500種平均は24.51ポイント安の5623.89。

レイバー・デー（米労働者の日）の週末後、米国株式先物は下落に転じる
●今週、投資家は金曜日に発表される重要な雇用統計を控えており、米連邦準備制度理事会（FRB）が今月末の利下げ幅を示唆する可能性がある。
●関連記事：9月に注目すべき米株の重要イベントは？ハリス氏とトランプ氏が初対決、FOMC金利決定と経済見通し、アップル製品イベントなど

インフレリスクを排除するのは時期尚早＝ドイツ銀行のアナリスト、Henry Allen氏
●ドイツ銀行のアナリスト、Henry Allen氏は最近、リサーチ・レポートを発表し、過去2、3年の間にインフレ対策は進展し、米国のPCEインフレ率とユーロ圏のCPIインフレ率は3％以内に戻ったが、インフレのリスクを排除するにはまだ早すぎると述べた。 同レポートは、投資家が引き続きインフレリスクに注目すべき主な理由は4つあると主張している。
●第1に、世界の主要中央銀行が緩和サイクルを徐々に開始するなか、マネーサプライの伸びが再び高まり、物価リスクを押し上げている。 データによれば、米国10年債の実質利回りは4月下旬のピークから50ベーシスポイント以上低下している。

●第2に、スティッキーインフレの一部には依然として上昇リスクが 残っている。 スティッキーインフレは、3ヵ月間隔、12ヵ月間隔ともにヘッドラインインフレを押し上げる主な要因となっている。

●第3に、地政学的ショックが商品価格を押し上げる可能性がある。 近年、世界的に地政学的紛争が頻発し、エネルギー価格や海運価格を押し上げることが何度かあった。
●最後に、このレポートは、世界的な実質利回りは、政府の財政赤字や財政刺激策のコストと同様に、コロナの影響で上昇していると論じている。 つまり、金融政策は将来起こりうる景気不振に対処するため、過去よりも多くの景気刺激を与える必要があるかもしれない。 これはインフレ率を直接押し上げる可能性が高い。

米国の消費は依然として底堅いとゴールドマン・サックスのヘッジファンド部門責任者Tony Pasquariello氏
●9月3日、ゴールドマン・サックスのヘッジファンド事業の責任者であるTony Passquariello氏が、米国株式市場を振り返り、今後を展望する記事を発表した。
●同氏の見解によれば、これはテクノロジー・セクターが力強く成長する一方で、設備投資の議論が熱を帯び始めており、AIというテーマがますます「二面的」になりつつあるというシグナルを発している。
●Tony氏は、米国の消費は1年前より大幅に鈍化しているが、依然として底堅く、空売りが考えているよりも確実に強いと見ている。
●Tony氏は、現在の米国株上昇の範囲は予想を超えているという。 今年に入ってから、S&Pの11セクターのうち6セクター（金融、公益、工業、ヘルスケア、素材、不動産）が52週ぶりの高値をつけており、好調なシグナルだと同氏は見ている。 今後については、9月のFRB利下げが25ベーシスポイントにとどまること、8月の非農業部門雇用者数が低調な結果となること、そして米大統領選をめぐる不透明感が高まることで、秋には「多少のボラティリティ」が生じる可能性があるという。
●現在、金利市場は9月に33ベーシスポイントの利下げを織り込んでいる。金曜日に発表される米非農業部門雇用者数が、FRBの決断の決め手になるだろうと同氏は指摘した。同氏は、長期的な視野では、インフレデータが緩和サイクルの軌道を決定し、経済データが緩和サイクルのペースと規模を決定し、経済状況の次の指標が市場の注目であり続けると述べた。

原油価格は急落、ブレント原油は今年の上昇分をすべて帳消し
● $WTI 原油(2410) (CLmain.US)$ は日中3.0％下落し、1バレルあたり71.29ドル。 ブレント原油は1バレル75ドルを割り込み、2024年の上昇分をすべて帳消しにした。
●リビア中央銀行総裁は、合意に近い派閥が石油生産を再開する見込みであると述べた。

インテル、会社分割計画の提示を準備中との報道
●ロイター通信の報道によると、 $インテル (INTC.US)$ のパット・ゲルシンガー最高経営責任者（CEO）をはじめとするチップ製造会社トップは、コスト削減のために事業の一部を分離する計画を9月中旬に取締役会に提示する見込みだという。
●ロイター通信によると、同社幹部はプログラマブル・チップ・ユニットのアルテラを分離する可能性を検討しているが、受託チップ製造のファウンドリー事業は分離する予定はないという。
●8月に期待外れの四半期決算を発表して26％下落したインテルの株価は、金曜日に $モルガン・スタンレー (MS.US)$ と $ゴールドマン・サックス (GS.US)$ を雇って事業再編の選択肢を評価させたとの報道で9％以上急騰した後、プレマーケット取引では一時約1％下落している。

米国株 vs 9月の呪い！宿命に打ち勝てるか？9月の投資法は
世界市場は波乱の1ヵ月を終えた。先月、米労働市場の急激な減速の兆しが景気後退への懸念を引き起こし、円キャリー取引の影響が暴落に拍車をかけた。その後、米経済の堅調な成長を示すデータが投資家の不安を和らげた。これにより、先週の $NYダウ (.DJI.US)$ は再び過去最高値を更新し、 $S&P 500 Index (.SPX.US)$ もその水準に迫っている。

【決算プレビュー】AI株NO.2のブロードコム、次のエヌビディアになれるか
米半導体大手の $ブロードコム (AVGO.US)$ は、9月5日引け後に（日本時間9月6日午前6時）FY2024Q3の決算を発表する予定。